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【致命的弱点とは】ダヴィデ・フラッテージ雑データ考察

こんにちは!TORAです🐯

今回は、テュラム加入に続く雑データ考察記事の更新!

「インテルの新たな中盤戦士ダヴィデ・フラッテージを(雑に)データ考察してみよう!」をお届けします。

永らくインテルの心臓に君臨していたブロゾヴィッチの代わりとして即座に移籍をディール。

ブロゾ、本当にありがとう

直接的ではなく間接的な代わりと皆さまご存じの通りかと思いますが、具体的にどんなプレーヤーなのか?

特にバレッラと比較されることが多く、国内外問わず「ポジションやタスク被り大丈夫?」との声が散見されますので、そのあたりにも言及したいぜ!ってことで筆を取った次第です。

●レーダーチャート

スタッツサイトFBrefとセリエA公式サイトを参照。

いくつかのスタッツをピックアップ→6項目にグルーピング→レーダーチャートで表してみました。

✓5大リーグの同ポジションと比較して、量が多い・質が高いかを評価
✓50が平均点で、0が少ない・低い。99が多い・高い(100には仕様上ならない)
多い・高い=GOOD!ではないです(超重要)

フラッテージ単体のレーダーチャート

比較対象としてバレッラとムヒタリアンを重ねてみました。

黄色がバレッラ、赤がムヒタリアン

このデータを用いて進行していきます。

繰り返しますが、本記事は”雑データ考察”です。エンタメレベルでご覧ください。

●フィニッシュ

主にゴール数、得点期待値、シュート数、枠内率などで構成されています。
結果は以下の通り。

フラッテージ:94.6
バレッラ:78.9
ムヒタリアン:84.8

フラッテージは特に得点期待値が高く、98と次点でした(100にはならない仕様なので99が最高値)。

バレッラとムヒタリアンも高数値ですが、そもそものチームの火力を忘れてはいけません。

インテルは得点期待値なら今季リーグトップ。サッスオーロはリーグ8位。

このギャップの中でフラッテージはバレムヒを上回ってるわけですから

ⅰ)シュートシーンの質が高い

ⅱ)そもそもシュートの量が多い

つまり、MFながらフィニッシャーだったことが窺えます。

私見ですが、サッカーファンが彼の特性をイメージするときに最も印象強いのがこのアビリティだと考えます。

本項はそれを強く後押しする結果となりましたね。

ちなみにバレッラはゴール数こそ多いものの(それこそフラッテージよりも)、意外と?シュート数や得点期待値が高くなく、項目値をやや落としました。シューターのお膳立ても得意が過ぎることに起因するでしょうね。ゴラッソも多いし笑

●チャンス創出

主にアシスト数、アシスト期待値、シュート創造アクションなどで構成されています。
結果は以下の通り。

フラッテージ:34.0
バレッラ:86.3
ムヒアリアン:56.8

個性というかタスクというか。ギャップが明瞭に現れました。

フラッテージはシュート創造アクション(シュート2つ前までのプレー関与)は59と平均値を上回りましたが、アシスト数とアシスト期待値が低くく、項目値を下げています。

ムヒタリアンも全く同じ傾向で、彼らはフィニッシュのフェーズにおいてはアシストよりも得点に比重があるプレーヤーだと推察できます。

尚、バレッラは「〇〇が低くて、××が高い」という要素はなく、項目値すべてが80前後とフラットでした。

フィニッシュ項目と合わせ、出し手にも受け手にもなれる万能型だということがスタッツにも表れています。

●ポゼッション

主にパス試行数、成功率、プログレッシブ(前進)パスなどで構成されています。
結果は以下の通り。

フラッテージ:27.3
バレッラ:70.2
ムヒタリアン:59.3

バレッラですら項目値70と決して高くない数字ですが、これは手数をかけずに進軍するインテルとサッスオーロの特徴ゆえ。当然、3人がポゼッションやビルドアップができないわけではないのでご注意ください。

サッスオーロというと未だデゼルビ政権のポゼッションサッカーがイメージが強いかもしれませんが、今季のパス総回数はリーグ11位(平均ポゼッション率49.2%)とディオニージ新政権でその傾向はもはや感じられません。

この前提の上でフラッテージのパス試行数をチーム内で比較すると、20試合以上出場した選手の中ではFWピナモンティに次ぐ少なさ

同じくFWポジションのロリエンテやベラルディよりもパスが少なく、中盤ポジションとしては異質と表現していいレベルかと思います。

当然、同ポジションの選手と比べてもパス試行数は異端の少なさでその値は9でした。99の内、たったの9

彼はパス≒ボールタッチを積み重ねてビルドアップをしたり、撤退守備攻略をする選手ではないということが読み取れます。

ディオニージ監督のサッカーはプログレッシブ、縦志向なんですが、彼はそれを体現する中核となる選手だったということでしょう。

インテルのフィットはもちろんですが、サッスオーロが彼を失ってどうサッカーが変化するかも気にかかりますね。

●ドリブル

ドリブル突破試行数、成功率、キャリー試行数、その距離などで構成されています。
結果は以下の通り。

フラッテージ:76.5
バレッラ:85.5
ムヒタリアン:61.1

本項はキャリー(運ぶドリブル)にフォーカスします。

移籍が決まる(濃厚になる)と出回るのが選手のプレー切り抜き画像。

フラッテージもご多分に漏れず、彼の力強いキャリーが集められていました。

もちろんそう見えるように上手いこと切り抜いただけではなく、実際のプレーを見ても彼のスキルであることは間違いと断じますが、僕らのアクセルペダルであるバレッラと比べると”数値上”は低いです。

至極当然チームとしての戦い方も加味してなくてはいけませんが、ここはシンプルに比べる相手が悪いと見ていいです。諸々を考慮しても、バレッラの凄さは際立ちます。

繰り返しますがサッスオーロは縦志向のチーム。

インテルはサッスオーロよりも運ぶドリブルが多いですが、これはそもそものボールタッチ数の多さに起因するもので、割合としてはサッスオーロに軍配が上がります。

すなわち、サッスオーロはボールを所持した際にキャリーを選択することが多めのチームなのですが、実はスタッツを支えているのは最終ラインとマキシム・ロペス。フラッテージはその次に続きます。

対してインテルはチーム内スタッツ上位がバレッラ、チャルハノール。

フラッテージが彼らのように中盤で運ぶシーンを増やせるか。その根幹となれるか。

ムヒタリアンのようにオフザボールで手助けできるか(ムヒタリアンも運べるけど)。

前進するという切り口において、彼がどのタスクをメイン業務として求められているかは注目ですね。

なんだか「フラッテージのドリブルは話題先行で大したことないよ」的な感じに伝わってしまったかもですが、

ⅰ)ブロゾヴィッチを放出して、同ポジションではないフラッテージを取った

ⅱ)つまり、レジスタタスクはチャルハノールはもちろん、アスラニへの期待も窺える

という点に『インテルVer.23-24』が窺えるなと見ていて、それでフラッテージが選ばれたこと自体がもう超評価・超期待。

PSMが始まったら戦術考察を記事にしますが、現在のスカッドを鑑みるに縦方向成分を濃くすることが本命予想かと思いますので楽しみにして頂けると嬉しいです。

●強度

地上戦デュエル、空中戦デュエル、走行距離で構成されています。
結果は以下の通り。

フラッテージ:58.3
バレッラ:62.2
ムヒタリアン:50.7

以前も記載しましたが、大項目を構成する小項目が少ない上、引用元も混ぜ混ぜしているので最も参考になりません。FBrefにプレスが復活すればぁ…

さて、3者の傾向は以下の通り。

フラッテージ:〇地上デュエル、△”3名の中では”走行距離が少ない
バレッラ:◎走行距離
ムヒタリアン:〇走行距離、×空中デュエル

私見ですが、地上デュエルについてはたしかにバレッラよりも量が多いイメージです。あくまでイメージだけど。身体をぶつけることを厭わない選手ですが、今季のイエローカードは4枚とクリーンな荒さであることがイイですね。

がしかし、「積極的なデュエルが空転して簡単に剥がされた!一気に大ピンチに!」という場面がいくつか印象に残っているので、成長というか調整をお願いしたいところ。

また、走行距離も戦術が及ぼす影響は小さくないので、フラッテージもインテルに来たら労働基準監督署に駆け込まれてもおかしくないレベルに走ってくれると思っています。

なので走行距離の少なさは全く心配してないかな。数字の弱さもあくまで"3名の中”ではですしね。

それとムヒタリアンの空中デュエルの少なさはむしろ正です。頭守ってください。ほら、スタッツは量が多い=良い、ではないでしょ?

●ボール奪取

タックル、インターセプト、ブロック、ボールリカバーで構成されています。
結果は以下の通り。

フラッテージ:28.0
バレッラ:29.7
ムヒタリアン:55.1

全体的に低数字ですが、これもチームの戦い方や戦績、タスクなど様々が紐づいています。特にボール非保持系の守備スタッツは数字が高い=良い、低い=悪い、ではありません。何回も言っていますが、これからも何十回も言います。

昨季のサッスオーロとインテルはタックルやインターセプトなど、フィジカルコンタクトを伴うような”THE・対人”の守備が非常に少ないチームです。

分かりやすいのがプレス。仕掛けたとして球際ガツガツ行かず、追い込み漁業で絡め捕るイメージと思って頂けたら。

フラッテージ&バレッラとムヒタリアンの差は「インターセプトの量」が最大理由。

前者2人組は99の内10ほどの数字しかなく、ムヒタリアンは60と平均超えでした。

インターセプトって「パスの中継地点でカットする」的なイメージが強いかもしれませんが、実際の試合ではマーカーの背後から一瞬の駆け引きやフィジカルコンタクトを伴ってボールをカットするプレーが大半を占めます。

「どういうこと?」ってなった方は下記の動画視聴がおすすめです!
少年サッカー指導法:1対1の守備その1:インターセプト - YouTube

判断を誤ったり駆け引きで敗れると裏返りが起きてしまう恐れがあるので、ここはチームとしての量が少ないにも関わらず、個人では量が多いムヒタリアンをべた褒めするのが正しい見方と考えます。

●まとめと雑感

・フィニッシュ
フラッテージ:フィニッシュの出口(シューター)
バレッラ:ゴラッソ成分多め、そもそもお膳立ての側面も強い
ムヒタリアン:全体的に高次元でバランスが取れている

・チャンス創造
フラッテージ:直接・間接アシストともに少なめ、特に前者
バレッラ:直接・間接アシストともに高次元
ムヒタリアン:直接アシストが弱め

・ポゼッション
フラッテージ:驚愕的なパス試行数の少なさ
バレッラ:パス試行数や成功率は平均値だが、ボール前進パスの回数は突出
ムヒタリアン:パス試行数は平均以下だが、他が高数値

・ドリブル
フラッテージ:運ぶドリブルに優れる、突破も平均以上
バレッラ:運ぶドリブルに超優れる、突破も平均以上
ムヒタリアン:運ぶドリブルに優れるが、2人ほどではない。また、突破が少ない

・プレー強度
フラッテージ:地上デュエルに優れる、走行距離が2人に比べると弱い
バレッラ:抜群の走行距離
ムヒタリアン:走行距離に優れる、空中デュエルが弱い

・ボール奪回
フラッテージ:チームの戦い方を鑑みたらタックル超多い
バレッラ:チームの戦い方を鑑みたらタックル多い
ムヒタリアン:チームの戦い方を鑑みたらタックル多いし、インターセプトの量が異常

レーダーチャートと簡易まとめだととりとめのない感じに見えますが、フラッテージのことをインテル選手でタスク被りを心配するならムヒタリアンでしょうね。

使う側ではなく使われる側
いつの日か人類は皆使われる側になるのかもしれない

あえて二元論的な感じで分け分けするならこう表現すべきと考えます。

もっと言えば、ガリアルディーニ。つまり、インクルソーレ(襲撃者)

ガリアルディーニはPA内やデコイランで空いたスペースの侵入でフィニッシュに絡むのは上手でしたが、(インテルでは)致命的な発信力・展開力のなさが重い足かせとなっていました。

ムヒタリアンも特性的にはインクルソーレですが、ご存じの通り展開力も兼ね備えますし、それ以上に”ボールを持っていないことでの展開力”が抜群です。

フラッテージがこれに成れるか否かが彼がポジションを掴む上での課題でしょうか。今だとゴリッゴリの襲撃者タイプだと思うので笑

ただ、先に挙げたようにチームの縦成分が増して、ゴリッゴリの襲撃者タイプだからこそそのままカチッとハマる世界線も存在すると思います。

ルカクに放って、落として、バレッラが馬力全開で拾って、左に展開して、ディマルコがジャストなマイナスクロス、に飛び込むフラッテージ。

嗚呼、妄想が進む。PSM楽しみですね。


さて、最後に。

手厳しいことを言いますよ。

しっかりと批判をすることもファンの愛なのだ。

フラッテージにはたった一点。

ほぼ全員が同調してくれるだろう致命的弱点があります。

曖昧にせず、しっかりと指摘し、改善を促すことを記事の結びとします。

ズバリ、フラッテージは守備がダメダメ。やらかしたもん。

具体的に何のやらかしかというと、フラッテージのフラッテージのCiao

Italy international Frattesi claims he's 'hacked' after naked selfie - Football Italia (football-italia.net)

己の己も守れない漢がマン・シティをも苦しめた我らが撤退守備の一員になれますでしょうか。

ネラッズーリならば守って当然。むしろスクデット奪還や最高峰の舞台へただいまする為には攻撃に転ずることが求められます。

『破壊的攻撃の、創造。』

頑張って、フラッテージ🐘

最後までご覧いただきましてありがとうございました🐯
皆さん、携帯電話のハッキングには気を付けましょう(ホントかよ)。

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