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【読書】刑事弁護人 薬丸岳



薬丸さんの小説は,いつも大変重い。この人は軽いふわふわした純愛物とか,腹かかえて大笑いしお腹痛くなるとか,怖くて夜にトイレに行けなくなるなどの小説は書けないのだろうか…。とにかくいつも冤罪が多い(笑)
(冤罪で言えば,アランパーカーの「ライフ・オブ・デビッド・ゲイル」という映画が秀逸である。こんな本読まずにこのDVD見た方が良い(笑))


ホストが自分の部屋で頭から血を流して死んでいるのが見つかる。犯人は前後の成り行きで既婚の女刑事が逮捕される。女刑事はホストの部屋に行ったことは認めるが,「ナイフで脅されて暴行されようとしたので,必死に抵抗したまたま手に取ったウィスキーの瓶で殴ったら倒れた。その時はまだ息があったので,必死に逃げた…」的な供述を。

ただ女刑事という職種や旦那は大手の新聞記者という事もありワイドショーの格好のネタに。女刑事がホストに溺れて痴話げんかで殺してしまう…的な。この女刑事の弁護をすることになったのも女性の新米弁護士。この弁護士のお父さんは人権は弁護士として知られていたが,ある殺人犯の弁護をして死刑ではなく懲役刑を勝ち取った際に,その頃された遺族に殺された(何言ってるかわかりますか(笑))という過去があり,自分も弁護士になったという。

その頃されたホストは,前に泥棒の前科があるのだが,それに関してホストは冤罪を主張している。その泥棒の前には,幼児に性的ないたづらをしたとして捕まった過去もあるという事がわかる。女性弁護士は女刑事を調べるうちに,その刑事には女の子がいたのに,ある事故でくも膜下出血で死なせてしまった…という事も判明し,もうこれだけ撒き餌があれば,あとはどうつなげていくのか…の謎解きの小説。

しかしだんだんと真実がわかってくるにつれて,予期まあこんなストーリーを思いつくなぁと,薬丸さんに感心。面白かったので寝る間も惜しんで一気に読んでしまいました。「無罪だが無実ではない」というのは,この女刑事の最後の言葉です。さあ読みましょう!!

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