見出し画像

「クイックレスポンス」とは?

今日は先日少し触れた「クイックレスポンス」についてご紹介したいと思います。

クイック→早い
レスポンス→応答

の通り、英語学習の場合、英日もしくは日英で対訳語をパパッと口にすることです。記憶方法の一種ですが、その効果はただ覚えることにとどまらず、実際に話すときに大いに役に立ちます。

通訳をする場合、聞いて「ふんふん、分かった」では足りず、瞬間的に訳語が口から出る必要があります。「あれ?この用語はなんて訳だったっけ?」と考えている間に話している人はどんどん先へ行ってしまいますよね?同時通訳だったらなおさらです。そのロスタイムを最小限にするためにも「口に出して瞬間的に言える」ように準備しておくのです。

例えば、、、

画像1

これは私が以前「学びのユニバーサルデザイン」という学習発表会の通訳をしたときに資料から起こした単語集です。このように専門用語やちょっとわかりにくかった表現などをリストしてA4の紙に印刷しておいて、反対言語のところを折って隠したまま、日英、英日で口に出して言います。パッと出なかったところは重点的に言えるようにして実際の仕事に臨みます。

もっとも現場はナマモノなので、これだけの準備をしても何が起こるかは分かりませんけどね。でもプロとしてできる限りの準備は整えて仕事に向かうのです。

実はこの「クイックレスポンス」、別に通訳者だけの練習法ではないんですよ。
英語学習の初心者から上級者まで大変お役立ちの学習法なのです。

我々が話す言葉の語彙には、受動的な語彙(passive vocabulary)と能動的な語彙(active vocabulary)があります。受動的な語彙は聞いて分かる、理解できる、でも自分で使うとなると怪しい語彙です。ほら、日本語でも同じでしょ?医学とか経済とか専門用語は聞いてなんとなく分かったとしても自分でそれを使って話す、書くとなると、使えない、、、そんな語彙は母国語でも存在しています。第二言語として学習している英語ならその区分はもっと明確です。

それに対して能動的な語彙、それこそがスピーキング、ライティングで使うことのできる語彙になります。

英語初心者の場合、学生時代に学校で英語習ったけど、話したり、書いたりが少なかったため、語彙の大半が受動的な語彙のままです。だから話せない。その場合、自分が話したい定型文をこのクイックレスポンス方式で覚え込んでしまえばよい。そうすればアクティブに使う能動的な語彙が増え、話すことが容易になります。中級・上級者の場合でもより高度な語彙・言い回し表現、専門用語などを使えるようにするためにクイックレスポンスを利用することができます。

TOEICや英検の単語集で単語を覚えようとするなら、書き取りするよりクイックレスポンスをおすすめします。書くとしても書きながら声にも出すのを忘れずに。そして即言う、3秒ルールとかで!(笑)語学の学習じゃなくて資格試験などでもきっと役に立つでしょうね。声に出して言うとその音が自分の耳から入ってくるので記憶の定着に一役買っている、という話もありますよ。

ただ、ひとつ注意点が!
クイックレスポンスで覚えられるのはあくまで単語や文に対して対応する訳がひとつ、ないしせいぜいふたつぐらいのものだけです。例えば基本動詞のtakeとかgetなど意味がひとつでない単語をクイックレスポンスで覚えることはできません。いわゆる専門用語や定型文の叩き込みには効果絶大です。

以上クイックレスポンスのご紹介でした。
興味のある方は遠慮せずコメントしてくださいね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?