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自民党、陰鬱な”権力抗争”の中で勃興をめざすニューリーダー~”参院のドン”をめざす石井準一参院国対委員長が茂木敏充幹事長、林芳正官房長官とのトライアングルで議員に資金あっせん


【画像① 千葉県八街産の落花生を手にする岸田首相と石井準一参院議員。千葉地方区選出の石井議員の存在感が、パーティー券裏金問題で引き起こされた自民党内の序列変動の中で高まっているという。どうも岸田首相の対抗馬になり得るリーダーとの関係を深めながら、自らへの他の議員の求心力を強める算段を進めているようにも見える。】





◆参院幹事長だった世耕弘成氏”粛清”でにわかに存在感を増した石井準一氏




以前にも取り上げたことがある自民党参院議員(千葉選挙区)、石井準一氏については、読者の中でも「それ誰だ?」と思う方が多いだろう。名前を聞いたことのある人でも、その名前と顔が一致するくらい記憶にとどめている方もそう多くあるまい。


私もさほど、石井氏についてよく知るところはない。千葉県で選挙支援の活動をしたり、あるいは政治関係の取材をすれば名前が上がってくる人物であり、そこで耳にした人となりは、次のようなものだ。



「進取の気性がある人で、人の話を良く聞く。選挙区の地方議員からの要望などにも耳を傾けて実現に力を貸してくれる」


「他党派の人にも壁を作るようなことをせず、気軽に話しやすい。知事や市長たちとも、党派を問わず関係が良好だ」


概して地元の評判が良い。しかし、その活動全般を俯瞰してみると、かなりメラメラとした内に秘めたる野心を石井氏には感じる。まあ、野心を持つということは、政治家にとって悪いことではない。


決して全国区的な認知度のある政治家ではないのだが、石井氏は参議院での自民党リーダーNo.1という位置に付けていた世耕弘成氏がパーティー券裏金問題で「離党勧告」という一番重い処分を岸田執行部から受け、失脚(離党)した中で同党参議院議員団の中で急速に存在感を高めている。そして、単に自ずとそういう位置になったというより、しっかり現状をチャンスと認識して、”リーダー然”とした振る舞いをしているようだ。



【画像② パーティー券裏金問題を受けた政治改革のための法改正で、自公両党の共同提案を調整する任を果たせなかった茂木敏充幹事長は党内の立場が悪化しつつある。「幹事長交代」の声も出ているが、おそらく茂木氏の胸中はそんなことよりも9月以降の自民党総裁選への出馬に向けてどれだけの党内地歩を築けるかだ。その状況と茂木氏の心理を利用して、石井氏はうまく取り入っていると言われる。】




岸田首相による「派閥解消」よびかけで所属していた平成研究会(会長は茂木敏充幹事長)を脱会した石井氏だが、親しい同僚議員によると「彼は”参院のドン”といわれた村上正邦元労相や青木幹雄元参院議員会長のような存在になることを目指している」のだという(村上、青木両氏とも故人)。


人当たりのよさもあって、派閥脱会後も茂木幹事長とは良い関係を維持し、更に元の派閥は異なるものの、岸田首相側近である林芳正官房長官とも関係が親密だ。石井氏は、この2人との良好な関係を活かして、パーティー券裏金騒動の後遺症で苦労している議員たちの間で影響力を増しているのだと言う。



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