うちでは古い武術をベースに施術してることから、「先人達の教え」を学ぶ機会が多々あります。 その教えのひとつが、 「上達したいなら真似をする」。 職人の世界は、師匠から技を盗めと言って、とにかく真似させますよね? それは、形や方法はすぐに覚えられても、感覚といった目に見えない本質は真似をし続けることで覚えていくから。 日本のあちこちにある「薬師如来」の仏像の脇に、「日光菩薩」と「月光菩薩」の仏像がいるのは、「真似をすると良いことあるよ」という教えを表しています。 「日光
「身体」と「心」、上下関係をつけると多くの人が「心 > 身体」として考えてしまいますが、現実的には「身体 > 心」という関係が成り立ちます。 「意識がなくなる」とは、気絶している状態や寝ている状態を指しますが、この場合意識は必ず身体に帰ってきます。 しかし、身体がなくなった場合、意識は帰る場所を見失い戻ってくることはありません。 結局、心は身体あってのものになります。 精神疾患と言われる症状の多くが、「身体が重い」、「身体が思い通りに動かない」、「身体を動かしたくない」
横隔膜のすぐ下には「太陽神経叢(たいようしんけいそう)」という自律神経の束が広がり、さまざまな臓器と繋がっています。 横隔膜とは呼吸に関わる筋肉で、横隔膜の運動で太陽神経叢は刺激され、それぞれの臓器がうまく働くように調整されます。 簡単に言えば、私たちの身体は呼吸をすることで自律神経を整え、健康を維持しているのですね。 散歩のような軽い運動は、横隔膜を活発に動かします。 愛犬の健康のため朝と晩に散歩へ行く人は多いと思いますが、朝の散歩で私たちは活動的な身体に換わり、夜の散
コロナ後遺症といわれる症状の多くは、体液循環の異常から発症すると考えられます。 コロナ罹患後に慢性疲労症候群と診断されるケースがありますが、ごく一部の医療機関では頭蓋内圧亢進と毛細血管の状態を慢性疲労症候群の診断基準にしています。 頭蓋内圧亢進とは、頭蓋内の圧力が高くなっている状態で、脳脊髄液の異常として現代医療で最初に見つかる所見です。 脳脊髄液、血液、リンパ液といった体液は、ひとつの循環した「川」のようなもので、この川が何らかの理由で塞き止められると、自然界と同様に
犬に整体やマッサージをする前に知らなくてはいけないことは、犬にも揉み返しが存在するということです。 そもそも揉み返しとは整体やマッサージに対する「拒否反応」で、無理矢理変えられた身体をもとに戻すために起こります。 犬は人よりも野性的な感覚が強いため、この揉み返しが起こりやすいです。 揉み返しを起こさない整体やマッサージのコツは、「治そうとしない」ことになります。 あくまで治すのは愛犬の自然治癒力ですので、私たちはそのお手伝いをするだけです。 こちらはテレビを観ながら、音
犬の神経疾患で代表的な症状はてんかんでしょう。 うちで一番依頼の多い症状も犬のてんかんになりますが、施術をする中で「これが原因だろう」と推測できることがいくつかあり、それらは大きく分けて4パターンになります。 1・食事 ワンちゃんの食事が合わないと、腸を中心に内蔵の機能が低下し、脳へ影響を及ぼし、てんかんを発症します。 脳腸相関といって、脳と腸のそれぞれの状態が密接に関係しているのですが、この場合は施術に加え食事を色々変えてもらったり、サプリメントの服用をお勧めしています
壊れた自分の身体をどう治すか試行錯誤した経験というのが、その治療家にとっての原点になっていることがあります。 自分の不調を治すために身体のことを調べ、様々な治療法を身をもって体験する。 そうして不調から解放される頃には、自分の身体に対し、独自の哲学が出来上がっているのではないでしょうか。 あとはその哲学の後押しを受け、自身の技術を磨いていくことになります。 私も自分の身体を治すために積み重ねた経験が今の自分につながっているのですが、加えて、脳梗塞、てんかん、ナックリング
慢性的な腰痛治療で整形外科や一般的な整体に行くと、痛みの原因を身体の歪みと関連付けて説明されるのではないでしょうか? 背骨が曲がっているから、骨盤が平行でないから、椎間板がずれているから…。 解剖学を基準にした現代医療では、「水平・垂直」に近ければ近いほど、正しい身体のバランスと考えることがほとんどです。 しかし、私たちの内蔵は左右非対称ですし、利き手や利き足が存在する以上、必ず見た目のバランスは歪みます。 腰がひどく曲がっていたとしても、痛みがなくスタスタと歩いている
私たちは太陽に生かされ、月に育てられる。 太陽光なくして生きられないのはもちろん、寝る子は育つというように、暗い中で寝ることで成長していきます。 「育」という漢字に「月」が入っているのもそういう理由です。 「身体を治すのは陰から」という教えがあります。 風邪を引くと布団をかぶり身体を休めますし、怪我をすると絆創膏や包帯で隠しますね。 野生の動物も怪我をすると、日の当たらない暗い場所で身体を丸め癒します。 愛犬が不調の時は、暗い場所を作って休ませてあげるのがいいでしょう
突然発症した愛犬の痛みやしびれの原因に、過去に受けた衝撃が関わっていることがあります。 事故や落下などで不意に受けた衝撃は、身体の中に入り込んで抜けなくなることがあり、時間を掛けて神経系のバランスを崩していくことがあるからです。 交通事故にあってから、数年後に後遺症が出るといったお話がありますが、これが衝撃が内部に入ったケースですね。 本来、身体に衝撃が入ろうとすると、脳が反射的に力を込めて身体を守ります。 しかし、脳が感知していない状態で衝撃を受けると、衝撃を受けたま
脳と腸がお互いに影響し合う関係を「脳腸相関」といいます。 脳の調子の良し悪しが腸に影響し、逆に、腸の調子の良し悪しが脳に影響する、といった感じです。 認知症の原因のひとつは、「アミロイドβ」と呼ばれる代謝物が、脳で過剰に作られ、大量に貯まることで発症すると言われています。 一般的には脳の不調から認知症が発症すると思われていますが、脳腸相関に沿うと、腸→肝臓→脳と機能が低下することで発症すると考えられます。 腸の機能低下により老廃物が多量に作られ、その老廃物を肝臓で処理しき
整体の歴史をさかのぼると、日本の武術の始まりへとたどり着きます。 武術は相手を動かなくする「殺法」と、逆に相手を動きやすくる「活法」のふたつから成り立ちますが、この「活法」が日本の整体の起源と言っていいでしょう。 活法は主に、戦(いくさ)や訓練で負傷した人たちに対する、治療術として用いられていました。 日本の最初の武術は、1100年ほど前に、平将門によって創られました。 その後、歴史を重ねる中で、活法はさまざまな治療術と融合、もしくは型や名前を変えながら、世に広まっていき
動物病院で手術をしてもらった場合、その後のケアは必ず必要です。 なぜなら、メスをいれた箇所が癒合(ゆごう)すると、組織同士が引っ張り合い硬くなるからです。 そのまま放置してると、組織の機能低下、血流の悪化、神経伝達の乱れなどが起こり、さまざまな不調を引き起こします。 アメリカでは、人の術後ケアとしてオステオパシーといった手技療法が用いられます。 しかし、残念ながら日本の医療では、術後ケアの認識が広まってなく、切ったら終わりの状態です。 この認識は動物病院でも同様であり、術
施術において、人と犬の顕著な違いは、反応の違いです。 犬は反応がよく、ただ撫でてるだけで姿勢や歩行バランスに変化がでます。 これは、人より犬のほうが圧倒的に感覚器が優れていること、脳の構造が単純なことなどが要因として挙げられるでしょう。 動物病院では、薬や手術に頼ろうとする傾向が強く、手技療法を試すことはほとんどないです。 そのため、難治性と言われてた症状も手技で施術をしてみると、すぐに大きい変化が出るというケースが見られます。 もし、愛犬の調子が悪いと感じたら、まずは