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AR体験をプレゼンやプロトタイピングで即共有するには

加藤博一先生のHiroマーカーの登場からもうどのくらいたったでしょうか?20年くらいとか?もっと?

ARってとっても身近なツールになったとおもうのですが、どうも筆者の所属する大学内で発表資料や展示補足としてARがぜんぜん使われないの、なんでだろ~。ってずっと思ってたんです。ある授業で学生プレゼンのアドバイスの際に、1/1スケールのCGモデルをスライド画像で見せてるだけだったので、「せっかくモデルつくってるならARでフルスケール提供すればいいのでは?」と聞いてみたのです。学生からの返答はシンプルで「そんな手軽にできると思ってなかったです。どうやるんですか?」というものでした。

試作段階や、建築の模型なんかもそうだとおもうのですが、スケール感ってすっごく大事でかなり経験と練習を積まないと数値上のボリュームと実際のボリュームってなかなかうまくバランスとるのって難しいですよね。従来は寸法を示したり、1/50スケールで横にアクリルシルエットをおいたりしてそれらの感覚を保管するわけですが、最初っから1/1でみれればそれに越したこと無いわけです。

以上踏まえて、デザイナが自分で提案する3Gモデルを瞬で他者とAR共有するにはどうやるのが一番簡単だろうか。と考えるようになりました。代表的なユーザシナリオをは次の通り

  1. Aさんはあと10分後に新規プロダクトアイデアのプレゼンテーション

  2. スタイリングだけ簡単にして、スケッチとモデルは起こした。3Dモデルはすでに印刷している。

  3. 今回は「小ぶり感がかわいい」というコンセプトだったのでそのサイズ感をどうにかして伝えたいと考えている。今回は現場でのプレゼンの他、遠隔地からも意思決定を持つ偉い人(Bさん)が参加する

  4. さて、Bさんにどうやったら「小ぶり感がかわいい」を3Dモデルなしでつたえられるだろう

こんな時、やっぱARですよね。でもプレゼンまではあと10分。現地に3Dモデルを送ってそれをAR表示してほしい、なんて要望をしたところで即座の対応は難しいものです。というわけで次の手順でAさんはプレゼン準備をしたのでした。

  1. 作成した3Dモデルをusdz形式に書き出す(CADソフトからエクスポートするだけ)

  2. そのファイルを AR共有サービス(アカウント作成もログインもいらない)にアップロードして、閲覧用QRコードを取得する

  3. 取得したQRコードをプレゼン資料に貼り付ける

ここまででおしまいです。あとはBさんがこのQRコードをスマホ(今回の場合はiOS)で読み込めばBさんのスマホ内でAR表示が始まる。という流れです。

ここまで頭ん中で考えていて、「いや、そういうのファイル共有とか3Dモデル共有サービスでできるでしょ?」と思って調べてみたところ見つからず。んーん。しょうがないなぁ、作るしか無いなぁ(楽しいのでどうせあっても作るつもり)。というここまでが今回紹介するサービスの制作動機です。

ARShareable

https://github.com/TetsuakiBaba/ARShareable

制作したのが、ARShareable。瞬でAR体験共有のためのシステムです。js, phpで開発しました。流れは先程示したとおりです。以下のURLからお試しください。
https://tetsuakibaba.jp/project/ARShareable/


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