いまだ尾を引く故・ジャニー喜多川氏「性加害問題」、揺れるジャニーズ事務所の今後の打開策が国民注視の”政治問題”に！？

【画像①　ジャニタレ・ブームの先兵として一世を風靡した少年隊。しかし、メンバーだった東山氏は、まさか自分が”恩師”ジャニー喜多川氏の置き土産である「性加害問題」を清算するための会社解体を担う社長になるとは想像すらしていなかっただろう。】

◆読売新聞・NNN世論調査（１０月）に「ジャニーズ事務所対応の是非」が登場

BBCによる報道に端を発して、いまや国民的な関心事の上位にあがる故・ジャニー喜多川元社長によるジャニーズ事務所タレントへの「性加害問題」。ジャニーズ事務所は記者会見を開催後、対応を二転三転させながら、親族社長だった藤島ジュリー景子氏（５７）が辞任を余儀なくされ、現在は同事務所の古参タレント（少年隊元メンバー）だった東山紀之氏（５７）が社長に就任し、「性加害」被害者への補償問題、会社の解体・再編の中心に座って取り組んでいる。

【画像②　ジャニーズ事務所創設者、ジャニー喜多川氏。比類なき才能、能力の持ち主であったことは間違いないが、とんだ”遺産”を残したものである。】

しかし、繰り返された記者会見（直近では１０月２日）では、数十年にわたる「加害」、被害者の拡大が止まらず、マスコミ報道も事実上抑えられていた問題への解明がなされず、しがらみのないフリー記者たちの追及に東山氏らジャニーズ経営陣は振り回される状況だった。国民の関心も広まっており、事態の解明と再発防止策の確定、補償の確実な実施の方向性を示せない限り、この問題の幕は下せない状況が続く。

国民の関心の高まりを反映して、通常は現政権の政策に対する賛否や内閣支持率、政党支持率とその理由などを中心に実施される世論調査でもジャニーズ事務所の対応の是非について問う設問がされている。読売新聞とNNNが１０月１３～１４にかけて実施した世論調査だが、次のような設問がされてそれに対する回答状況は次のようになっている。

＜設問＞ジャニーズ事務所は、ジャニー喜多川元社長による性加害問題で、社名を変更して補償完了後に廃業し、タレント個人やグループと契約して活動を支援する、新会社の設立を発表しました。こうした一連の対応を評価しますか、評価しませんか。

（１）評価する　５９％
（２）評価しない　２７％
（３）答えない　１３％

当初、「ジャニーズ」の呼称を変えずに使うと経営陣側が表明したことに対して、世論から大きな風当りとなり、結局社名変更して補償後に廃業、新会社設立でタレント活動支援という方向となった訳だが、この方向は約６割が「評価する」というものとなった訳だ。

【画像③　この間、２度にわたって開かれたジャニーズ事務所の記者会見では、その都度大きな批判を浴びせられつつも「性加害」被害者への補償や会社解体と出直しの方向が明らかにされ、その内容は徐々に国民に受け入れられつつあるようだ。しかし、真相解明についてはまだ方向性が定まっていない。】

◆「全容解明と言われるが、全容を知っている者が経営陣に入っていない」

この問題を取り上げてきた記者によると、ジャニーズ事務所の新経営陣の対応は、まだまだ被害者とその関係者にとって納得のいくものではなく、いつでも世論がひっくり返って再び風当りが厳しくなりかねないものだと言う。


「ともかくネットで話題にされているのは、『性加害』隠蔽とメディアとの関係性。かなり以前から、ジャニー喜多川氏の性加害は聞こえ始めていたのに、何故ほとんど報じられなかったのか？　テレビなどと繋がったメディア機関は、視聴率稼ぎに欠かせないジャニーズ・タレントの出演引き上げ、ジャニーズ事務所からの圧力を恐れて忖度したのではないのか？　そうした構図の解明と説明が必要だが、いまだそこに踏み込んだ説明は経営陣から出ていない」（取材記者）

「踏み込んだ説明」がないのは問題だが、筆者がジャニーズ事務所と取り引きのあった芸能関係者に聞いたところ、「説明のしようがないのだ」という。


「社長を辞任したジュリー藤島氏が『性加害を知らなかった』と述べたことが、怒りを買っているが、彼女が元会長の母親の故・メリー（通称メリー喜多川、本名は藤島メリー泰子）氏との確執を告白した手紙を公開したことについてはある程度の説得力があったと思う。それでも社長が『知らない』で済むものではないことも明らかだが、実際、彼女はこうした問題をほとんど知らないというのは本当のことだろう。故・ジャニー喜多川氏の奇癖から、裏で起きた問題の詳細まで熟知し、処理していたのは彼女ではないし、実際そうした人間が現在は前面に出てきていないのだから」（芸能関係者）

実は、対応に困った東山社長ら現経営陣は、「問題の詳細を熟知した人物」を対応の前面に出すことを検討し始めたという。