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【アオアシはマジおすすめ】カルロス・アウグスト 雑データ考察

こんにちは!TORAです🐯

今回は新規加入選手の考察記事。
新たにインテルの左WBを担うカルロス・アウグスト(以下カルロス)にフォーカスを当てます。

前回のフラッテージ前々回のテュラム同様にレーダーチャートを作成して掘っていくつもりでしたが、カルロスの比較対象はフルバック(=最終ライン全般)で、必要以上に攻撃性能が高く見えてしまうのがネック。

レーダーチャートの素となるスタッツ、比較対象がフルバックなのでWBのカルロスはどうしてもパーセンタイル値が高めになってしまう
ディマルコに至ってはこんな感じに、世界最高かよ

ということで、今回は僕が見た彼のプレーにスタッツの補足を加えるような構成にします。目指すはいつぞやのディバラの記事

僕のTwitterやスペースによくご覧&お聞き頂いている奇特な方はご存じかと思いますが、カルロス(ちなみにサマルジッチも)は昨季の”他チーム推し”でして、モンツァの試合はそこそこ見ている側だと思っています。全体の2/3くらいかな。


●プレースタイル

海外インテリスティの海外らしいオーバーなコメントでは「フィニッシュに強みがある選手」、「爆撃機」なんて表現が散見。

もちろん間違いではないのですが、これは今季のリーグ戦6ゴール5アシストというスタッツや、それらをうまいこと編集したプレー動画集が助長させているのは否めないと考えます。

「じゃあ、お前がカルロスのプレースタイルを一言でまとめるなら?」

と問われたら僕はこう返します。

「司令塔型サイドバック。アオアシの葦人くん」

と。

サッカー漫画「アオアシ」の主人公、葦人くん

漫画をご覧になっていない方向けに超簡易的に説明しますね。

ネタバレ注意⚠️
嫌な方はザザっとスクロールしてください。


天上天下唯我独尊


葦人くんは愛媛県の田舎から東京の名門ユースチームの門をたたき、自称全盛期ロナウド兼ファン・バステンの生まれ変わりとしてプロ入りすることを目指して奮闘します。

挫折がありながらもそれを乗り越え、着実に成長していく中、彼のことをスカウトした敏腕若手監督が突如として(監督にとってははじめからの計画通り)彼をサイドバックにコンバート

本人は至極当然で不満爆発、意気消沈としますが、苦い葛藤の中でも諦めずにもがくことで才能が花開いていく…といったストーリーです。

なぜゴリゴリのストライカーであった彼がサイドバックに転向されたかと言うと、最たる理由が彼が持つ類稀な視野の広さ

ゆえ、「葦人くんに司令塔型サイドバックになってもらい、世界へ羽ばたかせる」のが敏腕監督の意図です。

司令塔というと往年の名選手のように、ピッチの前目・中央寄りでゲームを作り、決定的なパスを配球するイメージが未だ根強いですが、ここで示されている『司令塔』は味方と相手選手を位置を瞬時に把握し、スペースを認知・予測する。周囲と自分を動かして自軍に優位を、敵軍に不利を生む、文字通り「全体や部門を指揮・統率する役目」を指します。

漫画では葦人くんのタスクの理想形を「攻守コンプリートしたサイドバック」と表現していますが、個人的にカルロス・アウグストもこれを目指すべき選手だと思っています。

この手のタイプはどうしても定性的な説明に頼ってしまいますが、スタッツも交えながら愚考を申し上げます。

ⅰ)ビルドアップの貢献大

まず初めに抑えておきたいのは、リーグ戦6ゴール5アシストという立派なスタッツを残しておりフィニッシュ面がウリな選手に見えますが、実は自陣でのビルドアップの貢献が大きいこと。

個人的にはアタッキングサードよりもディフェンシブサードでのタスクこそ、彼の本懐だと考えています。

ⅰ)大外レーンでポジショニングの妙を発揮し、被前からプレスの逃げ道になる。

ⅱ)レーン移動して多角形構成にアクセントを付け、相手の基準を困惑させる

などなど、周囲と自分をオーガナイズしてビルドアップのハブ役になるスキルはリーグ指折りと評価。

特に(昨季の)モンツァは自陣で細かく繋いで進軍する傾向にあり、彼はその中心にいたと断じます。スタッツもはっきりと後押ししているのでご紹介。

昨季の参考スタッツ
・モンツァのショートパス試行数:リーグ5位
・モンツァのディフェンシブサードでのタッチ数:リーグ1位
=モンツァが自陣で細かく繋ぐ証左

・カルロスのディフェンシブサードのタッチ数:チーム5位 ※1試合平均+18試合以上出場した選手のみが対象
=細かく繋ぐチーム内で特にボールを触っている選手の一人

FBrefを参照

カルロスのタッチ数について補足をするとチーム内1位はGKディ・グレゴリオで、2~4位はCB陣が占めます。自陣で細かく繋ぐ=最終ライン陣のタッチ数が増えるのは必然。カルロスは必然部に次ぐ多さということ。

つまり、低めビルドアップ時に最も縦や斜めにパスが付けられる(=レシーブする)傾向にあるのがカルロスであることを示唆しています。

同じ3バックシステムを採用しているインテルで言えば、最終ライン陣に次いでボールタッチするのは心臓部(ブロゾorチャル)なので、カルロスのタスクと信頼っぷりが伝わると思います。

ⅱ)認知して飛び込むスキル

話をビルドアップ後に移しましょう。

敵陣を攻略するフェーズでは打って変わってボールタッチ数が減ります。これはカルロスというよりもモンツァというチームのカラーも要因のひとつ。

しかし、その要因を取り除いても配球やチャンスメイクに本性感はなく(あくまで本性、できない訳ではない)、どちらかと言えば、出張した選手のポジションを埋めたり、全体を調整したりするイメージが強いです。

参考スタッツ
・カルロスの総ボールタッチ数:60.4回 ※1試合平均
・アタッキングサードでのボールタッチ数:14.5回(全体の24.0%)

・ディマルコの総ボールタッチ数:63.1回
・アタッキングサードでのボールタッチ数:26.1回(全体の41.4%)
=カルロスとディマルコは総タッチ数こそ差はないが、アタッキングサードのそれに大差あり

FBrefを参照

他チームでのプレースタッツなので単純比較はできませんが、実はモンツァとインテルは総パス数に大差がないので横並びにさせました(モンツァがリーグ4位、インテルが3位)。

このスタッツ傾向はインテルにおいても激変することはないと考えていて、ディマルコほどボールを任せられる選手にはならないと思います。いやまぁ、ディマルコと比べるのもアレだけど。

けど、それでいい。

昨季の左WBはタスク違いだからこそストロングでした。

タスク被りだと単にスターティングの控えになってしまうし(だからこそ良いこともあるけど)、ディマルコは特殊が過ぎるので単純な代打バッターは不要。

この局面においてカルロスに期待することは攻守を調和しつつ、ここぞのタイミングで決定機の出口に絡むこと。

フィニッシャーの位置に自分を持ってくる

…つまりまぁ、モンツァでやっていたことそのままで笑、この辺は切り取りプレー集でも凄みが伝わるかと思います。

瞬時にスペースを把握し、周囲として共鳴して、ここぞで刺す。ここぞでお膳立てする。

前任者とはまた違ったスタイルでゴールを強襲して欲しいものですね。

●懸念点は

ⅰ)単騎成分多めのアシスト・決定機創出

昨季リーグで5アシストと非常に立派なスタッツを残していますが「配球やチャンスメイクは本性ではない」という前項の考察からリンクして、0を1にするようなアシスト、または決定機創出は得意でない印象です。

具体例はクロス

試行数そのものが少なく、モンツァの左WBスタメンのチューリアと比べると半分の値。

参考スタッツ
・カルロスのクロス試行数(出場数):54回(34.3試合)
・チューリアのクロス試行数(出場数):98回(30.6試合)
・ディマルコのクロス試行数(出場数):207回(23.0試合)
=カルロスのクロスの少なさは一目瞭然

FBrefを参照

ディマルコ(=クロスゲーインテルの発射台)と比べるのはナンセンスかもですが、同チーム内で出場時間が少ないチューリアよりも遥かに少ない試行数は考察で取り上げないわけにはいきません。

全体のオーガナイズタスクもあり、縦に抉る機会が相対的に少ないのが最大理由ですが、「高精度のクロスでチャンスを凡庸→高品質に!」的なディマルコ味や「単騎突破からクロス!」的なペリシッチ味あるプレーは切り取り動画ほどうまくいかないと思っていましょう。

ⅱ)徹底守備時の強度

偉大な前任者ゴセンスと比べる上で避けられないのはフィジカル面でのシンプルな強度

特に撤退守備時のシンプル強度はスカッド全体の課題と見ていて、ゴセンスによってさらに引き算されてしまったのはどうしても引っ掛かります。

カルロスも身長184cmと全く持って小柄ではありませんが、明らかに筋肉隆々タイプではありませんからね。

と思ってスタッツを確認したところ、空中戦のスタッツが素晴らしい値でした。

参考スタッツ
・カルロスの空中戦勝利数(勝利率):1.66回(63.3%)
・ゴセンスの空中戦勝利数(勝利率):1.52回(62.5%)
・ディマルコの空中戦勝利数(勝利率):0.22回(29.4%)
=チームは違うが、カルロスとゴセンスはほぼイーブンの値

FBrefを参照

空中戦もピュアな個人スタッツではなく、ポジションやチームの戦い方によってギャップが生じますが、それを加味しても63.3%の勝利率は好印象。

タックルやインターセプトなど、フィジカルコンタクトを伴う守備的スタッツも対岸の左WBチューリアと比べるといずれも値が高く、僕の懸念は『見る目ナシ説』の可能性w

振り返ると、ボール保持においても体幹の強さで粘って剥がすシーンはいくつか脳裏に焼き付いており、シンプル強度を持ってして戦える選手かもしれません

「目指せ、攻守コンプリート!」
守備面の活躍も願望込めざるを得ず『見る目ナシ説』が立証されることを祈りますが、やはり過度な期待は荷が重いのでほどほどに留めておきましょう。

マルセロはダメだそうです

ⅲ)CB計算

これは項目を分けるほどのボリュームがなく、懸念というかただただズバッと切るのですが、カルロスをCBで計算したらダメ絶対。

できるかもですが、これこそ過度な期待だなと。

以前はたしかにプレー経験があったっぽいんですが、昨季に関しては流れの中でポジションを埋めたことはあっても事前プランとして初期配置されたことはないと思います。少なくても僕が見た2/3の試合では一切ない

やめてください。

とは言うものの、次項で例外パターンの存在を発するけどw

●期待しちゃうのは

詰まるところ「プレースタイルの発揮=期待」なわけですが、もう少し具体性を持たせたいのが本項。

ⅰ)WBからのバーティカルスイッチ

「ブロゾヴィッチを放出して、フラッテージを獲得した」

この時点で答えは出ていましたが、今季インテルは縦志向を強めています

とはいえ、ただポンと縦に長いのを放るのではなく、短・中距離のパスをどんどん縦や斜めにつけて、特に3-5-2の5の部分の推進力でビルドさせる成分が濃くなったのが個人的PSMのまとめ。

個人的にインパクトがあったのはWBのタスク

より低い位置でのビルドアップ関与が求められ、チームのアクセルとなるような発信が増えた感想を抱きました。

ここ2年行っているPSMの戦術考察記事は今回書けそうにないのですが(ファンカルでリソース枯渇)、仮に記事にするとしたら『5の部分の推進力』は主題に設定するでしょう。

緩和休題。

ビルドアップ関与増が予想される中、モンツァで司令塔型サイドバックを担っていたカルロスのフィットにワクワクするなというのは無理な話。

そろそろスタッツ疲れしたきたので割愛しますが、引き取ってからのキャリーやプログレッシブなパスも特筆すべきでないものの、期待を底上げしてくれる値ではあります。

数字的にはキャリーのが得意そうで、個人的にも納得。

あえて二項対立させると出し手よりも受け手として色がある選手なので、列上げしたり、散らしたりなどの展開力は伸び代としてインテルで成長を見てみたいですね。

ⅱ)ワイルドカード復活

ボール保持のポジショナルな安定はすなわちネガティブトランジション時のリスクマネジメントでもあります。

司令塔型サイドバックは何も攻撃面だけを表現するものではありません。そのスキャニング能力は非保持でも活躍します。

彼の加入とフィットにより、ぜひ『ディマルコの左CBモード』というワイルドカードをリバイバルしたいのが僕の希望。

リスクは孕みますが、ディマルコの「戦術的に戦術を破壊するオフザボール」を最大限引き出すのはやはり左CBスタートがベストだと思うんです。

元々ヴェローナで左CBとして本格的に名前を売った選手。WB起用でもクオリティを発揮できるようになり、幅を広げた今だからこそ見てみたいですね。

もちらん昨季もチラチラッとは発動していますが、シーズン全体の割合を鑑みれば皆無と呼んでいいレベル。

ディマルコ、ひいては左WBに負担をかけますが、劣勢時や1点が欲しい試合終盤などでぜひ復活して欲しいものですが、インテリスタの皆様はどうでしょうか?

以上!

最後までご覧頂きましてありがとうございました🐯

アオアシは本当におすすめなのでぜひ見てね!


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