マガジンのカバー画像

【落語コラム】思い出し笑い

72
バックナンバーより落語の連載コラム「思い出し笑い」を公開中!
運営しているクリエイター

#古今亭志ん朝

第68回:思い出し笑い「夏の鰻にて志ん朝をおもう」(&ツルコ)

第68回:夏の鰻にて志ん朝をおもう*intoxicate vol.123(2016年8月発行)掲載  夏に鰻を食べると、古今亭志ん朝を思い出す。という落語ファンの人、少なからずいらっしゃるかと。生前、志ん朝は鰻を食べなかったそうです。それは、嫌いだからではなく、大好きだけど断っていた。まだ二つ目の朝 太だった頃に悪いことが続いたとき、母(古今亭志ん生の内儀さんですね)に勧められて寅年の守護仏である虚空蔵菩薩を奉ったお寺にお参りし、それ以降、虚空蔵菩薩のお使いである鰻を断つこ

第54回:思い出し笑い「古今亭志ん朝、再び!」(&ツルコ)

第54回:古今亭志ん朝、再び!*intoxicate vol.109(2014年4月発行)掲載  落語情報誌「東京かわら版」4月号の柳家喬太郎インタビューの「もう若手ではない」という記述に、そうか50歳だものねー、と遠い目。90年代に喬太郎を含めた世代の若手が盛り上がっていた頃、彼らの師匠のさん喬、権太楼などは中堅の位置づけでそのくらいの年代。もう喬太郎もその場所にきているんだ、と時の流れの早さにしばしぼんやりしちゃいました。  時の経つ早さを思うとき、セットになって聞こ

第45回:思い出し笑い「祝百号!」(&ツルコ)

第45回:祝百号!*intoxicate vol.100(2012年10月発行)掲載  今号で「intoxicate」が百号を迎えるそうで、おめでとうございます!記念すべき百号の表紙はどなたでしょう?  さて、おめでたい百号ということで、百にちなんだネタがなにかないかしら、と。  落語で「百」が入った噺というと、「百川(ももかわ)」や「百年目」などがありますね。  「百川」は、日本橋にあった会席料理屋「百川」で実際にあったことを落語にしたものなのだそうですが、お店の宣

第30回:思い出し笑い「この人たちのおかげで」(&ツルコ)

第30回:この人たちのおかげで*intoxicate vol.83(2009年12月発行)掲載  ニ〇〇九年もあとわずか、なこのタイミングで、なんとも悩ましいリリースが。古今亭志ん朝の、未発表音源がなんとニ五席も蔵出しされちゃうんですよ、皆さん! 「水屋の富」、「片棒」、「幾代餅」など、これまで発売されているCDや去年のDVD全集にも入っていなかった演目もたくさんあるので、これはもうぜひ!なんですが、ああ、またしてもボックスセットなんですね。一気に買わないと聞けないという。