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「怒鳴る」の目的と効果について考えてみました

おはようございます。
タカシです。

お久しぶりです。


「何してんな!!」
「コラ!!」

って怒鳴ってる人結構いますよね?

本日はこの「怒鳴る」についてトレーナー目線でお話したいと思います。

ー「怒鳴る」は効果がある?ー

現在のトレーニングの流行りは「怒鳴る」を「悪」としています。
私自身も「怒鳴る」事でトレーニングを行う必要はないと考えています。

ただ、「怒鳴る」を単純に「悪」だとは考えていません。

「怒鳴る」事で効果があったから過去には「怒鳴る」「怒る」「叩く」手法が流行ったと考えています。

また、現在においても「怒鳴る」必要がある状況が起きる可能性も知っています。

ただし、「怒鳴る」事の「効果」は「怒鳴り続ける」事のデメリットを上回るほどのメリットがないとも考えています。

「怒鳴る」は緊急時の最終手段だと考え、「怒鳴る必要がない」状況の予防やトレーニングが最重要だと考えています。

ー「怒鳴る」の目的と効果ー

「怒鳴る」ってどんな時に必要で、どういった効果を期待した対応なのでしょうか?

考え方は色々かと思います。

私個人の考えは「怒鳴る」事で相手を「委縮させる」目的で「委縮する」事によって「今すぐ止めなければならない行動を止める」効果を目的とした手法だと考えています。

「怒鳴る」事を正当化したような文章になりましたが、ポイントは「今すぐ止めなければならない行動」と「止める」にあります。

というか「止める」以外の効果は期待できません。

具体例を挙げると

攻撃的な犬が噛みついてきました、今まさに自分に飛びつこうとした「一瞬手前」で「大声」を出し「ビックリ(委縮)」させて「噛みつく」攻撃行動を一瞬止める方法です。

犬が人間を攻撃する気で「咬んできた」場合「咬まれてしまった」ら勝ち目はありません。
また、飼い犬として育てたい場合「人間を本気で噛む」経験は絶対にさせてはいけない経験になります。

この時には「止める」必要があります。

少し脱線しますが犬の同士の喧嘩の止め方しってますか?

ヒートアップする前であれば「首輪をもって引き離す」や「声掛け」で止める事も出来るかもしれません。

「ヒートアップする前」に何とかするのがトレーニングでは最重要です。

「ヒートアップしたら?」

ヒートアップしてしまった状況で人間は「怪我無く喧嘩を止める事は出来ない」事がほとんどです。
慣れたトレーナーでも「自分がケガする覚悟」と「犬を傷つける覚悟」が必要になる状況です。

こんなとき出来るだけ安全に止める方法として「バケツの水をかける」があります。
(ちなみに以前読んだ古いトレーニング本には「新聞紙に火をつけて両犬の鼻先にもっていく」方法が載っていました)

この方法は何を目的にしているかというと「水をかける事でビックリさせる」事が目的です。

「水をかけ一瞬固まった」その瞬間に「首輪を持ち引き離す」方法になります。

「怒鳴る」はこの「水をかける」と同じ効果を期待した方法です。
じゃ「水をかけたらいいんじゃないか?」と思われるかもしれません。

そうです「水がすぐに用意できるのなら」怒鳴らなくてもいいんです。

でも「水がすぐに用意できない」ので「怒鳴って」ビックリさせます。

ー「止める」以外何もない「怒鳴る」ー

緊急時に「怒鳴る」事で好ましくない行動を「止める」事が出来るかもしれません。

しかし「怒鳴る」は「止める」以外なにも出来ない対応になります。

先ほどの犬の喧嘩の場合「水をかけても一瞬止まるだけ」です。

一瞬固まったら「すぐに引き離す」必要があります。

「犬に襲われた時に大声で怒鳴る」も同じで「ビックリして固まった」瞬間に「首輪を持ちリードを付ける」や「オスワリさせる」など「攻撃できない対応」を行わなければいけません。

「ビックリして一瞬止まった犬が次の行動(再度攻撃しよう)を思いつく前に新しい行動を指示する」必要があります。

ー「わけわからん?」「むずかしい?」ー

「何わけわからんこと言ってんな」
「単純な事を小難しく」

そうです。

「怒鳴る」は「小難しい」方法で「わけわからん」方法なんです。

でも少し考えてみてください。

あなたが「わけわからん」場合、あなたの愛犬はもっと「わけがわからない」と思いませんか?

自分が理解できていないのに相手に伝わりますか?

理解できていないのに「怒鳴る」んですか?

ーとても難しいー

過去に「怒鳴る」など「犬の恐怖心」を利用したトレーニングが行われていたのは事実です。

なぜ廃れたのか?
理由は単純です。

「再現性が低い」からになります。

「怒鳴る」手法を使ってカリスマトレーナーと呼ばれた人もいたかもしれません。
その人にとっては「怒鳴る」手法は有効な手法だったと思います。
(実際に問題が解決しているなら)

怒鳴るなど「恐怖」を利用したトレーニングは今の「褒める」トレーニングとは真逆の方法を使います。

「褒める」トレーニングでは「好ましい行動」を設定し「好ましい行動が出たら褒める」事でトレーニングを進めていきます。

「恐怖」を利用したトレーニングでは「好ましくない行動」を設定し「好ましくない行動を出させ即座に恐怖心を植え付ける」事で「好ましくない行動が出ない」ように勧めます。

例えば「子どもを噛んではいけない」と教えたいなら「一度子どもを噛ませて泣くほどシバキあげたらいい」んです。

※絶対にやらないでください!!
あくまで説明用の例です。
デメリットしかない方法です。

「私がその行動は気に入らないから、それしたら怖い事するよ」って方法になります。

「私」がいない時はどうなるでしょうか?

また「怒鳴る」「叩く」「恐怖心を与える」はタイミングと加減が最重要です。

最初に書いた「攻撃してくる犬を止める」方法で「怒鳴る」タイミングを考えてみましょう。

【今まさに自分に飛びつこうとした「一瞬手前」で「大声」を出し「ビックリ(委縮)」させて「噛みつく」攻撃行動を一瞬止める方法】

「今まさに」
「一瞬手前」

が「大声を出す」タイミングです。

想像してみてください。
このタイミングで「怒鳴る」事が出来る人どれぐらいいますか?
正確に「攻撃行動」を止めることが出来る人どれぐらいますか?

当たり前ですが「出来る人」しか出来ない手法は「出来る人がいなくなる」と出来なくなる手法です。

さっきの「私がいなくなると」ですよね。

ー「止める」と「予防する」ー

ショッピングモールの駐車場や道路などで機会があったら観察してみてください。

子どもが飛び出してくることありますよね?
この時、あなたならどうしますか?

「コラ!!」
「危ない!!」

と怒鳴るかと思います。

その後です。

「怒鳴る」は「飛び出して車にひかれる今起きた危険を止める」手法になります。
止めた後「飛び出さない」や「信号を守りなさい」と注意すると思います。

駐車場では飛び出さない
信号は守る

伝えるだけであれば「怒鳴る必要はない」ですよね。
「今起きた危険」を「止める」必要があったから「怒鳴った」わけです。

「委縮させてでも止めなければならない」から「止めた」はずです。

これが「怒鳴る」手法です。

でもですよ

「事前に信号無視はいけない事」
「なぜダメなのか教える」

「駐車場について車の扉を開ける時は親が先に出る」
「駐車場では手をつなぐ」

で「怒鳴る」を予防する事は出来ませんか?

「怒鳴るだけでは不十分」です。
「怒鳴られるから飛び出さない」では「怒鳴る親がいなければ飛び出す可能性がある」かもしれません。

ーじゃあなんで「怒鳴る」の?ー

長々と持論を書き続けてしまいました。
最後に「止める」以外の効果が期待できない、再現性が低い方法にもかかわらず「怒鳴る」人が後を絶たないについて考えたいと思いますが。

これについては「飼い主さん自身が考えた方が良い」と思います。

「褒めるしつけ」でも「恐怖心を使うトレーニング」でも「こうしなさい」や「ダメ絶対」と「誰かの持論のおしつけ」では答えが出ない方法になります。
その「誰か」が飼い主さんの中で「信じられない」人に変わらないとは言い切れません。

私は「怒鳴る」など「恐怖心を利用したトレーニング」を行ってほしいとは考えていませんが「私の持論」でしかありません。

飼い主さん自身が「答え」を出して「だから私は怒鳴らない」や「怒鳴る必要もある」と考えていただけたらと思います。

その考えるヒントになれば私は嬉しいです。

考えるヒントとして箇条書きで締めたいと思います。

【なぜ「怒鳴る」のか】

〇「怒鳴ったら」「やってる感がある」
〇「怒鳴ったら」「一瞬でも止まる」
〇「行動をコントロールできた」
〇「怒鳴るは気持ちいい」
〇「怒鳴ってしまった自分を否定するのは気持ちよくはない」
〇「私の前ではイイ子は優越感を刺激して気持ちいい」
〇「怒鳴る」と「指導」は別物だが「怒鳴る」と「指導した気になれる」

長々とわけのわからない文章を書きました。
お付き合いいただきありがとうございました。

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タカシ(福路トレーナー教室)
2019年5月末に出張型ドッグトレーニングスクールを始めました。 犬と飼い主の関係づくりのお手伝いをモットーにやらしてもらっています。 アイコンタクト アイコンタクト とばっかり言う地味なトレーナーです