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【イケイケvsゴリゴリ】セリエA20-21 第4節 インテル−ミラン マッチプレビュー

イケイケvsゴリゴリ
センスのかけらもないキャッチコピーだが、現在の両チームを一言で表すならこれがジャストだ。

こんにちは!TORAです🐯

今回は10/17(日本時間10/18 1:00KO)に控えるインテル−ミラン、ミラノダービーのプレビューです。

今季のプレビューはTwitterで細々としてきましたが、今回はミラノの両雄が激突するダービー!ということでnoteでお届けいたします。

●想定されるスタメン一例

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両チームともにCovid-19陽性者、負傷離脱、サスペンションが合わさり、欠場者多数の予想です。
不確定な要素も少なくないので、スタメン予想はいつも以上に難しいですね。

●内容

今回は各チームのインプレッション(筆者は両チームとも3節分、全て観戦済み。ミランはリオ・アヴェ戦も)に加え、3節時点のスタッツベースから

【両チームのボール保持とボール非保持の特徴】

【TORAが思う見どころ】

の2本柱でプレビューを進行いたします。

データはFBref.comSofaScoreを参照しております。
尚、i)3節終了時点の分母が少ないデータ、ⅱ)1試合未消化のチームがある(ユヴェントス、ナポリ、トリノ、ジェノア)。
以上の点に留意してご覧頂けますようお願いいたします。

●インテルボール保持-イケイケな5レーン占有

✔昨季の中盤空洞化はどこへ?今季はボールを握って崩すスタイルに。

ミドル(5ヤード以上25ヤード以下)・ロング(25ヤード以上)のパスアテンプト(試みた回数)リーグ1位。それに伴い、トータルのパスアテンプトも1位となる回数。成功率も非常に良い。

✔この長短のパスワークにフレキシブルなポジションチェンジや後方の攻撃参加が加わり、ポジショナルに5レーンを占有してイケイケにゴールを目指す。

xG(ゴール期待値)はリーグ1位の数値。
アタランタよりもゴール数そのものは少ないですが、組織的な攻撃+チャンスの質はインテルが上回っているデータです。

✔WBを昨季よりも高めに押し上げ、ビルドアップだけでなくフィニッシャーとしてのタスクも与える。

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✔左のビルドアップに課題あり(今は問題視してない?)。ペリシッチが大外に張りがちで上述のフレキシブルさが生まれにくい。

●インテルボール非保持-ハイプレスが肝

✔ボール保持同様、昨季と大きな変化。今季はハイプレスの頻度が大幅に増加した。敵陣でのボール奪回を狙う、やはりイケイケなスタイル。

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ハイプレスアテンプトはリーグ2位の回数。

✔しかし、ミドルプレスとロープレスのアテンプトがいまいちでハイプレスとバランスが取れていない。ミドルサード以下の圧が弱い=うまく撤退できていない?

✔加えてデュエルの成功数も低い。上述の”ミドルサード以下の圧の弱さ”を後押しするデータか?

デュエル成功数はリーグで下から数えた方が早い。

●ミランボール保持-推進力全開のコンビネーション

✔︎CBとDHの多角形を核に、全体を徐々に押し上げそこからサイドやインサイドに展開。推進力全開の細かいコンビネーションプレーで一気に縦、斜めに運んでくのがメインウェポン。

ショートパス(5ヤード以下のパス)はリーグ1位の回数。ここに起因しているのでしょう。

✔︎SHが絞って中央レーンに数的優位を作ったり、サイドチェンジもあったり。と、オプションも確立されている。

✔︎どの形にしても崩しのスイッチの入れ方が見事。ゆえ、ONになったら非常にスピーディー。

その分、ロストもやや多め。良くも悪くも”勢い”で押し切るようなイメージ。

✔︎後方からのロング1発構成もあるが、(イブラがいても)破壊力はなさそう。ミランの攻撃に迫力が生まれるのは押し上げてSBが高い位置を取ってこそ。

●ミランボール非保持-ゴリゴリのプレッシング

✔︎セリエA屈指のプレッシング型。ハイプレスとミドルプレスを併用する。

プレス成功数はリーグ1位。アテンプトの回数も加味すると〝歩留まり”良いです。

✔︎地上・空中どちらのデュエルも強く、人に対してかなりハードにアプローチする。

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総デュエル成功数はリーグ1位の回数。ゴリッゴリ!

✔︎組織守備への移行も◎。CBとDHの予防的マーキング・カバーリングがしっかりしていて時間と空間の潰しが上手い。周囲がその間に撤退してセットできる。インテル見習ってほしいぜ!笑

✔︎ただ、守備における水際のプレーがやや多い点と被ドリブル突破に弱いデータが気になるところ。

昨季のインテルのウィークポイントにそっくり!

●見どころ-インテル、狂気を貫けるか?

代表ウィークとCovid-19のダブルパンチで全体揃っての練習日が1日しかない!と報道されるインテルにとって、被カウンター対応のブラッシュアップなど不可能に近いでしょう。

であれば、某雑誌をして”狂気”と表現された今季の攻撃力を存分に発揮するしかありません。殴り合い上等!

その対戦相手であるミランは同じ街のライバルチーム!ということだけでなく、そのチームスタイル的にもインテルにとって大一番です。

「今季志向している”よりモダンなポジショナルな攻撃”が、ゴリッゴリに守ってくるチーム相手に通じるか?」

は、今後を占う上で重要なファクトになるでしょう。特にポイントになるのはトップ下とWBと見ています。

インテルは3-4-1-2の1はもうトップ下という表現をしない方がいいかも。これに関して、別記事でネタにしようか検討中です。

馬力と運動量のあるバレッラ、圧倒的な攻撃性能を誇るハキミ、深い位置での1対1が脅威のペリシッチを対面のチャルハノール、テオ、カラブリアが抑えきれるかは見どころ。

彼らを押し込んでピン留めさせればミランのボール保持は確実に着火しづらくなり、結果インテルのボール非保持が安定すると考えています。

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特にペリシッチには期待しています。今度こそ…!
ミラニスタの方に怒られそうですが、僕はカラブリアのウィークポイントは、ⅰ)正対の1対1でポカしがちな点(基本は悪くない)、ⅱ)ポジショニング、という勝手な思い込みがありまして…
ペリシッチは割と相性が良い相手なのでは?という淡い期待があります。

尚、上述のトップ下とWBの脅威はトランジションが起きればそのままひっくり返ります。まさにコインの裏表関係。

個人的に最も抑えたいのはチャルハノール。
彼はCBとDHの押し上げに連動してインサイドやサイドに膨らみ、崩しの入口-真ん中-出口全てのタスクを担える優秀なマルチプレイヤーです。

僕は彼こそミランにおいて真の戦術の要という印象を持っています。
インテルはこのポジションにエリクセン先発を予想するメディアもありますが、個人的にはこの点からプレー強度の高いバレッラが選ばれるんじゃないかなぁって予想してます。というかそうして欲しいです。笑

また、ミランSBとインテルWBの攻防も当然注目しなければいけません。

テオvsハキミは次代のトッププレイヤーを争う激アツのマッチアップですが、個人的にはカラブリア(+サレマーカーズ)にフォーカスを当ててます。

というのも、インテルの左はペリシッチが個人守備性能。ブロゾヴィッチ、コラロフが走力。
と、それぞれの懸念事項があって、かつそれがミランのスピーディーな攻撃と相性が悪いんですよね…
またこちら側にビルドアップの要であるベナセルが位置することが多いでしょうし…嗚呼、ここは本当に不安が大きいです。。

ロングカウンターの恐怖とリスクはもちろんありますが上述の通り、ミランの攻撃に迫力があるのはSBが上がってこそ。
その為にもやはりインテルはとことん殴ってやるぜ!的な戦い方が、実は賢い気がしています。今回はね。

●見どころ-ミランのプレッシング、その意図は?

ミランの見どころはズバリ、プレッシングにおける意図や狙いだと思っています。

ハイプレス重視であれば、間違いなくがっぷり四つの真っ向勝負になるでしょう。オープンな展開が増えてエンタメ性の高い内容になりそう。
この場合、分はインテルにあるのでは?と思っています。理由はミランのファーストプレス隊。

トップのイブラヒモヴィッチは休んだことで新鮮さをキープしているとの見方が強いですが、ダービー後にELセルティック戦、ローマ戦と続く中、代役不在の彼の運動量はいつもより天井が低いと睨んでます。

しかし、それ以上に守備面において重めのタスクを背負えるレビッチが間に合わなそうな点。これが大きい。

代わりに出場するであろうレオンやブラヒム・ディアスは守備面で彼の代わりを務めるのは無理と断じていいでしょう。

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この強度の低下は、今のイケイケインテルの追い風になるのでは?と妄想しています。不幸中の幸いか、今回の3CBは皆、ポゼッションに固有性がありますしね。

一方、ミドルプレス重視なら、分はミランかな、と。

上述の通りインテルは左のビルドアップが絶賛、機能不全中。これにミランのプレッシング強度とカウンターの鋭さが合わさると、最悪前回のミラノダービー前半の再現もあり得ます。

ただ、インテルからすればミドルサード以降の対組織的守備はプレッシングよりもゾーンでじわじわの方が嫌な印象を受けるのでどう転ぶかは分からないですけどね。

とまぁ便宜上、極端にパキッと分けましたが、当然、実際はシーンに合わせての併用です。

ですが、良くも悪くもやることが限られているとインテルに対し、ミランは比較的リアクティブな対応ができるだろうな、と思っていて。
そのスタンスは?その意図は?という含蓄は展開を左右すると思っているのでリアルタイムではここをしっかり考察していきたいところ。

ちなみにインテル側からしても、ボール奪回後のカウンターはチャンスです。
ミランはそのスタイルゆえに両SB裏をとことん狙われますからね。

ただ、ミランはこの被カウンターの形にはもはや良い意味での「慣れ」を感じます。特にケシエは守備範囲が広く、かつ予防措置が上手い。
加えて、インテルはボール奪回後、カウンターよりもポゼッション構築に重きを置いている印象なので「あんまり期待しない方がいいよ!」というのが率直な意見ですね。笑

以上です。

重複になりますが今回のダービーは両チーム欠場者が多く、ベストからは程遠いものになってしまうでしょう。

ただ、それもチームの実力ですし、なによりサポーターとしては試合が開催される以上は全力で応援するしかないですよね!

素晴らしいダービーになることを祈って。
FORZA INTER!!⚫️🔵

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