アドリブに才能なんかいらない①

はじめに


楽器の技術に関係なく、アドリブに必要なのは才能やセンスではありません。
コピーとは別の頭の使い方さえ分かれば誰でもできるようになります。これは本当です。


アドリブ、弾けるようになりたいですよね。
でも、テキストや動画を見てもいまいちよく分からない。結局スケールやフレーズの例を載せているだけで、それを覚えて練習したところで全然芯を食ったものにならない。

その様な方も多いと思います。
もっと根っこの部分で、楽譜にないメロディを弾けるようになるメソッドは案外少ないような気がします。

すでになんとなくアドリブを弾ける人は前述のような情報で磨いていく事が出来るとは思います。ただ、自分なりにメロディを弾けない人がスケール表やフレーズ集なんかをやってもまず身につきません。

使う頭を変えよう

そもそもコピーとアドリブでは同じ楽器演奏でも使う頭がちょっと違います。
入口では1番大事なところですが、これに言及した教材が少ないように感じます。

なのでその頭の切り替えができない限り、いくら楽器自体が上手い人でもアドリブで自分のフレーズを弾くのは難しいと感じてます。
結局スケール表やフレーズ集もコピーの頭でやってしまうんですよね。

アドリブやセッションはもう少し上手くなったら、、という方もいらっしゃいますが、入口では楽器の技量はあまり関係ないです。

事実私がギターでアドリブっぽいものを弾けるようになったのはギターを始めて1年もしない中学生の時でしたし、大学生のジャズ研時代にも、全くのサックス初心者ながら数ヶ月でなんとなくアドリブができた人もいました。

ただそれが研鑽を伴った音楽的なものであるかは別の話ですが。

必要な知識

まず、曲中でアドリブを行うために最低限必要な前提知識をまとめました。

知っている方は読み飛ばしても大丈夫です。
知らない方も、読んでいてむずがゆいかと思いますが、我慢して理解した後には前よりも音楽の見える世界が少し違ってきますのでぜひ読んで頂けますと幸いです。

①曲のキー 
②曲の中で使う音(スケール)
③曲のコード


以上の3つは把握しておくとベターです。

それぞれについて解説します。

①曲のキー

その曲の中での中心になる音だと考えてもらって大丈夫だと思います。
また、このキーはそれぞれメジャー(明るい)もしくはマイナー(暗い)のどちらかになります。(後述)
例えばキーがCメジャーの場合、メロディの最後の音がCだと終わった様な印象になります。

また、曲の最後にジャーン!とコードを鳴らして締めることがありますが、あれも大体はキーの音です。
キーがCメジャーだと、締めにCメジャーのコードを鳴らしています。

②曲の中で使う音

基本的にスケールの音を使用します。
スケールはメジャーとマイナーの2種類あって、キーがCのメジャーだと

CDEFGAB
(ドレミファソラシ)

Cのマイナーだと 

CDE♭FGA♭B♭
(ドレミ♭ファソラ♭シ♭)

以上のような音階になります。
そして、それぞれに度数という番号が付くのですが、これはメジャーの音階を基準につけると考えて大丈夫です。
ですので、Cメジャーの
CDEFGAB(ドレミファソラシ)ですと低い方から順に

C→1度
D→2度
E→3度
F→4度
G→5度
A→6度
B→7度

といったような度数のつき方になります。
またCマイナーの
CDE♭FGA♭B♭
(ドレミ♭ファソラ♭シ♭)だと、

C→1度
D→2度
E♭→3度♭
F→4度
G→5度
A♭→6度♭
B♭→7度♭

このような並びになります。

マイナーはメジャースケールの3、6、7度が♭したものと覚えれば楽です。
なるべく普段から度数を考えながら練習する癖を付けておくといいでしょう。
ちなみにキーが他の音の場合、全ての音がそのままスライドすると考えてください。
例えばキーがDメジャーの場合のスケールは

DEF♯GABC♯
(レミファ♯ソラシド♯)

CからDにキーが1音上がるのでCメジャーのスケールが1音ずつ上がった音階となります。EとF、BとCの間は全音でなく半音の間隔なので、DEFGABC(レミファソラシド)にはならないことに注意して下さい。

③曲のコード


曲の進行や響きがどんなものかちゃんとわかってないとその上でメロディを紡ぎ出すのは難しいです。
大抵の曲のコードはダイアトニックコードというのを基本に構成されています。
②のスケールの音を使って構成されるコード達のことです。
Cメジャーキーだと、ダイアトニックコードは
以下のようになります。()内はコードの構成音です。

C(C,E,G)
Dm(D,F,A)
Em(E,G,B)
F(F,A,C)
G(G,B,D)
Am(A,C,E)
Bm♭5(B,D,F)

セブンスがつくこともありますが、基本はこのようになります。
それぞれスケールの音をルートに、スケールの音だけで作ったコードなので外すことはありません。
例えば、下記はお馴染みの有名なカノン進行ですが

C/G/Am/Em
F/G/C/C

非常に自然な綺麗さの印象がありますが、これは全てダイアトニックコードで成り立っているためです。

ちなみに最近流行っている丸サ進行ですが、Cメジャーキーに直すと

FM7/E7/Am7/C7

となります。余裕があれば考えてみてください。
「あれ?」と違和感を覚える様なら、この辺りの事は理解できていると考えて大丈夫だと思います。

最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。
とりあえず今回は前提知識となります。

次回以降は、実際にこの知識を使ってどうアドリブするかの話です。

よろしければコメント等頂けますと非常に有難いです。

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