メタ認知を中学生に教える  生活編

前回(その5)は、学校の試験の問題に答える際、メタ認知を働かせると、出題された先生の意図がわかること、ときには、知識面で自信がなくても、先生が何を知り、理解しておいてもらいたいから、その問題を作られたがわかり、正解が浮かぶこともある、と息子にした際の説明を詳述した。 

 意外にも、素直に聞いてくれたので悦に入り、説明に力が入ったのか、長くなったのか、喉が乾いた。そこで、息子に、水を一杯、持ってきてくれと頼んだ。

冷蔵庫に向かった長男が、何やらゴソゴソしている。そして、結構、たってから

「水を持っていったら、いい?」

との声。

(また質問者(依頼者)の言ったことをちゃんと聴けてないじゃないか! 聞き返すなんて、失礼だぞ。)

と思った私は、すかざす、次のように言ってしまった。

「何で、聞き返す? そう言ったばかりじゃないか! ちゃんと言われたことを、しっかり意識しろよ!」と。

怒られたと思ったのか、長男はしおらしく、

「ごめん。冷えたお茶をさがしたんだけど、無かったから、水でもいいのかな、と思って・・・・」

私は、(言い訳めいたことを言うなよ)と思って

「パパは、お茶は今、無いのはわかっている。だから、水をくれ、と言ったんだ。早く、水を持ってきてくれ。」と反射的に答えた。

なんだか、かわいそうなことを言ったかも。でも、これも教育だと言い聞かせたが、後味は良くなかった。そこで、後から、振り返ってみた。

息子は、

(パパも、水よりも本当はお茶があれば、お茶の方がいいだろう。今からすぐにはお茶は作れないけど、本当に水でもいいの?)と考えて、こちらに確認したのだろう。と思えてきた。

だとしたら、私のことをちゃんと慮って、意図を探っていたことになることに気づいた。つまり、彼が私に確認したのは、単にオーダーの聞き返しではなかった可能性が高い。「だとしたら」だが、

パパの方こそ、メタ認知が、リアルタイムで出来ていない!

息子よ、それでいいのだ。出来ているじゃないか。

と後から思ったが、それを伝えることが出来なかった。

でも、最近、このnoteのシリーズは、長男に、読ませるようにしている。だから、この記事もいつか読むだろう。その時に伝わるはずだ。

読んだ後、どんな顔をするか・・・ 恥ずかしい気がしてきた。なら、書かなきゃいいのだけど、でも、書いておきたい。なので、書きました。

読者の皆さん、オヤジの迷いに最後までお付き合いさせて、すみません。


P.S

その1

 父から息子への「講義」の後に、期せずして「演習」がなされていたことに。意外と理解していたのかも知れないと満足。

でも、父だって、「メタ認知が出来ていなかった」と気づくことは、「メタ・メタ認知が出来ていた」、ということになるんじゃないか? 土俵際での最後の抵抗!

その2

 息子に上記をみせた。「いいんじゃねえ?」とのことで、特に直すところがないという。

コメントとしては、「長いかもよ。3回分ぐらいある」とのことなので、分けることに。

肝心の内容については、意外にあっさりしていて、拍子抜け。せめて、復習に活かしてよな。