中島みゆき「二隻の舟」(にそうのふね)

中学3年生のころ、中島みゆきの曲を聴き始めました。

きっかけは、カロリーメイトのCMに採用されていた、「ファイト!」という曲を聴いたこと。「戦う君の歌を、戦わない奴が笑うだろう」なかなかにかっこいい歌詞です。
CMではこの部分が流れてきますが、実はこの曲

「あたし中卒やからね仕事を もらわれへんのやと書いた 
女の子の手紙の 文字はとがりながら震えている」

から始まる、かなり強烈な歌です。

今まで聞いたことのない曲。

このように人間の弱さ、失恋、苦しさを歌い上げる曲もかなりありますが、そうした曲を経て市井の人々への力強い応援歌もたくさん作っています。暗い曲も作る中島みゆきだからこそ、こうした応援歌も説得力を増します。私みたいなひねくれ者でも励まされます。

「二隻の舟」も個人的には応援歌の一つだと思います。ちなみに「二隻の舟」の読み方は「にそうのふね」です。

中島みゆきの最高傑作ともいわれるこの曲は、なんと8分21秒という長い曲。1番、2番もなく、サビに当たる部分に入るのは開始約6分後。

YouTubeでもSpotifyでも本人のは聞けないので、歌詞を載せておきます。

長い長い歌は、壮大な人生観を見事に表現しており、私なんかが要約したり、紹介してもこの曲の魅力の半分も伝えられないでしょう。

でも忙しいみなさんのために、最後だけ紹介してみますね。

風は強く 波は高く 闇は深く 星も見えない

風は強く 波は高く 暗い海は果てるともなく

風の中で 闇の中で たかが愛は 木の葉のように

私たちは 二隻の舟 ひとつずつの そしてひとつの

私たちは 二隻の舟 ひとつずつの そしてひとつの

私たちは 二隻の舟

私が言うのもあれですが、人生はうまくいかず、険しく、この先よくなる保証もない。それでも私たちは二隻の舟のように、力を合わせればギリギリ進んでいける。

二隻の舟というのは夫婦を思い浮かべそうですが、おそらく友達でも、恋人でも、親子兄弟でも、ペットと飼い主でもいいのでしょう。あるいはスタッフ同士でも。

この歌が表現するのは最高の他者貢献の形、いわば愛。私もそんな風に生きられたら、誰かのために全力を尽くせたら、後悔しない人生を送れるってもんです。


ちなみに大学の入試前、二隻の舟を聞いたら合格しました。

いまでも大事な勝負事の前に聞くようにしています。


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