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【コミット】セリエA 23-24 第16節ラツィオvsインテル レビュー

こんにちは!TORAです🐯
今回はセリエA第16節ラツィオvsインテルのレビューです。


●スターティング

●ビセック起用による健全な設計

インテルにとって水色のオリンピコは鬼門。なんと最後に白星を掴んだのは2018年10月まで遡る苦手っぷりです。

今季の好調さをもってしても呪いは解けないのか。ラツィオが主導権を握る展開でスタート。

ビルドアップの起点となるのは両SB

インテルのツートップはほぼ内切りプレス専門なので、4バックの場合はSBがボールを持てます。ラツィオは以前レビューに記載した通り、『SB低い位置発進』はお手のものなのでやりやすさはあるでしょう。

その上でアンカーを務めるロヴェッラがなんとも献身的で、インテルツートップの手前に降りてくるパターンも。

数的優位で安定性はありますが、反面後ろに重たくなる危険を孕みます。

しかし、ラツィオは見事な誘引と縦のテンポアップでボールを前進。

大局はこんな感じ。

鎌田はゲームメイクではなくリズムという観点の指揮者。短中距離のパスを小気味よく捌き、前進のためのギアに。サッリ監督の期待に見事応えたと言っていいでしょう。個人的には(試合を見た中で)今季1,2位を争うパフォーマンスでした。

インテル目線では精力的なアップダウンで高さを調整し、発信と逃げ道の両方を担保したロヴェッラの対応に困りました。

原因はビセック起用のリスクヘッジと噛み合ってしまったことと考察。

”他のメンバーに比べどう転ぶか分からない”ビセック起用は、彼に1対1をさせず『1対1+1』でサポートしよう!という振る舞いを生んだと見ます。特にダルミアンは顕著でした。

言わずもがな、これはビセックが悪いとか至らないとかそういった話ではないですよ。勝点3を掴み続ける為にチームとして全体のバランスを整えよう、健全なリスクマネジメントをしようということ。

ダルミアンが低めで保険タスクをこなしながら対面も監視しなければいけないことで生じたのはプレスの選択肢減

ロヴェッラが降りてチャルハノールが付いていけば、バレッラが出て行けずマルシッチがフリーになってしまう。

しかし、バレッラが出ていけば、チャルハノールは鎌田も見なくはいけないのでロヴェッラのマークが緩くなります。

この合わせ技がロヴェッラの「発信と逃げ道を許してしまった」温床

結局インテルはバレッラが低めのマルシッチを抑えに行くことをベースにしていましたが、その裏で鎌田に前進のタクトを揮われた、というのが前半の大きな潮流なのです。

●プロセスは疑問だがコミットする

『ダルミアン低め保険』は非保持に限った話ではありません。保持も同様でした。

ビセックが躍動しまくったウディネーゼ戦は相手が前からプレスを放棄した点も忘れてはいけません。CL1位突破を犠牲にしてまで調整したこの一戦、保険加入して試合に臨むのはむしろ当然でしょう。

ラツィオの”対3バックプレス”は元々柔軟さがありますが、基本路線は「WGが相手WBを見て、IHが相手CBを見る」です。

個人的に鎌田先発の最大理由はココかなと妄想しました。

ビセック先発予想は確度が高かったので、比較的フレッシュで勤勉な鎌田をぶつけて処理負荷をかける、“あわよくば“を狙う。そして後半にルイス・アルベルトで勝負!がサッリ監督の企図だったのか。

と思っていたのですが、試合後にチーム内の不和(アトレティコ戦後にインモービレと口論に)説を見て一人顔を真っ赤にしました。

対するシモーネが設定したメインの目論見はもはや少しノスタルジック味な『中盤省略』。

といっては大袈裟かもですが、要はテュラムに深さを取って貰い、ラウタロと”縦関係の楔”で効率良く攻める手法です。

本筋とは逸れますが、最近レビューがしづらくてしづらくて。

というのも、レビューって「これがこうだからこうなった」、「対策したらそうなった」というハード面の仕掛けや再現性の考察が楽なんですよ。本節のミランとかめちゃくちゃレビューしやすいと思います笑

がしかし、最近のインテルはハード面じゃなくてソフト面をシーンに合わせ、再現性薄く殴るので連続でレビューしづらいったらありゃしない。僕の見方では結局この記事に集約されるので。

そんなレビュワー(というか僕)殺しのインテルですが、本節は再現性ある手段を用いました。

「距離感いつもと違くない?」
「間延びしてない?」

Xのタイムラインで散見されたセンテンス、僕も同意です。

これこそシモーネのプラン。ダルミアンの低め保険を逆手に取りました。テュラムに深さを取らせ、あえて陣形を伸ばし、手数少なく縦断する構成。

sofascoreによる平均ポジションにもはっきり表れていました。

が、これが効果的だったかと問われると…うーん、難しいですね。少なくても前半はやられましたよね笑。

テュラムは己が仕事を全うし、今日もチートっぷりを見せつけインテリスタの頬を緩ませましたが、この中盤省略に求められるは恒点です。

テュラムは遊点。上下左右に動き、その先で受け取り、前を向いて一人で相手陣地を侵略できる特性です。

名前を出したくない元90番は動きつつも、ここぞで大地に根を張り、自身を起点にチームに前を向かせるので似て非なるもの

もちろん両者とも恒・遊をクロスできますが、90分という時間でタイプの違いが生む積み重ねは微々たるものではありません。

どちらが良い悪いではなく(感情論的にはテュラムが良で元90が悪)、今回は手数少なく切って落としたかったので後者の楔がベターだった印象。

加えて主にマッチアップしたヒラがGOODだった点も残しておきます。上背はありませんがスピードがあり、テュラムに喰らいつくことができました。

「え、前半終わるぞ?これさすがにまずいんじゃない?どう立て直すのよ」という強がれなくなったフェーズで、したたかに不用意なバックパスを掻っ攫って、2000年以降ではレコードとなる『1年間で29ゴール』を樹立した我らがキャプテン。

そして後半、特に大きな変更はないのに(ラツィオが少しトーンダウン)、GKゾマーからの中盤省略で追加点を決めて青写真をコミットさせたチームは、なんていうか、これが盤石ってやつでしょうか。

その後はラツィオが4-4-2(4-2-2-2?)にモードチェンジしたり、インテルも最終盤は3-4-2-1になったりとレビューしやすい変化もありましたが、2得点目の時点でなんだか勝負アリな感じだったので割愛。

過程がイマイチなのに結果を出すは真のプロフェッショナル。そして、こういう勝ち方も悲願の”アレ”には欠かせないんですよね。

複数の意味で首位を固めた、価値ある白星でした。

●おまけ:CL決勝トーナメント抽選会

さて、本記事執筆の約2時間後にはCL決勝トーナメントの抽選会です。

どこになっているでしょうか。皆様はどことやりたいですか?どこと当たりたくないですか?

僕は…

レアル・マドリー:トラウマイヤだ

マン・シティ:絶対イヤだ

バイエルン:断固イヤだ

バルセロナ:とんでもなくイヤだ

アトレティコ:消耗しそう前後含めてイヤだ

アーセナル:お久なので見たいけど超つおいからイヤだイヤだイヤだ

ドルトムント:バフかかってそうで超イヤだ

って感じ。

「ドルトムントがこの中なら…!」という意見が多そうですが、早くもマイスターシャーレが厳しそうなので、CLに懸ける想いが一味違うであろう点が怖すぎる。当たるならば、今の4,5位を争う順位にいて頂き、消耗してほしいのが本音。

どうしても選ぶならアーセナルかなあ。

まず前提としてお久なので見てみたい。

加えて、リーグ順位も後押し。今季の彼らは順位が示す通りの強さだと思うんだけど(3試合しか見てない)、先頭を維持するために全力で走り続けないとなのでインテルと境遇が似てるんですよね。条件が一緒なので開き直れるし、気持ちよくやれるし、気持ちよく駆け引きできそう笑

まぁ今季は見事に特大のハズレくじしかないので、どこと当たっても開き直ってやるしかないですね。

願わくば、その際にさらに首位固めをして、CL決勝トーナメントに標準を当てれるようだとこのラツィオ戦の勝利もさらに意味を成すかと思います。「1位通過をするためではなく、相手がどこだろうとトーナメントでターンオーバーするためにあの時勝点3を稼いだんだ!」という伏線回収になりますように。

うん。だんだん現実逃避してきたのでお酒に逃げながら抽選会に臨みます。

最後までご覧いただきましてありがとうございました!



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