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リンゴヘルプマークを巡る愚見と提言

人気歌手、椎名林檎さんのCD購入特典とされていたグッズが
「ヘルプマーク」のデザインに類似していることから、
CD発売の延期が発表されるなど話題になっています。

椎名林檎さんといえば、東京事変(Tokyo Incident)のメンバーでもあります。
今回の一件をインシデントと呼ぶべきかは様々意見があると思いますが、
筆者個人の愚見、並びに提言したいことをまとめます。
なお、問題のグッズについては、以下「リンゴマーク」とします。

そもそも「ヘルプマーク」とは何なのか?

☆東京都福祉保健局

一目で意味がわかるイラスト「ピクトグラム」の一種で、
ヘルプマークは東京発であることから、著作権や商標は東京都にあります。

一見しただけでは気が付かれにくい体内部の疾患をもっている方などに
一目でわかるサインとして活用してもらうために作られたものですが、
具体的にどのような疾患や不自由を持っているかなどの規定はなく、
実質的には誰でも入手が可能となっている背景もあります。

病院から電車の駅まで、様々な公共施設で入手も可能ですが、
配布場所に向かうのが困難な方のために、WEBからダウンロードし
印刷しても利用できるようになっています。(※定期入れに入れたり)
実際に該当のWordファイルをダウンロードしたところ、
「拡大縮小はOK・変形はNG」とのことでした。

リンゴマークで何が問題になるのか?

では、リンゴマークは一体何が問題になるのでしょうか?

「東京都の許可を取って、リンゴマークもヘルプマークとして
使えるようにしてしまえばいいんじゃなだろうか?」
という意見も一定数あるのではないかと思います。
しかし、これはおすすめできないというのが個人的な所感です。

実際に、この話題が出て依頼「椎名林檎のグッズですか!?」と
見知らぬ人に声をかけられたケースが散見されているようです。
ある種、こういうコミュニケーションの場ができることはいいのですが、
ヘルプマークをお持ちの方が抱える問題の一例として、
「パニック障害を起こす」というものなどがあるかも知れません。

筆者の知り合いにもパニック障害に悩む方がいるのですが、
そういう方からすれば、唐突に声をかけられる行為も
声の書け方次第では負担となってしまう可能性があります。
パニック障害に限ったものでもないかもしれず、
マークを持っている方がそのような状況にあるかもしれないことを
配慮する必要がありますが、すべての人が配慮できるとは限りません。

ヘルプマーク自体にいくつかのデザインが有ること
(※例えば必要な助けの内容によって選べるとか)はいいと思いますが、
そうでなければ見分けがつきにくいマークが乱立することは
避けたほうが良いと考えるべきでしょう。

個人的に提案したい事

前述の通り、ヘルプマークに類似したリンゴマークが出回ることは
一定のリスクが生じると思いますので賛成いたしかねますが、
それを理解はしつつも「もったいないなぁ」と肩を落とされる
椎名林檎さんのファンの方も少なくないのではないでしょうか?

そこで個人的に提案してみたい内容が、
ヘルプカードを持っている方々がいざという時に声をかけれるように、
進んで手助けをしますよ!という意思表示をできる
「ヘルパーカード(仮)」
を作ってみてはどうでしょうか?
(※ヘルパーカード自体は商標にもあるようなので名前の工夫などは必要)

これもヘルプカード同様にある程度誰でも入手できる形式を取り、
その上で一部デザイン(例えば色)をテンプレとして定義し、
そこから先の余白部分のデザインなどを個々に選べるなどすれば、
多くの方々にも浸透するのではないか、というものです。
より有用なものにするために医療従事者向けに限定のものを
用意してみるのもよいかと思います。

最後に

今回はヘルプマークに関する内容、類似品普及のリスクと
個人的な提言をさせていただきました。

以前のライブ配信で言及したように、人のコミュニケーションでは
半分以上視覚情報で成り立ち、人の印象は見た目で決まる傾向がありますが
決してそれが全てではなく、半分程度にすぎません。

これからテレワークなども増えていくと、
コミュニケーションが軽薄な時代が来ないかと懸念もあると思います。

今回のような問題が、単純に著作権とか福祉の問題で終わるのではなく、
前向きに捉えてより良いアイデアの種になっていくと素敵だなぁと、
そんな事を感じました次第でございます。

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