番外編「葵さんからの質問」公募インタビュー#8オマケ
〈葵さん(仮名) 2020年7月初旬〉
公募#8「はっきり見えない夜が好き」のインタビューを行った際、記事に載せたお話の他に、インタビュイーの葵さんからインタビュアー田中へいろいろご質問をいただきました。応募などの参考になればということと、話していて面白かったので、そのやりとりも番外編として公開します。
──ここまでお話を伺ってきましたが、特にしゃべりたいこと、他に質問してほしいことなどありますか?(←※時間後半にインタビュアー田中からさせていただくことが多い質問です)
葵さん あ、あります。話したい、じゃないですけど…。自分のことを話したいみたいな人はけっこう多いじゃないですか。でもなんか、インタビュアー田中さんみたいな、人の話を聞きたいみたいな人は珍しくて、
──そうですか?
葵さん 珍しいから、この人と話したいなーと。どう思って、人の話を聞きたいと思ってるんだろうって、めっちゃ興味深かったんですよね。
──珍しいですかね(笑)。
葵さん そうですよ。
──私の動機を知りたいと。
葵さん ぜひとも聞きたいですね(笑)。
──本当に、人それぞれ、話を聞いてみると面白いなって日常で思ってたんです。自分のこと話したい人は多いっておっしゃいましたけど、私は募集を始めるまでそんなに多いとは思ってなかったんですよね。
葵さん なるほど。
──で、(応募をたくさんいただいて)ちょっとびっくりしてたんですけどね。
有名じゃない人でも、人それぞれ、何年も生きてきたわけで、いろんな話を持ってると思うんです。(自分の)知らない人には聞く機会がないけど、聞くにはどうしたらいいのかなと思って(インタビュアー田中の企画を)始めたんですよ。
葵さん note(の募集のページに)に書いてましたね。
──ああ、同じこと言ってますね(笑)。
葵さん いえいえ(笑)。確かに(人それぞれ)個性はありますけど、他の人の思ってることとか考えてることを聞いたところで、へーそうなんだふーん、って感じになりません?
──いや、面白いなと思いますけどね。そんなことある?みたいな。そういう考えになる?とか。
葵さん (笑)考え方も、なるほど。
──考え方もそうだし、そういう人生そのものも。みんな違うじゃないですか、ちょっとずつでも。ちょっとずつっていうか、けっこう大きく違うと思うんですけど。なので…本当の人生だけど、いろんな本を読んでいるようなというか。自分の人生って一度しかないじゃないですか?
葵さん うんうん。
──だけど(人の)話を聞くと、いろんな人の人生を体験させてもらっているかのような感じもありますね。
(葵さんのインタビュー中に)私のことばかりしゃべってもあれなんですけど(笑)。
葵さん やっぱりちょっと共感は難しいですね(笑)。
──(笑) そうですか。
葵さん 人生が面白いっていうのはちょっとわかるんですけど、面白い、面白いかあ…。自己承認欲求が大きい人がネットにはよくいるから、逆のことがすごいなーみたいな。
──でも、(葵さんも)人の記事…有名人の(インタビュー)記事とかは読みますよね?
葵さん 有名人の記事……
──人の人生に興味ないですか?
葵さん あまり興味ないですね(笑)。
──そうか(笑)。
葵さん その違いかもしれないですね。あ、でも読みましたよ、(インタビュアー)田中さんが書いてる記事、だいたい。
──ありがとうございます、うれしいです。
葵さん 面白かったです、特に……Cさんかな?
──「人付き合いについて」ですね。(※第3回友人インタビュー「“人付き合い”について、超個人的所感を聞く」)
葵さん あと、イラストレーターさんの話も面白かったです。(※「ニューヨークから、今、これから」イラストレーター森 千章さん/公募インタビュー#3)
──ああ、ありがとうございます。
葵さん 確かに(人の人生は)いろいろ違うなあって感じします。
──そしてまた‘インタビュー’っていうのが、普通の会話とちょっと違って、一方的に質問をして、答えてもらうっていう形じゃないですか。それが面白いんですよね。私もやっていって気づいたことですけど、(普通の)会話のキャッチボールとはまた違って、(もともとよく知っている)友達にインタビューしてても、普通の友達として(の会話で)は絶対にしゃべらなかったことが出てくる。
葵さん ですね、なんか。奥底にあるものを引きずり出すみたいな。思ってても言わないことを聞けるっていう、そういう。
──インタビューされないとしゃべらないことって人ってあるのかもしれないなと思いましたね。(※書く音がして)なんか書いてるんですか?
葵さん 私しゃべりながらけっこう書く人なんですよ。
インタビューっていう形式にも疑問があったというか。私、人と話があんまり続かないんですよ。他人に興味がないから、相手に対して聞きたいことが本当にないんですよ。だから、インタビューっていう形で相手に疑問をぶつけるその行為自体がすごいなって思って。
──質問が思い浮かぶのがってことですか?
葵さん そうです。
──そうかな。
葵さん 自分が聞きたいことを相手に聞いてる感じですか?
──そうですね。
葵さん 相手が聞いてほしそうなこととか、話したそうなことを聞いているわけではなくて?
──このインタビュアー田中の企画の場合は、テーマを決めてこれを聞いてほしいっていう方もいるから、その方に関してはそれをしゃべってくださいって感じで進めますけどね。テーマは特にないとか、ふんわりしている方に関してはこっちから繰り出していきます。
葵さん (笑)その繰り出す内容が、どうやって繰り出せばいいのか難しいですよね。漠然としてるじゃないですか。
──そうですね。でもちょっとずつしゃべっていくと、言ってくれたことに対して私がここはどういうことなんだろうと思うと、聞いていけるかな。ただそれはやっぱりインタビュアー田中っていうのを謳っていてインタビューさせてもらうぞっていう前提だから、いくら質問しても不審がられないというか。
葵さん そうですね、確かに。
──普通の友達同士とか、初めて会った人にガンガン聞いていったらなんでそんなこと聞くんですか、って言われちゃうかもしれない。だからインタビュアー田中っていうのをやらせてもらってるので聞きたいこと聞かせてもらってるっていうことですね。
やっぱり聞きたいこと聞かせてもらうって楽しいですよね?
葵さん うーーん、なるほどなるほど。(私は)聞きたいことがないって悩んでたんですけど、(インタビュアー田中は)聞きたいことを聞かせてもらうのが楽しいと。そういうことなんですね。
──聞きたいことがないんだったら確かに難しいですよね。
葵さん その人の本質が知りたいって感じなんですかね?
──本質かあ、そこまでねえ……
葵さん ああ、でも人生って言ってましたもんね。
──本質でももちろんいいんですけどね。本質が見えたら面白いでしょうし、本質を話してもらってもいいけど、限られた時間なので、その中で面白い話が聞けたらって感じですかね。面白いっていう言葉も語弊が生じかねない言葉なんですが。興味深いと言いますか。
葵さん 自分じゃない人の好きなことを聞いて、楽しいとか思いますか?
──うん、楽しいですね、面白いですね。
葵さん どこらへんが面白いですか?友達だったら、ああ楽しそうにしてるなあで私は満足するんですけど、特別親しくもないじゃないですか、初めて会った人だったら。そうだとしたらどこらへんに見出せるというか、満足するんだろうって。
──どうして好きなんだろうとか、どうしてそれを面白いと思うのかとか(聞くの)も面白いですし、その人が生き生きとしゃべってる様も楽しいっていうのもありますね。おすすめしてる人って生き生きしてるじゃないですか。
葵さん あれいいですよね。楽しそうで。
──それもありますね。あふれ出す感じの言葉?そこにも美しさというか輝きもあるかな(笑)。
でもインタビュアー田中してない時に一方的におすすめ話されたらなんかこう…嫌になっちゃうこともあるかもしれないですね。
葵さん (笑) あるんですね。
──でも立場を明確にしてやると、楽しいかもしれないです。
葵さん なるほど……。 言いたいこと忘れました(笑)。なるほど、なるほど…ああ、そうそう。人間観察も趣味の一つだったりするんですか?
──人間観察…好きかもしれないですね。趣味は何ですかと聞かれて人間観察ですとは言わないですけど、
葵さん (笑) まあそうですね。
──そういう人がいても全然否定はしないですけど、
葵さん わかりますわかります。
──確かに(私は)人間は好きなんでしょうね。面白いなとは思います。
葵さん なんとなくちょっとわかりました。わかんないけどわかりました(笑)。
──人の話に全然興味ないっておっしゃりつつもすごく質問してくれましたけど
葵さん 興味を持った人間には興味があるんですけど、どんな人間かも知らないよくわかんない人に対してはみじんも興味ないです。
──(笑) だから不特定多数の人によく話を聞けるなあと疑問に思ったんですね。
葵さん そうです、そんな感じです。
──あとは何かありますか。話したいこととか。
葵さん んー、あ、あれだ。今日話して、どう思ったか聞きたいです。
──葵さんのことをですね。
葵さん そうです、葵さんのことをですね。
──いやあめちゃめちゃ面白かったですね。
葵さん え、まじですか。
──何がかな、何が面白かったかと言われるとあれですけど、自分の気持ちとか状態とか、すごく言語化して
葵さん それはうれしい。
──答えが返ってくるし、考えながらおしゃべりしてくださって面白かったですよ。
葵さん うれしいですね。分析って大事じゃないですか。知らんけど。
──(笑)知らんけど、
葵さん 知らないけど、自分のこと分析して、客観的に見れるようになりたいなあって思うじゃないですか。言語化できる、本作る人、文章書く人にもそうなんですけど、言葉の力みたいなの、けっこう大事っていうか、重要視してるんで、言語化できる、って言われたらうれしいですね。
──自分のことを話せてすごいなと思いました。
葵さん 自分のことを話すのはけっこう重いっていうか、複雑でもないけど、あんまり(相手が)聞いて楽しい話じゃないじゃないですか。家庭のこととか、小さい頃の育ち方、環境かな。だから話せて楽しかったです。
──あ、そうですか?楽しかったですか?
葵さん 楽しかったです。よかったです。
──つらくなかったですか?
葵さん つらくなかったです。大丈夫ですよ。
──よかった、根掘り葉掘り聞いちゃうから。
葵さん いやいやいや。インタビュアーですから。
もう一つ気になることがあって。インタビューの最初では、私の人間性をあんまりわかってないじゃないですか。当たりさわりない話題から、なんだろう、核心をつくというわけでもないけど、こう…話したいことに持っていくじゃないなあ、なんだろ、インタビューとして成立するために、どんな心境だったのかと、……大学生ですか?みたいな個人の情報から、話をふくらます、インタビューするためにどうしたらいいっていうか、っていうのを聞きたいです。
あれ、私がインタビューしてるみたいになってますけど、違います。疑問です。
──最初の心境ですか?
葵さん 個人の情報(プロフィール的なこと)をちょっとずつ集めてる時の心境っていうか。
──心境…最初…質問するとっかかりを見つけようって感じですかね。なんとなく私の中で人物像をポワーンって浮かべたら話しやすいかなーぐらいですかね。本当に私は好きでやってるだけなので、コツとか、インタビューを成立させようとかという感じじゃないし、話したい人いませんかという募集だから、話してもらおう、っていうのがあります。
葵さん とっかかり…で…私あんまり話すの得意じゃないじゃないですか?
──いや、とは思いませんけど
葵さん いや、得意じゃないんですよ。ネット上の音声だけだから(※音声のみのインタビューでした)、あとなんか、田中さん、インタビュアーだし、みたいな、まあいつもよりは話せてるんですけど、最初(自分の)返答が(「はい」「そうですね」「○○です」など)短かったじゃないですか。そういう人に対してとっかかりを作っていくのって、難しくないですか?
──難しいですね。
葵さん ですよね。私、最初緊張して答えながら、インタビューが10分しか続かなかったらどうしようってめっちゃ緊張してたんですよ。
──(緊張)しますよね。
葵さん 申し訳ないな、みたいな気持ちで。
──みなさん、自分は特筆すべき人間でもないしとか、面白味のある人間でもないしという心境の方多いと思うんですけど、またループみたいに(話が)戻りますけど、何かしらみなさん興味深い話をもってらっしゃるのは100%間違いないので。
私が面白く思うのがおかしいのかもしれないですけど、私は100%面白いと思うので。私はね。だから質問は出てくる。ちょっと(自分は)変態なのかな、と思うこともあります。
葵さん 変態! んー、どうかなニッチだな、とは思いますけど変態とまでは、どうなんだろ(笑)。
──あと、(公募インタビューの場合のインタビュイーさんは)応募してきてくださってるっていうのはありますよね。友人インタビューの場合は私がお願いしてるんで、また全然立場が違うんですけど、インタビュアー田中に応募してきてくださった方々は必ず話したいはずなんで、
葵さん なるほど。話したい話があるはずと思って、インタビューをする。なるほどなるほど。
──私は聞きたい側の人間だし、応募してきてくださったのは話したい側の人間だしっていうのはお互いに間違いないですよね。
葵さん ただ話したいだけでもいいですよ、みたいなの言ってたじゃないですか。そういう、井戸端会議というか、世間話かな? 世間話をしたいです、みたいなのもOKで、インタビュアーとして話すって感じなんですね?
──そうですね。
葵さん 私がまあそうですね。話したい内容決めてなかったし。
──テーマは特にって感じでしたもんね。
葵さん なるほど、よくわかりました。確かにそうですね。
(終わり)
※インタビュアー田中の発言の前には──が付いています。
最初緊張もあって大好きなアニメのお話を充分に語れなかったという葵さんよりメッセージです↓
『アニメはshirobakoがおすすめです!主人公のみゃーもりが超絶可愛くてロング派の私もショートカットの主人公にメロメロになりました!ちょっとマイナーでいくとrwbyが好きですね。youtubeに公式からupされてるので是非英語版を見て欲しいです!』
インタビュアー田中、つたないながらも、みなさんのお話を毎回たからものを掘り当てた犬のような気持ちで聞かせていただいております。
話していただいた方も、読んでいただいている方も、本当にありがとうございます!
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