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「木原誠二事件」、担当元刑事(佐藤誠氏)が検察に陳述書を提出~なぜ安田種雄さん遺族と弁護士は回り道ばかりしてきたのか?


【画像① 我が子を抱く安田種雄さん(当時、26歳)の眼のかがやき~かつて”ヤンチャ”でならした青年も父となり、人生のあらたなステージに進んでいく矢先の変死だった。】



◆本日(3月7日)発売『週刊文春』で「木原事件元取調官が検察に出した陳述書の中身」を掲載


『週刊文春』(2024年3月14日号)に久方ぶりに「木原誠二事件」関連記事が掲載された。「『明らかに他殺』 木原事件元取調官が検察に出した陳述書の中身」とのタイトルのもので、小記事を集めたコーナーにひっそりページを占めていた。


「実際に事件を手がけた刑事が供述することが一番いい方法ですから」と、記事冒頭で述べているのは、元警視庁捜査一課殺人犯捜査第一係刑事(警部補)の佐藤誠氏(64)。2006年4月に起きた木原誠二前官房副長官の妻X子の元夫・安田種雄さんの変死事件(大塚警察署は事件直後「自殺事件」と見なしたが、事件を送検していなかった)について2018年に再捜査が実施された際の担当捜査官だ。


詳しくは、『週刊文春』当該号記事、あるいはより詳細な内容が含まれるオンライン版(週刊文春 電子版)記事「《「木原事件」に新展開》佐藤誠・元取調官が検察に『陳述書』を提出!〈誰一人として「自殺」などと考える者はいなかった〉」(有料記事)をお読みいただきたい。本稿では、これら2つの記事の最小限の内容をお伝えしながら、その意味について考察を示してみたい。



(参考映像)「【木原事件】 佐藤誠氏・検察に陳述書提出、札幌すすきの首切断事件」2024/3/6 篠原由佳ch ※『文春』記事概要紹介、考察など

https://www.youtube.com/live/uH4HZBGKiIc?si=6bR20FSUh6Q953mr




【画像② 『週刊文春』(3月14日号)掲載の記事タイトル。雑誌版は「小記事」の扱いだが、オンライン版では「スクープ記事」として大きな扱いとなっている。『文春』の看板雑誌で発行数70万部(公称)の方ではなく、読者が限られているオンライン版の方により詳細な記事を載せたのは、どういう意図があったのだろうか。】 



◆「遺族の要請があれば、陳述書を作成し”真実”を明らかにするつもりだった」~遺族の要請はなかった?


記事の中で、筆者が看過できなかった佐藤氏の言葉がある。



「昨年7月に記者会見を行った時から、種雄君の御遺族の要請があれば、陳述書を作成し、自分が経験した”真実”を明らかにするつもりでした」


この部分を読んで、筆者も参加した記者会見を思い出したが、この時、会見直後に佐藤氏は安田種雄さんの遺族と面会していたはずだ(当日、司会を務めた『文春』記者から「この後、佐藤さんは遺族と面会されます」と参加者に紹介があった)。既にこの時から、自分の持っている情報が事件が少なくとも検察段階で見直されるかどうかについて、重要な意義を有すると佐藤氏が判断していたことがこの言葉には示されている。しかし、この7月の佐藤氏との面談の後、遺族がとった行動は「自殺扱い」で事件を片付けようとしていた警察側(警視庁大塚署)に再捜査要請をしたり、あらためて容疑者不詳のまま刑事告訴を行っている。


筆者や検察官出身の村上康聡弁護士は、遺族がやるべきこととして「佐藤誠元刑事に陳述書を書いてもらい、検察庁に提出すること」を繰り返し提言していたのだが、その後、遺族側(種雄さん母)から接触はあったもののとうとうそうした動きは一切行わなかった。結局、遺族側の刑事告訴に対して大塚署は「事件性なし」という結論の報告書を証拠資料と共に検察送致してしまった。警察としては、「事件は解決」という態度を打ち出したわけだが、もともと警察がズルズル結論を引き延ばしながら「自殺」で「事件性なし」の結論に持っていこうという作為を問題にしているのに、その上級で捜査指揮をとる権限を持つ検察庁ではなく、警察署に一種の「お願い」ベースで働きかけをするという”回り道”をなぜ、遺族がするのか不可解きわまるものだった。


3月5日に佐藤氏が自ら検察庁に陳述書を提出したことは、こうした煮え切らない遺族(及び担当弁護士)の態度に業を煮やして、という印象を感じずにはいられなかった。このタイミングは、まさに村上弁護士も「人事異動などから考えると期限」といえる日ということも、佐藤氏の意思を感じさせるものだった。



(参考映像)「【木原誠二事件】 元検事・村上康聡弁護士 警察が刑事告訴受理・遺族の思いを実現するため今、できること、すべきことは?」2023/11/6 古是三春_篠原常一郎

https://www.youtube.com/live/C8NIAiSTFnY?si=1_kMSNSdM2DkFOw0




【画像③ 安田種雄さん変死事件の重要参考人であるX子氏を与党国会議員という権力者の立場で庇い、捜査を妨害した疑惑の持たれている木原誠二前官房副長官は、平然と岸田文雄首相側近としてふるまい、公の場に出てきている。】


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