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カードゲームオタクから見た大阪府のesports事情

1.まえがき…大阪府とesports

 どうも、イヌ科です。
「変な名前ですねw」と初めましての方に言われる確率は体感3%です。残りの97%にも(変な名前だな…)と思われてると思う。

 さて、前回記事でesportsの記事を書くとはいったものの、どこから書きましょうか。
 とりあえず「大阪」での就職を考えてる手前、「大阪」×「esports」をテーマにした記事で1本書いてみようと思います。

 現在日本esportsの中心となっているのは間違いなく東京です。
 いろんな会社が東京を本社としている都合上、業界の動向に関わる会社は東京のそれが多いですし、コロナ禍以前はオフラインの大会もよく東京で行われていました。
 シャドバの西RAGEがなくなったの俺は忘れてねえぞサイゲームスさんよぉ!(西RAGEを取り戻すの画像)

 とはいえ、大阪にもesportsを主な事業内容としている会社は一定数存在します。
 さらに調べていくと、大阪を中心とした大きな動きも見えてきました。
 一体何が大阪で起きているのか……僕が辿った順序のままに、調べた内容をまとめていきましょう。


 2.「SG8」と株式会社スサノオ


 2020年初頭、esportsにそこまで強い興味を持っていなかったころにこんなニュースが飛び込んできました。

 フンッ…新esportsチームか……と他人事のように眺めていると、あるメンバーの名前が目に飛び込んできました。
 将輝星。昔から僕と同じくデュエマに熱心に取り組み、その後シャドバのクイーンズカップで優勝。
 今では女性カードゲーマーの代表格ともいえる存在です。
 その実績を買われたのか、少なくとも僕の友人間ではプロゲーマー第1号になってしまいました。なんてこった…

 他にも世界最強のパックマン使い(すごそう)であるてぃーさんなどを迎え、チームとしての本気度が伺えます。将輝星……お前この中でやれるのか……?と最近は親心(?)が働いています。

 SG8はその後共同オーナーに芸人であり実業家でもあるたむらけんじさんを迎えたことでまた話題に。
 その後KURENAI GAMINGと統合し、現在は選手層国内最大級のチーム、GamingTeam【GUREN】として活動しています。

 チームの母体である株式会社スサノオは関西にルーツを持ち、自身もストリートファイターⅡの強豪として活動していた中野サガットさんが立ち上げた会社。
 まったく知識のない僕からしてみれば「大阪」×「esports」というワードに最も合致する会社です。
 取っ掛かりとしてはちょうどいいということで、まずはスサノオさんの動向から調べてみることにしました。


2-1.スサノオ×KBS京都

 去年の9月、関西ローカルのテレビ局であるKBS京都のスポンサードを受けることが決定。
 また、スサノオさんのプロデュースによりKBS京都ではesports関連のテレビ番組が放送されていました。

 ……って思って調べたら6/13をもって最終回を迎えてしまったようです。そんな……
 スポンサーが継続しているなら新番組が出るかもしれないので新たな情報が出次第ということで……

 なんにせよ、テレビ局の協力を得られたということはいつか大会が地上波で流される日も近いのでは…?ということ。
 いつか大阪の企業主催の大会がテレビに映るといいですね~。


2-2.スサノオ×【Area∞(エリアエイト)】

 要するにスサノオさんのオフィス内で使えるスタジオを作ったよ~ってことですね。
 調べたらシャドバのES大会なんかもここで開いたことあるらしくてほえ~ってなってます。(オフィス内にあると把握できたのはそのため)

 実況解説をここに呼んで配信ができるということで、関西にもOPENRECさんが持っているようなesports特化型のスタジオがあるというのは便利なんじゃないかなーと思ったりしてます。
 イベント開催と配信が同時にできることが魅力のひとつでもあるので、もし興味があるイベンターの方は問い合わせてみてはいかがでしょうか。


3.「スポタカEX」


 スサノオさんのニュースを調べていくと、一際目を引くニュースが目に入りました。

 スポーツ………??????
 eがついてないスポーツがなぜここで絡んでくるんだ………???????
 体育の成績が芳しくなかった僕とは相性が悪いかもしれない企業名に戦々恐々としましたが、とりあえず調査を続けます。

 記事内を引用すると、スポーツタカハシさんは創業1922年の老舗スポーツ用品店。不動産事業も展開しているらしい。
 2019年に【スポタカEX】と銘打ちesports事業に参入。
「大阪ミナミをeスポーツの”メッカ”に」をテーマに何やらいろいろ画策しているらしいです。

 ネットで調べられる限りだと、大きな活動実績は3つありました。

3-1.スポタカEX×「OSAKA eS CON」

 でっかいコンベンションホールを使って講演会を中心としたイベントを開いたようですね。
 講演には先ほど登場したスサノオの中野サガットさんや、シャドバプレイヤーなら見たことありそうなRAGE総合プロデューサーの大友さんも参加しています。

 第1回ということで第2回もやったのかな~と思ったのですが、時期を見てみると第1回の開催時期は2019年。あっコロナ……
 ということで講演会系のイベントは直近では行ってないようです。残念。


3-2.スポタカEX×「SPOTAKA CUP」


 スポタカEXの始動から記念すべき第1回目の主催大会となったのがこの「SPOTAKA CUP」でした。
 採用タイトルはBBTAGという格闘ゲームのみでしたが、
 なんと優勝賞品はゲーミングPCか国際大会が開かれるアメリカまでの往復チケット!!ゲーム機で喜んでるカードゲーム界隈が小さく見えるような豪華賞品です。

 会場はスケートボードパークも兼ねているとのこと。スケボーには疎い僕ですが五輪のスケボー会場みたいなもんと考えると設営大変やったやろなぁ…(こなみ)
 決勝戦は外から丸見えの中央階段でやったそう。こういうのは一般層の注目を集めやすくていいと思う。
 ちなみに決勝戦の様子は下記で写真に収められています。

 オフラインの大会はどうしても会場に関する諸問題が付きまとってくるんですが、心斎橋BIG STEPにはスポタカの店舗が入っており、
 店舗内のスペースを使って開かれた大会なのでこんなでかい会場を贅沢に使っても費用は実質タダ。
 予算もある程度余裕をもっていると推測すると、一般的なesportsベンチャーにはできない老舗ならではの大会だなーって感想です。

 第1回ということで第2回もやったのかな~と思ったのですが、時期を見てみると第1回の開催時期は2019年。あっ(ry


3-3.スポタカEX×「BANPAKU杯」


 色々調べていくと、コロナ禍以前はこのBANPAKU杯に非常に力を入れていた様子。
 コロナ禍の直前であった2020年2月ごろに多くのタイトルを採用、豪華ゲストを多数招聘して開催されたこのBANPAKU杯、イベントレポートがスサノオさんのHPに載っていました。

 観客いっぱいいてすげーって思ったんですけど、よく見たらだいたいELLYさん目当てのお姉さま方で草。

 「大阪・ミナミをeスポーツのメッカに!」という理念のもと、
その理念を達成する為に開催される「都市型eスポーツフェスティバルイベント」。
この理念には、ファッションや音楽というコンテンツを所持する大阪ミナミに、「eスポーツ」という新たなコンテンツを街に定着させ、新たな賑わいを創出する。という想いが込められている。
そのコンテンツは、今までには無かった新たな” 街のエコシステム” が備わっており、街が抱える問題「ナイトコンテンツ不足」をも解消できる一手となるコンテンツであることを目指している。
「eスポーツ」という”スポーツ”に集まる人・コミュニティにはそれだけの力があり、これまでの街には無かったコンテンツ・文化を作っていく可能性を秘めている。
2025年の大阪万博に向け、より世界レベルで魅力的な街へ進化する為に、BANPAKU杯は存在する。 引用元:BANPAKU杯公式HP

 という崇高な理念を掲げてらっしゃいます。2025年なんて未来の話をされるとワクワクするぜ……
 ちなみに公式HPを見ると現在はこの文言は記載されていませんが……See you 2022!!の文字がデカデカと掲げられている!! 

 そう、上述の2イベントと違いBANPAKU杯に関しては継続開催によるブランディングもしていきたいという考えがあるようで、
 2021年にもシャドウバースと脱獄ごっこを採用タイトルとして、
 ローカルを重視した大会にも関わらずオンラインでの開催がなされていました。
 コロナ禍に屈しないこの姿勢にはシビれちゃいますね。来年シャドバ部門あったらみんなで出ましょう。

 ちなみに決勝戦の実況解説席には先述したArea∞が使われていました。やっぱり大阪にスタジオがあってよかったんだ……!

 こちら脱獄ごっこの決勝戦。実況ブースにカメラが回ったときにArea∞のロゴが確認できます。
 これをその辺の会議室でやってるとesports感ないですからね、やっぱりesportsはピカピカギザギザカラフルじゃなきゃ(?)

 スポタカEXとしてはここ1年、このBANPAKU杯以外に表立った活動は確認できませんでしたが、
 BANPAKU杯2020の盛り上がりを見ると今後の動向にも非常に期待が高まりますね。

4.大阪eスポーツ研究会

 スサノオさん、スポタカさんのニュースを読み漁っていたら発見した「大阪eスポーツ研究会」。
 ”「産官学+街」が連携し、大阪ミナミをロールモデルとして「eスポーツを通じた街の活性化」を目指す研究会”(記事内から引用)とのことで、第5回までの活動内容がネット上で確認できました。
 要するにesportsを通じて地域を盛り上げるぜ!という内容で、先の「SPOTAKA CUP」や「BANPAKU杯」の開催理念にも通ずるものがあります。

 特に第2回のレポートに掲載されていた「韓国eスポーツの現状からみた 大阪ミナミのeスポーツ事業とまちづくり」という講演。
 レポートを読んだだけでも非常に興味を持ちましたし日本esportsの展望に期待できるような内容でした。

以下記事内から引用(所々中略したりしています)。

eスポーツの日本における位置付けでは、
日本では自宅のネット環境やPCは比較的普及されておらず、コンソールゲームの発展され(ガラパゴス化)、
PCゲームのイメージがよくなかった点や法律的な問題が解決されてない点から、
日本では10〜15年ほどeスポーツが遅れてしまっているということ。
ゲーム強国でありながら、一人、家族・友たち単位で行うゲームから不特定多数とコミュニケーションを取りながら行うゲームに転換したことに対しての認識、また新しいものに対する挑戦が不足しているということ。

韓国eスポーツの現状として、eスポーツの先進国であり、
「ゲームをプレイ」することから「ゲームを観る」に転換。
韓国のeスポーツ産業規模は100億円規模にあり、Eスポーツ専門放送局が必要なのではということ。

そして、eスポーツ専用設備面、大会開催面、制度的支援面について話され、
「日本に適したeスポーツの発展の方法を考えるべき。」ということで、「ミナミにおけるeスポーツ発展に向けた5つの要素」を発表されました。

・選手の育成:アメ村をアマチュア育成の場にする。子供から高校生、大学生、社会人、シニア世代、女性部までは幅広く
・拠点づくり:常設eスポーツ競技場で日常的にプレーする場にする(eスポーツを知ってもらう)
・多彩なイベント企画:コンサート・トークショー・展示・アイドル・コスプレなどを通してゲームだけでなくみんなが楽しめるエンターテインメントの場にする。特に女性や外国人に焦点を合わせる(彼らが文化と観光のキーを握っている)
・ゲーム専用放送局の開局:フラットフォーム構築(解説、カメラ、配信技術者、オブジャーバー、審判など)し、オンライン上でいつでもみれるように
・産官学タイアップ及び地域との連携:まちづくりの一環としてアメ村を中心にミナミを盛り上げる(ボトムアップ型+行政支援型)

またこれからの事業に向けて「ミナミにおけるeスポーツ発展に向けたその他の要素」として
・エンターテインメント型:eスポーツが純粋なスポーツとして捉えるのはなく、複合的でみんなが楽しむ文化の側面からエンターテインメント的な要素を強調する。いろんな人がeスポーツに出会える接点を持つように仕掛ける。
⇒まずはeスポーツの文化をつくる(大衆化させる)

・仕組みづくり:ゲーム会社、ゲーム団、放送局、協会さらに地域(ミナミ)などの主体で基盤を整えてルールをつくること(条例、規則などを含め)。

 韓国がesports先進国の代表格であることは知っていましたが、2年前の段階から「ゲームを観る」ことが日常化されているらしいことにとんでもない衝撃を受けました。
 韓国の街づくりにesportsの発展は欠かせないものだったでしょうし、そこから日本が取り入れられる部分も数多くあると思っています。

 そのesportsをカルチャーとして受け入れられる街として、大阪ミナミ、アメ村周辺が挙がっていたこと。
 東京以外の主要都市、まして自分が今後大きく関わることになるであろう地域で大きな動きが控えているというのは1ゲーマーとしてもワクワクするものがあります。コロナで今後の動きは不透明ですけど…。


5.あとがき

 今回はスサノオさんの動向を中心に、ネットで調べられる情報をまとめてみた~って感じの内容になりました。
 同様に大阪でesportsを盛り上げる企業であるスポタカさんの存在、そして大阪eスポーツ研究会という企業、専門家が連携して地域を盛り上げる取り組みがなされているというのは単純にすげーなーと思いました(小並感)

 コロナ禍で現在動きは滞っていますが、大阪でも

・esports専門のTV番組
・esports専用のスタジオ
・豪華ゲスト、豪華賞品を用意した大型大会

 これだけの大きな取り組みができているということで、将来にも期待が持てるところ。
 今後コロナ禍の収束、参入企業の増加などによって、現在日本esportsの中心となっている東京にも負けない盛り上がりを見せることができるのではないか…と期待しています。

 最後に、この記事を公開するにあたって株式会社スサノオ様、株式会社スポーツタカハシ様に1度目を通していただき、情報が不確かだった部分を修正させていただきました。
 貴重なお時間を割いていただき、両社の担当者様には誠に感謝申し上げます。

 ところで僕は打ちやすさ重視で「esports」で統一してるんですが、世の中的には「eSports」だったり「e-sports」だったり「eスポーツ」だったりでよくわかんなくなってきました。誰か正解を教えてください。
 それではまた次回、「イヌ科、APEXにキレる(敵が見えないので)」編でお会いしましょう。ではでは。

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