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【トランスフォーマー】セリエA 23-24 第15節インテルvsウディネーゼ レビュー

こんにちは!TORAです🐯

今回はセリエA第15節インテルvsウディネーゼのレビューです。


●スターティング

●前半-クロス包囲網

試合はセットした守備から始めるウディネーゼをインテルがひたすら攻略する構図。これが終始リプレイされます。

どちらが押し込んでいるか?を可視化したデータ。Sofascoreを引用

ウディネーゼの前線、ロベルト・ペレイラとルッカは低めの位置で中央封鎖を貫きます。インテルの3バックいずれもボール持ってどうぞ!スタイル。

ペレイラが主にチャルハノールを見る、ペレイラが他に出ていった際はルッカが付く、が基本的なムーブですが、とはいえ「チャルハノールがサイドに流れたり、最終ラインに降りたりした際はしつこく追わず、中央封鎖に徹する」が大原則。

ウディネーゼの守備スタンス

中央を閉じて外巡回を促すを徹底、が守備スタンスでした。

リーグトップとなる試行数を誇る(誇る?)インテルのクロスをあえて誘発させる。必然、両CBの攻撃参加が促されるので、その裏をカウンターで蜂の一刺し。

これがチョッフィ監督の狙いだったと考察します。

特に前者、クロスをあえて誘発させるという企図は、対インテルで勝点を得るためのスペシャルメニューだったんじゃないかな?

ポイントは2点。

ⅰ)最終ラインがしっかり絞ってPA内を守る上、アンカーのワラセが6人目

ⅱ)特に火力があるポケットを抉ってのマイナスクロスには斜めのラインで面を作り、コースを切る

2つのポイント

クロスを送る過程を封じるのではなく、受け手へのコースを防ぐことで水際で守る抜くが考え方。

ブロックを構築する誰かを釣ったり、同レーンに増兵してマークを乱したり、関係性優位で連携突破したり。インテルのあの手この手の攻略に振り回されたら、どこかで被弾してしまう。

ならば、そこはもうある程度目を瞑るから、その分、最後のパスを遮断することに注力するよ!がウディネーゼの設定と見ました。

●前半-解答は”普通に”

インテルは真っ向勝負で誘いに乗りクロスをどんどん送りますが、ウディネーゼの目論見通り、最後のところでカットされます。

前半のポゼッションは76%を記録。所謂”ボールを持たされる”展開ではなく、ボールも主導権も握るワンサイドゲームなのにネットを揺らすことだけが足りず、チョッフィ監督の青写真通り…になるかと思いましたが、誤算もまた2点ありました。

ⅰ)連打を許しすぎた
水際でシャットアウトするのが目的とはいえ、流石にここまで連打を浴びるとは想定外だったのではないでしょうか。

保持の質はトランジションの質に紐づきます。ボールを失っても即時奪回で「ずっと俺のターン」を実現したホームチーム。息継ぎの暇がなかったアウェイチームは消耗激しかったでしょう。

さらに言えばビセック

今季新加入の有望株ですが、リーグ戦においてはまだ14分しか出場がありません。

台所事情が厳しいインテルの不安材料と言わざるを得ず、監督が田岡さんであればドヤ顔で語り、狙いに行くポイント。

しかし、今日のビセックはXでトレンド入りを果たすほど、ファン絶賛のパフォーマンス

剥がせる、運べる、縦にバシッと付けれるといういつもの”らしさ”はもちろんのこと、今日はバレッラを走らせるパスを放るなど、黒青式CBとしてもう一歩先へ進めた点が花丸ですね。花丸。

良かったからこそ欲も出てしまうもので、奥まで進んだ際に迷ってしまうシーンが何度かあったのでここでも臆せず、個性を発揮して欲しいと付け加えておきます。

ⅱ)前半段階でインテルが”普通に”アジャストした
完勝の最大要因はココと考えます。

ウディネーゼの守備設計に対し、インテルの選手たちはHTの前に気づいて、自分達で”普通に”アジャスト。

前半20分過ぎから大外から中央への横断パスやミドルシュートが増えると、その後はクロスをPA内に送ると見せかけバイタルへ折り返すのが散見。

クロスをちらつかせながら、他で切って落とすような変化を見せます。

テュラムが決めた3点目は正にクロスを囮にしたバイタルへの折り返しがゴールへ昇華した案件。

白星に限りなく近づく一撃、という意味合いだけでなく、チョッフィ監督が出した問題に対して解答を突きつける意味も内包した、会心の一撃でした。

●雑感-素晴らしいコラボに

後半はレビューするまでもありませんね。

出力を落とし省エネモードに入るインテル。

反撃できず15分を過ぎた時点で右サイドのサマルジッチとエボセレ、つまり今季の象徴コンビを交代させたウディネーゼ。

両監督とも”次を見据えた”ことで試合は閉幕。

アンコールでもう一幕上がったところで、一人ゴラッソを沈めたラウティは文字通りの『主役』でしたね。

トランスフォーマーの映画シリーズがスポンサーである『パラマウントプラス』にて公開されることを記念に特別ユニフォームでプレーした本節。

多彩な殴り方を装備しており、試合中に柔軟に変更できる。

多彩なキャラクターが登場し、ロボットから乗り物や動物に変形するトランスフォーマーと通じるものがあり、上辺だけでない素晴らしいコラボレーションとなったのではないでしょうか。

さて、次戦はCLグループステージ最終節。

レアル・ソシエダとの初戦がドローで、得失点差に劣るインテルは勝利しかありません。勝点0も1も等しく無価値。

そしてリーグ次節はラツィオ戦。後半に省エネできたとはいえ、勝利マストなCLを経ての厄介な一戦。

肉薄する2位ユヴェントスはミッドウィークなしでジェノア戦に望みますが、だからこそ、ここはいつも以上に落としたくないですね。

「彼らは欧州の舞台がないからしょうがない」に逃げては、昨季CLファイナルの悔しさブーストが薄れてしまうと思うので、ここは貪欲であり続け、結果も掴んで欲しい。

それこそ主役ラウタロ・マルティネスの4点目のように。 

●12/11追記:ビセックの印象的なスタッツ

センセーショナルだったビセック。

せっかくなのでもう少し誉めちゃいます。印象的なスタッツをご紹介。

①パス総回数:114回(両チームトップ)
②パス成功率:94.7%(ショート&ロングパスは100%)
③ゴール方向への前進パス:16回(バレッラと並び、両チームトップタイ)
④ファイナルサードへのパス:10回(バレッラと並び、両チームトップタイ)
⑤ゴール方向への前進キャリー:6回(両チームトップ)

※以降、③と⑤はプログレッシブパス、キャリーと表記します。

FBrefを参照

「パス総回数が多くて、パス成功率も高い」。

一見ポジティブに見えますが、これが必ずしも正と限らないのはインテリスタの方はよくご存じかと思います。

ですが、本節のビセックは良

安全第一なパスだけでなく、バーティカルなパスを僕らの前進隊長バレッラに並ぶほど出している上、バーティカルな運びの旗印となりました。

というか、プログレッシブパス16回はクリティカルな値

現在リーグトップを走るバレッラが平均10.3回と記せば凄さが伝わるでしょうか(これまでトップはずっとルイス・アルベルトでしたが、ユヴェントス戦や本節などボール持つ試合が続いたので抜きました)。

尚、これは他意しかありませんが、PSGのCB陣のパス回数がとんでもなく多いと話題になり、記事で取り上げられたりもしていますね。

FBrefによると、スロバキア人の方は14節時点でリーグ平均97.9回を記録。値の多さとしては確かにとんでもないです。しかも、パス成功率は95.4%でチームトップ

が、ファイナルサードへのパスは平均3.36回。プログレッシブパスは2.8回です。プログレッシブなキャリー?平均0.08回です。

繰り返しますが、本節のビセックはプログレッシブパスは16回、キャリーは6回です。

※PSGを貶めるつもりはないので念の為記載しますが、相方のマルキーニョスはこの辺のスタッツも稼いでいます。

PSGはビルドアップの際に3バック化してこの人が真ん中配置となることがあるので右CBのみ(しかも1試合のスタッツでw)と比べるフェアではありませんが、とはいえ、右にいたとてさほど変わらないのはこれまたインテリスタの方はよくご存じでしょう。

息災で何よりです。

以上!

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