『高校数学のロードマップ』A_3(空間編)2『位相多様体』

(2019/11/27差し替え)

(※注:「理系に進学したいが数学が苦手な知人の高校生に、数学の良さを教える」というミッションのための草稿を、あらかじめWebに掲載して、ダメなところを指摘してもらおう、という趣旨の記事です)

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〇位相多様体

●面や3次元空間等があれば図形が描ける

・空間と図形の区別は、直感的につきづらいですが、実は説明があります。高校数学ではやらないところなので、飛ばします。
「そんなの納得できない」という場合に限り、参考編を読むことを勧めます。
・極めて大雑把な説明をすると、最も大雑把に図形を考えたもの、仮に「大雑把な図形」と呼んでもよいようなものがあります。
(正式には位相多様体(いそうたようたい)と呼びますが、大学レベルの内容なので、覚えなくて結構です。)
II.数編の線の章で説明した位相空間や、「大雑把な図形」=位相多様体を扱うジャンルを、位相幾何学(いそうきかがく、topology)と呼びます。幾何学の一ジャンルです。
「大雑把な図形」の分類の条件として、「この大雑把な図形を、1枚の面にするためには、輪ゴム状の位相空間何個で割り切れるか」というものがあります。
これを、「大雑把な図形」=「(ある意味で)輪ゴムを何個か掛け算したもの」と見なしてもいいです。
要は、大雑把な図形は、輪ゴム状の位相空間と、掛け算という演算で出来ています。
「位相空間に演算を施した結果が「大雑把な図形」である」と考えてください。
また、図形は、舞台となる位相空間の中に埋まっている、位相空間の特殊な一部だと考えてもよいでしょう。土の中に土器が埋まっている、みたいなイメージです。
(なお、線や輪ゴムも、例えば点の舞台として考えることが出来ますが、同時に面や3次元空間などの何らかの舞台となる空間に埋まっている図形だと考えることが出来ます。具体的には、次のグラフの説明で、さっそく線や輪ゴムを図形として使ってしまいます。
(「大雑把な図形」ではなく、三角形や四角形などの「馴染み深い図形」について知りたい場合は、IV.関数編のユークリッド幾何学の章をご覧下さい。)

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