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RANGE

RANGE 知識の「幅」が最強の武器になる
David Epstein ‘Why Generalists Trimph in a Specialized World’
読んだ!(日本語で)
これ今原書のタイトル知ったけど、原書のタイトルの方が中身を的確に表してるね笑 当たり前か。
別に知識だけのことを言ってないし、最強の武器、みたいなニュアンスもなくない?日本でビジネス本(分野的に多分そう?)を売ろうとするとそういう感じの煽り系タイトルがいいのかな?

そもそもこの本を読むきっかけは、私のCVを見て興味を持った人とのとあるカジュアルな面接で、「君の経験はまさにRANGEを体現してるから絶対読んだ方がいいよ!」って言われたので、読んでみた。就職や入試の面接の時に、なんでこんなに違う業界を動いてきているのかよく聞かれて、自分でも結構無理矢理ストーリーを繋げることがあって、正直モヤモヤすることがあったんだけど、幅を広げているのかなって思えたり、いろんな業界に居たことをポジティブに見てくれる人たちがいるんだなって思えることで嬉しくなったりもした。

私がふむふむそうなのかって思ったこと。

  1. スポーツでも音楽でも、初めから一つの競技や楽器に絞るんじゃなくて、いろいろ経験してから一つを選んでも、もっと先に一つのことに絞った人より必ずしも劣るということはないということ。
    フェデラーみたいなトップアスリートもいろんなスポーツを経験してたのかって思うと、面白いなって思った。自分がテニスをしてきたから余計に。自分の場合、テニスをやっていたから、道具を使って球を当てると言う意味である意味似ているゴルフも、そこそこできるかなって思ったんだけど、確かにまぁ体の回転が重要とか、そういう面で応用できることもあるけど、実際そこまで相互関係があるとは自分の場合は思えなかったり。スノボをやってたから、同じ板に乗るサーフィンもできるかな?って思ったけど、全然違うんだよね。雪面で乗るのと水面で乗るのじゃ。確かに下半身をよく使うって意味では似てるけど。うーん、ルールも、道具も、体の動かし方もスポーツによって違うから全てがシナジーがあるわけではないと思うけれど、タイミング、感覚、筋肉、瞬発力、集中力とかそういうのは実は幅広い運動、スポーツをする方が実は網羅的に高められるのかなとも納得したり。音楽についてはピアノしかやったことないからわからないけれど、スポーツだけを見てもとっても面白い見方だなと思った。ずーっとゴルフしかしていないタイガーウッズ、いろいろ経験したフェデラー。どっちもトップアスリートだけど、経験してきていることは全然違うんだな。

  2. 専門性を持った人ってExpertsとして求められると思っていたけど、そのexpertiseが時代に合わなくなった時、そのexpertiseしか持っていない場合、また何かをゼロから構築しなくちゃいけないのかもしれない。
    スキルの面でのexpertiseがないことにコンプレックスを抱えている自分にとっては、この考え方は、救いに思える。私なんもできんやん、って思うんだけど、でも、何かを極めることだけが全てじゃないんやって思えた。

  3. 問題解決に、全く違う分野の解決法を持ってくる。いろんな経験をするからこそ、組み合わせる、掛け合わせることが可能となり、その分野しか見ていない場合よりも、よりクリエイティブな・横断的な解決の可能性が高くなる。
    最近たまたま友人の働いている会社のマーケのことを考える機会があって、全然分野も違うけれど、前の会社でやっていたことを応用できるじゃん!って話が盛り上がったのを思い出す。私がスーパーアウトサイダーだからこそ、その業界の常識範疇外からアイディアを出してこれるのかもしれないなって思ったり。こう考えると、マーケってほんとRANGEが武器になりやすい分野かもしれない。よかった、自分に向いているかもしれないと自分を安心させる笑。

  4. ガールスカウトのリーダーやらいろんな財団のCEOを務めたフランシス・ヘッセルバインの話。経験がないからこそ、常識にとらわれず、目的や課題をクリアに見ることができて、そこに対応する方法を考えて実行できる。しがらみがないってことの強さかもしれない。非常に勇気をもらった。何をしたいのか、遠い未来に、なーんてわからないから、今ある選択肢をきちっと見る。今目の前のことに全力を注ぐ。全くかっこつけなくて、自分の「こうしたい」を指針に、周りを大切にして巻き込みながら一つ一つ実行していくなんて、めちゃくちゃ素敵。ほんっとかっこいいなぁ!と小学生並みに単純に心を揺さぶられた。あのドラッカーも認める CEOとか今まで知らなかった。ちょうど今マネジメントを読んでるんだけど、ぜひこのフランシス・ヘッセルバインの本も読みたい。

  5. 任天堂の話も面白かったな。ものっすごいテクノロジーの活用とかじゃなくても、昔からあるものを組み合わせ次第で、みんなが楽しめるエンターテインメントとしてこの世に送り出すなんて、夢があるしクリエイティブだなーって思った。

  6. NASAの打ち上げ失敗の例。どれだけスペシャリストが集まっていても、硬直した組織だと、生かしきれないこともある。みんながYESって言うから、、、ってやりがちだけど、やっぱりそれは違うなって思った。今でも覚えているけど、小学3年生か4年生の時、国語の授業で自分一人だけみんなと違う答えを発表して、「え、私だけ?」って不安になったけど、実は自分の答えが正解だった時、先生にも褒められたし、自信がついた。人と違う自分の意見が正解の時もあるから、たとえ同じ意見の人がいなくとも、堂々と自分の意見を貫こう、発表しようって思った。その経験から、社会人になっても、議論の時に疑問に思ったことは、小さいことでも言うようにしている。自分の中では小さいことって思っても、自分では気づけないけれど、実は大事だったってことがあるから。あとは、自らは発言しない静かな人にも意見を求めるようにしている。そういう人って、実はいいアイディア持ってたり、多数派とは別の視点を持っていて、埋もれさせちゃもったいないなって思うから。多様な角度から見るために、複数で議論してるんだものね。

  7. 遅れをとったと思わない、寄り道がどう将来生かされるかはわからない。
    自分へのある意味慰めの発想笑 Tの字に自分の専門を深めたり、広めよう、って頭ではわかっていても、私にはまだ専門がわからない。いつまでもわからない。でも、それでも、もしかしたら大丈夫なのかもしれない。

結構話が多岐に渡っていたり、実験の内容が出てきたり、内容が濃いなって思ったから、ぜひまたもう一度読みたい本だなと思った。あーだこーだビジネスのこと語られるより、ファクトが多くて納得感高め。


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