見出し画像

就学義務違反

就学義務違反とは

インターを検討している日本人(日本国籍)のお父さん・お母さんをためらわせる要因の一つにこの「就学義務違反」があると思います。私もまぎれもなくその一人でした、というより現在進行形で「です」。このおどろおどろしい響き…えっ!?住民税も所得税も払ってますよ?会社員ですけど、ほんと死に物狂いで働いていますよ?小学校で習った日本国民の三大義務:『納税の義務』『勤労の義務』『教育の義務』、果たしていますよ?あ、そうだった、『教育の義務』は果たしていませんでしたね、ワタシタチ…?えっ?そうなの??子どもに教育は受けさせてるけれども??

既にこの「茨の道」(?)なのか「踏み絵」(?)を通った先輩方がインターネット上に体験談を書いて下さっており、私も戦々恐々としながら、つい先日この「就学義務違反」の親になるという門戸をくぐりましたので、ご報告で~す💛(こんな軽いノリの話ではないけれど、こうでもしないとやっていけない)

就学時健康診断

子どもが日本の小学校に入学する年齢、即ち6歳になる年の秋~冬にかけて、住んでいる自治体から「就学時健康診断」の手紙が届きます。学区の小学校で、その年に入学する児童全員を集めて身体検査をし、体操着や算数セット(算数セットについてはエガちゃん並みに物申したい事ありますのでまた後日別チャプターで筆を執ります)だのの購入や学校の説明会が行われます。

うちはもうインターに行かせている訳だし、そのままインターの小学校に親子共々上がるつもりでいるので本当はこの就学時健康診断に行かなくても良いのですが、そこはザ・昭和の男の夫が「一応行った方が良い」と言うので(この一応の意味がわからんけど)、しぶしぶ、そして結局、私が仕事を中抜けしておチビを連れて学区の小学校へ行って来ました、あたかもその小学校に進学するかのような体で…。

おそらく市の教育委員会の方々と、その学校の先生方が、本当に優しく出迎えて下さって、内科検診やら視力検査、歯の検査なんかを受け、その後子どもだけ別室へ呼ばれ、先生と1on1で何か話して来て健康診断そのものは終了。おチビ情報なのでわたあめ並みにフワフワしているけれど、その子どもと先生の1on1はどうやら、「お名前は?」「何が好き?」みたいな質問をされて、ちゃんと答えられるかを見ている模様。若干発達障害の疑いをかけられていたので、少し心配しながら待っていたけれど、すごいスピードで走って戻ってきました。

その後、学用品の説明や購入しなければいけない品物のリスト、給食費の振込先なんかが書いてある紙がたくさん入った封筒を渡されて終了。もちろん学校側は、就学時健康診断に来ているのだから、うちのおチビは進学してくる想定でしっかり名簿にチェックをしています。

「実は…インターナショナルスクールに進学させようと思っています」

しっかり必要書類も持って帰って来ちゃって、名簿にはしっかり進学してくる子としてチェックされちゃって、1人とは言え学校もクラス分けとかそういうのが陰で始まっちゃって…行かないのなら、早く言わねば…とソワソワする私を横目に、「就学時健診に一応行け」と言った夫は特に変わった様子もなく普通に歯を磨いている…。えっ!?そんな日常過ごせるの??といつもながらの温度差を50℃くらい感じます。

私:「そろそろ学校に言った方が良いと思うんだよね、行かないこと。」
夫:「入学式だけ出て、その翌日から行かないってのはどう?」
私:「斬新すぎる…。確かにそうだけど、人としてどうなんかな、それ?」
夫:「そやな…」

そして、私就学時健診に連れて行ったんだから、あなた学校に連絡してよ!と、責任の一翼を担わせるために、夫が学校に電話。どうやら、市の教育委員会に電話をするのではなく、学区の学校にもうそういう取りまとめ権限が下りているようで、電話で連絡。校長先生に話すのかな、と思っていたら、教頭先生が対応して下さいました。

夫:「あの、先日就学時健康診断に行ったのですが、家族で話し合った結果、子どもをインターナショナルスクールに行かせることにしようと思うのです。」
教:「そうですか。分かりました。では1年間は名簿にお名前が載りますが、それ以降は非在籍ということになります。」
夫:「何か罰則はあるのですか?」
教:「いや、特にないです。」
夫:「もし万が一ですが、子どもが、例えば2年生とか3年生でインターを辞めて日本の公立小学校に入りたいと言った場合、入れるのでしょうか?」
教:「私たち公立小学校は、義務教育ですから、学区のその学齢の児童を全員受け入れなければならないということになっています。」
夫:「ということは、入れるということですね?」
教:「先程申しました通り、私たちは学区にいる子どもたちを基本的に全員受け入れるということになっています。」

歯切れの悪い回答だが、どうやら大丈夫らしい。

これはおそらく、市町村と、学区の学校の校長先生に大きく依存するのだと思うけれど、ひとまずうちの場合は…
①インターに行かせることでOKとなった。

②学校や市町村から、特にお咎めはなかった。

③「就学義務違反」についてなど、お叱りを受けることもなかった。

④ただ、例えばインターの夏休み(一般的に6月末~8月中下旬まで)の間に学区の小学校に一時期だけ通うということは、純ジャパでインターに通っている子どもは、うちの市町村では一律認めていないと言われた。(認めている市町村もあるし、また二重国籍の子どもや外国籍の子ども、はたまた親の都合で海外に住んでいるいわゆる帰国子女になる子どもは通えるみたい。)

⑤学校内の敷地にある学童は、この学校に通っている児童のものなので、他校に通っている子はNG。

思い返せば、私のはとこもインターに行ってたし?

就学義務違反についてとやかく言われなくて一安心。そういえば、私のはとこ2人も小学校から高校までインターに行ってたわ(思い出すのが遅い)。はとこもいわゆる純ジャパで、それこそ私と同い年くらいだから今30~40代なわけで、小学校入学時って言うと25年以上も前の話。はとこのお父さん・お母さんが市町村からお咎めを受けたかどうかは分からないけれど、事実として日本で、小学校から高校までインターを卒業した人というのがまぎれもなく(今ほど多い割合でないにしろ)存在するわけなんだから、絶対NGってことはないはずなんだよね。今思えば、私も戦々恐々と就学時健診に臨む必要なかったのかも…いや、後の祭りかな?

ただ、同じインターの同級生で、時を同じくしてこのプロセスを通ったお母さんに聞いたところ、学校の対応がめちゃくちゃ感じ悪くて、「そんな学校こちらから願い下げです!」と言ってやったわ!と言っていたし、都内のあるインターに通わせるお母さんは区役所から電話がかかってきて「就学義務違反になるということがどういうことかわかっていますか?」と説教を受けたと言っていたし、「一筆書かされた」という声も聞くし(この一筆って日本好きよね~)、本当まちまちなのだなとも思います。

うちみたいなパターンだけでなく、不登校の子どものお父さん・お母さんももし「就学義務違反」を言われてしまったら辛いよなぁ…。学校に行けるのならとっくに行ってるっつうの!って言いたいと思う。だからさ、やっぱりさ、「学校に全員何が何でも行かせる」ということがもう制度疲労を起こしているよね。学校が合わない子も絶対いると思うし、私もそうだったけれど、学校でいじめに遭って行きたくても行けない子だって絶対いるわけだから、ホームスクーリングとかさ、とにかくどんな形でも「親は子どもに学齢に応じた教育を受けさせる」ということを『教育の義務』にすればいいのにね、と強く思うです。最近は、不登校の子を無理やり学校に行かせるという方針ではなくなってきているようなので(まだ違うところもあると思うけれど)、少し良い方向に向いてきていると願うばかりです。

現時点で「最終学歴:なし」になったおチビ

私が愛して止まないm-flo、おチビにはVerbalさんのように知的でヒップになって欲しいと勝手に密かに思っているわけなのですが、尊敬するtak takahashiさんがインタビューで語っていた通り、うちのおチビに関しては、幼稚園も年中で退園してインターに移ったので、今のところ最終学歴:なし、となってしまいました。ごめんね、おチビ…。

でも、今もこれからも時代が変わって、日本の小学校卒業資格がなくても受け入れてくれる学校は既にあるし、何なら学校だけが教育の選択肢じゃないし、海外もあるし(お金はないけど)、何とかなると信じています。

日本の学歴を積みにくくなる可能性

ただ、最初に戻ると、この「就学義務違反」に起因する、いわゆる日本の学歴を積みにくくなるというところも、親御さんが子どもをインターに行かせることへのストッパーになるなぁと思います。私もおチビも、ストッパーを軽々超えられるように、今から筋トレするしかないっす!




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?