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C103ありがとうございました!

暖冬も暖冬です。都内の各所にて「散り切れないイチョウの葉」を目の当たりにし、驚愕。春の訪れを想起させるような柔らかい日差しや、湿気を帯びた生暖かい風に「上着いらんやん」を幾度となく繰り返した12月31日。こんなに暖かい冬コミは初めてだった。いつかの寒い夏コミより暑かった。静電気が一度も起きなかった。わざわざ新調した魔法瓶はベンチ入りのままだった。髪の毛が湿度でふわふわだった。ヘンテコ冬の陣はじまり、はじまり。

初めて評論ジャンルでサークル参加をしたのが2021年の冬。今回でぴったり2年です。当時よりも慣れたこともあり不安や恥じらいもほとんどなくなりました。前日はほとんど眠れず、(PMSです、)人見知り機能がバグってやたら話しかけてしまったのが今回のハイライト。寝ない方がパフォーマンス上がってむしろ好都合かも。そんな中「自分の加齢を感じる~」と思ったのは、年下だと思われる来場者に対して、自然とタメ口で接してしまうことにありました。「ありがとう!嬉しい」「いいよ、あげるよ」といった感じ。あと単純にメンタルタフになって「相手にどう思われるか」なんてことを気にしなくなったのかなぁとも思う。全然ドキドキしなくなった。
その昔、女性向けジャンルで二次創作をしていた頃は、過度に緊張して、いろいろ無理をしていたなぁと、過去の自分に邂逅。来場者には品定めされている気がしていたし、他のサークルとはマウントの取り合いをしているようで、勝手に疲弊していた。何も「評論島は参加者全員が精神的に成熟している」というわけではないだろうけど、女性向けジャンル特有の空気ならない。個人的にはそれがとても楽。単純に、男性が多いことや年齢層が幅広いこともそうだけど「承認欲求で創作してる」みたいな人があんまりいないんじゃないかな、と思うので、それがとても楽。(私が知らないだけで沢山いるのかもしれないけどね。) でもよ「SNSでバズってマンモスフォロワー抱えてる絵描きがオフイベ初参加して島中で長蛇の列作ってあわや大騒動!!」みたいなの、もう視界に入るだけで疲れるんだね・・・笑 これって「電車の中で音楽をかけながら騒いでる高校生がいて不快になる」って感覚に似てるなぁ。あと「隣室の大学生が深夜に飲み会してて騒音で眠れない」とかにも似てる。全くもって辟易。これも加齢なのでしょうかね。時に周囲を顧みない若く力強いエネルギーは、魅力ともなり得るが胸焼けがする。「昔好きだったロックミュージックが今じゃ全然刺さんない」これも似てる。
あと評論島付近は女子トイレ空いていて本当に嬉しい。男性向けの日に配置されがちだから当然っちゃ当然か。

頒布物はかなり納得のいく物を作れました。ずっと作りたかった「心理学の本」をやっと作れた。いや心理学の本って偉そうに言ってるけど、もっと専門知識について言及した本とか、歴史についてまとめた本とか、心理学者の解説とか・・・そういう本の方がいいのかな~~とも思わなくないもけれど、でもそれって「もう本屋さんにある」し、「私が作らなくてもええやん」って思うので、少なからず私は作らない。だって「認知の歪みについて」とか「フロイトとアドラーを学ぶ」とか「脳科学と心理学の相違点」みたいな本があっても、そういうの読む人ってもうすでに「心理学についてある程度興味や知識がある人」でしょう。私がやりたいことって「その問題は心理学で解決できちゃうよ」「悩みがあっても平気なんよ」みたいな部分にあるし、そういうのを「心理学を知らない人」に届けたいわけだし。それに学術的な本であれば、名だたる先生や教授や専門家が幾多の研究を重ねた上で、素晴らしい書物を何千何万と残してるんだからさ。私が作ったら縮小再生産この上ない、っていうか多分私の性質上そういう本を作ろうとしても「なんか個性が出ちゃったなぁ~」に着地するから、結局どうしようとも今の形でしか作れないんだけど。

そんなわけで冬コミ楽しかったです。来てくださった皆様ありがとうございました。
あまりにも新刊の出来を気に入りすぎて当初の予定よりちょい多く印刷したので、いろんなところで頒布できればと思います。今年も「私にしか作れない本」を作って「どこかの誰かを喜ばせよう」と思います。

いつもは上野駅から特急に乗って、茨城にある実家に帰るのですが、今回は品川で乗り換えてみました。すげー便利じゃん。なんで今まで上野にこだわってたんだっけか。日没の品川駅から「特急ひたち」に乗り込んで、事前に買っておいた缶チューハイと餃子で一杯やりながら、ネオン光る秋葉原や上野の街並みを見下ろすは、最高に贅沢な帰路でした。酔って案の定めっちゃ寝た。寝不足からのチューハイは当然効く。
今年の冬コミは、ちょっと寒いぐらいがいいなぁ。静電気パチパチしたり、魔法瓶でホットコーヒー飲んだり。思い残しはそれぐらい。

一月二日 戸部井