簿記2級に合格しました。

久しぶりの投稿になります。
本日簿記2級のCBT(ネット試験)を受験し、76点(70/100点合格)で無事合格を果たしました。
私は今回を含めて3回簿記2級の試験を受験しており、1回目は統一のペーパー試験(結果未発表ですが恐らく落ちてる)、2回目はCBT試験(3点足りず不合格…)、そして今回が3回目の受験でした。1週間おきに3回連続で週末受験した形になります。

4月後半から勉強を初めてちょうど2か月で合格となりましたが、合格までの道のりは決して楽な道のりではなかったです。
この2か月の勉強法や思ったことについて思うままに書き連ねていきますので、よろしければご覧ください。

受験理由

あまり自発的な理由ではないのですが、今現在私が所属する部署で簿記2級の資格取得が必須となっていたためです。
当部署では少なからず会計系の知識が求められており、他社のの決算書や財務諸表を分析するなど、前段として簿記2級の取得が必要でした。
ただ、いくら会社で必要だからとはいえそれだけでは勉強を継続するモチベーションが続かないなと思ったため、勉強するにあたって次の2点を意識しました。

社会人として基本的な会計知識を身に付けること
・これまでに触れてこなかった分野に手を伸ばし、視野を広げること

お恥ずかしながらこれまでろくに家計簿を付けたことがなく、毎月の収入と支出が即答できない自分にとって、今回の資格勉強はこれまでの生活習慣を変える願ってもないチャンスでした。

実際簿記2級を勉強することで勘定科目や資金の動きに敏感になり、限りあるリソースをどこにどのように割くのか、一歩立ち止まって考えるようになりました。資金の動きを可視化する、という簿記本来の役割に目を向けることができるようになっただけでも成長できたと実感しています。

勉強方法

ありがたいことに私の会社では外部講師を呼んで講義を受講させていただくことができました。週に2,3日、日中の4時間ほど勉強時間を確保することができました。

ただ研修スケジュールの後半は別の研修プログラムが入り、横綱級の論点と言われる連結会計の大部分を受講することができず、この分野に関してはほぼ独学で試験に臨むことになりました。

また、一般には300~400時間程度の勉強時間が必要と言われる簿記2級ですが、これまでに私は簿記3級すらも学習したことがなかったため、まず簿記3級の知識を身に付ける必要がありました。

実際簿記3級を飛ばして簿記2級にいきなり取り掛かるのではその後の理解度に顕著に差が出てくると感じました。
そのため、研修に入るまでの期間を利用して簿記3級を学習し、研修が始まってから数日は簿記2級と簿記3級を並行して学んでいた時期もありました。

先ほど勉強時間の話をしましたが、日中の講義だけではこの勉強時間をまかないきれないため、就業後の時間を利用し、特段の事情がない限り1日1時間~2時間程度学習時間を確保するようにしていました。

個人差もありますが私自身簿記の初学者ということもあり、これくらいの勉強時間を確保してようやく最近になって戦えるようになったな、という印象があります。

研修スケジュールの都合上、まず工業簿記に取り掛かり、一連の学習が終わってから商業簿記へと入っていきました。
自主学習もその流れで勉強していましたが、工業簿記の学習が終わってしばらくして商業簿記の学習をしている間に工業簿記の内容を忘れてしまうことがあり、この2点はできるだけ同時並行で学習したほうがよいと感じました。一部ではありますが、商業簿記の中に工業簿記の論点も含まれており、その逆もあるからです(本支店会計など)。

テキストは滝澤ななみさんの「スッキリわかる」シリーズを使用していました。また、問題集はTACの「よくわかる簿記シリーズ 合格トレーニング」を活用していました。
どちらも基礎的な内容ですがしっかりとポイントを押さえており、この2つをカンペキにすれば合格できるだろう、といった構成になっています。

また、実際の試験ですが、以下の通りの構成となっています

  • 第1問 仕訳 (商業簿記/20点)

  • 第2問 連結会計・株主資本等変動計算書など (商業簿記/20点)

  • 第3問 個別決算 損益計算書・貸借対照表など (商業簿記/20点)

  • 第4問 仕訳 財務諸表作成 (工業簿記/28点)

  • 第5問 標準原価計算・個別原価計算・CPV分析 (工業簿記/12点)

この中で、得点源といえる非常に重要な大問は問1,4,5です。問1は商簿の仕訳が5題出題され、1問4点と非常に配点率が高くなっています。最低でも4問は正解したいところです。逆に1問、2問の正解に留まってしまった場合は、合格はかなり遠のくと言っても過言ではないでしょう。

また工簿も第4問で仕訳が3題出題され、確実に得点を稼いでいきたいところです。簿記2級は連結会計が新しく1級の範囲から降りてくるなど、近年では難易度の上昇が著しいと言えますが、工簿はここ数年大きな範囲の変更はありません。それゆえに問題のパターンも定まってきており、努力次第で大きく得点を伸ばせる分野になります。

何度も言いますが重要なのは問1,4,5です。ここでどれだけ得点を稼げるかが合否に直結します。逆に問2、問3はもちろん余力があればきちんと対策をするべきですが、他で稼げればおおよそ6割程度の正解率で十分と言えます。
また、すべての基礎となり土台となるのが仕訳です。私はテキストに付属している付録の仕訳アプリを移動の合間や隙間時間に活用することにより、基本的な仕訳対策を実施していました。仕訳と工簿を制する者が簿記2級を制す、と私自身は強く感じています。

試験を受けてみて

まず、簿記2級には年3回のペーパー試験といつでも受験できるCBT試験(ネット試験)の2種類がありますが、個人的にはCBT試験を強くオススメします。それは以下の3点の理由によります。

好きなタイミングで受験できる
・その特性上問題が平易である
・合格率からも明らかな
1つずつ解説します。

・好きなタイミングで受験できる
これは言わずもがなです。ペーパー試験は年3回(2月、6月、11月)しかなく、一度受験して仮にダメだった場合、次回の受験は3~4ヶ月のブランクがあります。
CBT試験を受験して仮にダメでも、試験の翌日から3日以降であれば再度試験予約をすることが可能ですので、短期集中で取得したい方にとっては非常に優位性があります。
ペーパー試験が悪いとは言えませんが効率の面ではCBT試験に勝るものはないでしょう。

・その特性上問題が平易である
ペーパー試験ではペーパー冊子の問題が配られ、それに書き込みをしながら解答用紙に解答していく、というスタイルとなっています。えっ、書き込みができるならそっちの方がメリットがあるじゃないか、と思われた方、
確かにそれはメリットの一つでしょう。実際CBT試験は書き込みを加えることができず、ここは工夫が必要とされます。

しかし、よく考えてみてください。CBT試験でペーパー試験同様の複雑な書き込みが必要な問題が毎度出題されたらどうなるでしょうか。恐らく正答率はペーパー試験のものより下がるでしょう。
結論から言ってしまうと、CBT試験では複雑な書き込みを必要とする問題は出題されません。これはペーパー試験、CBT試験両方受けた私の体感ベースにはなりますが明らかです。

勿論、ネット試験の解答に多少の慣れは必要です。一発勝負で行くと色んな工夫が必要であることが分かり、恐らく戸惑ってしまうでしょう。しかしそこはテキストに付属のネット模擬問題を使ったりすることによって、ある程度の訓練は可能となります。
ペーパー試験もCBT試験も合格の価値は同じです。であれば、より問題が平易と言えるCBT試験を受験するほうが個人的にはオススメと言えます。

・合格率からも明らかな差

近年の簿記2級のペーパー試験の合格率推移は下記の通りです。

2021年06月13日 第158回 24.0%
2021年02月28日 第157回 8.6%
2020年11月15日 第156回 18.2%
2020年06月14日 第155回 中止
2020年02月23日 第154回 28.6%
2019年11月17日 第153回 27.1%
2019年06月09日 第152回 25.4%
2019年02月24日 第151回 12.7%

どうでしょうか。回によっては合格率10%を下回るなど難易度が高い試験であると言えます。

一方でCBT試験の合格率は下記の通りです。
2020年12月~2021年3月実施 46.6%
2021年4月~6月実施 44.8%

ね。一目瞭然でしょう。これが私がCBT試験を強くオススメする理由です。

これは一概には言えないのでしょうが、ペーパー試験よりもCBT試験の方が解きやすかったように感じます(一度落ちていますが…)。
一通り解答を終えた段階で20分程度時間が余っており、そこから見直しの時間に充てることができました。

最後に

今回運よく簿記2級に合格できましたが、世間で言われているほどカンタンな試験ではないと感じました。ただ、真剣に勉強に向き合ってきたことで会計知識も身に付き、資格も取得でき、本当に達成感でいっぱいです。
拙い文章ですが、皆さんの簿記2級合格の一助となれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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