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【感想】モノノ怪



座敷童



 昔っぽい感じのアニメ表現で、なんだかさよなら絶望先生を思い出した。アクションシーンは残念ながらこの話にはなかったものの、女将たちの悪事が明るみになった時の座敷童の赤い帯の大群の迫力は凄かった。

 あれは結局、子供ができてしまった遊女に流産させるのと遊女の殺害をしていた女将たちが弔いのために作った部屋で妖怪となった座敷童がいたってことであってるのかな。
 で、産まれたがってる彼らは今回この部屋に来た妊婦の腹を借りようとしていた。でも結局は座敷童って悪い感じの妖怪ではない印象があるし、実際そうだったんだろうね。

 この話は実際にもこの時代に起こってそうだよね。遊女って聞くとそう言うイメージがある。子供ができたら逃げようとしたり、そもそも仕事ができないから——ってね。


海坊主


 妖を倒してまわっているって言う男の声優さん——(柳幻殃斉)なんか好きな声だなと思ったら関さんだった! 声も良いけど、キャラ的にも憎めない感じがして好きだな。

 これは兄妹との禁断の愛的な感じの作品か。まあそりゃいくらお坊さんとて内側からは開かない船に入れられて海に流されるなんて嫌だよね。
 生贄とか言う文化はほんと馬鹿馬鹿しいと思うよ。ここで登場したキャラはみんな良い人で良かったな。嫌いになるキャラがいなかった。


のっぺらぼう


 思ったのだけど、この作品……妖よりも人間の問題にスポットを当ててる気がする。今回は毒親問題、モラハラ、姑問題……。
 毒親とか旦那のモラハラとか相手方の家族の性格の悪さが本当にリアルで、殺されても仕方がないと思った。

 もし自分がお蝶さんだったらもっと早く殺していたかもしれない。
 親に関しても、自分の理想だけ押し付けて話を聞こうとしない感じとか本当にリアル。見てるだけでムカムカしてきたもん。

 でも妖との恋はすごく良かった。のっぺらぼうは優しい妖だったし結果的にこの話好きだったかも。最終的にお蝶さんは親の洗脳から抜け出してあのクソみたいな家から抜け出せたんだね。良かった。

 最後のシーンは、時間が戻って殺人がなかったことになったわけでは無くて、単純にお蝶さんの心が解き放たれたって言うことを表してるって解釈でいいのかな? だとしたら結局この後終われる身になるのかと思うとなんだか可哀想でもある。


 初めて自分を好きだと言ってくれた妖怪と幸せになってくれ。
 お蝶さんが「好きだ」と言われた時の「私でいいの?」って言うあの疑うような顔、本当に分かる。普段川肯定されてないから、実際に愛情を向けられた時に嬉しさより先に疑っちゃうんだよね。
 でもOKされてあんなに喜ぶ妖怪が嘘をついているわけがない。幸せになってくんろ。

 結局この話が一番ロマンチックで好きでした。共感できたのもあるけど!



 この話は完全に悪い妖の話だったね。権力を餌に人間を呼び寄せて殺してるなんて怖すぎる。そもそも最初から人なんていなかったし、建物だって崩れてたってことか。

 しかし婆さんが妖だったなんて気づかなかったな。子供は明らかにおかしかったけども。
 鵺の形は知ってたけど、見る人によって姿が違うから、頭は猿で体が虎、尻尾は蛇だなんて言われてるって着眼点には驚き。確かに言われてみればそうだな。
 言い伝えだとかそう言うのは大体そう言うのがオチだから。


 それから、初めてちゃんとしたアクションが出てきて良かった。お札? 貼る時は勢いがあって毎回かっこいいね。多分この鵺がこの作品で一番強かったと思う。
 全体的に不気味でホラーって感じがしてすごく良かった。

化猫


 この話は大正時代って時代柄が大きく出てる話だったね。女性が社会に出たばかりであまり世間から良しとされていなかったから、必死になっていた女記者が市長のネタを掴んでしまい殺される。

 なんか実際にそういうことはいつの世も起こっていそうではある。なんなら今だってね。
 にしても一番ミステリー要素の強い話だったな。ホラーでも、事件に何かしらの関係のある人のみがその場に残されるってのはよくあるし。 

 でも結局一番悪い人以外は生きてたし、(猫の優しさ?)事実はちゃんと世間に伝えられたからきっと節子さんの無念も晴れただろうね。


 にしても死んじゃった節子さん可哀想だな。何も間違ってないのに命を狙われたのもそうだけど、線路に落下した時点ではまだ死んで無くて、死因が列車に轢かれたことだなんて。
 ……まあそりゃあの高さからの落下じゃ死なないよな。
 よりにもよって一番痛いかもしれない死に方。

 まあ、この話に出てきた猫がすごい可愛かったし、この話好きだ。(勿論それだけじゃない)

どうやら映画や他の猫の話(海坊主の前日譚?)もあるようなのでそっちも見てみたいと思います。

総括

大変面白い作品でした。でも思ったのは、完全に見るタイミング間違えたな……と。映画もやるようでしたし、なんとなく見ようかなと思ってみた作品だったのですが、この作品の前にゴールデンカムイとヴィンランド・サガを見ているんですよ。

あんなに戦闘と血と涙みたいな作品の次に見ていいものではなかった。正確に言えば、これらの作品の余韻がなくなってから見れば良かったと後悔しています。
完全にバトルシーンでアドレナリンドバドバだったので、落ち着いてから見たらもっと違う感想になっていたのかなと思いました。

人におすすめするなら——って時に一番に名前をあげることはないと思いますが、本当に面白かった(特に鵺)ので映画も楽しみですね。
噂によると薬売りさんの声優さんも変わっているとか。その辺も楽しみにしたいです。

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