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【読書】石をだまらせて



とんでもなく面白くて,これはいったいどんな結末を迎えるのだろう…と心配になり,寝る事もせずに一気に読み終えたが,その時は「えっ…これで終わるのか…」が裏切られた気持ちになった。結局あまりに前振りが奇想天外で大風呂敷を広げてしまったため,作者もどう結末をつけるのかが手に負えなくなったものと思われる。しかし前半部分の今まで読んだ事もないストリーに関しては秀逸。読む価値はあります。

多分30歳前後の主人公は,食品の有名大手に勤め会社で一番の美人ともうすぐ結婚する予定で,ご両親にも挨拶に行き,今後の設計を立てようかとバラ色の時期だったのだが,いきなり驚きの告白を始める。「私は高校時代に,全く見も知らない女性を男4人でレイプしてしまった。」 その様子など淡々と話し出し,聞いていた女性は,その部屋にある自分の痕跡を全てゴミ袋に詰めて,それを持って家から出て行った。

その女性とは職場結婚なわけで,明日からも顔を合わすとなると相手にまずいと思い,会社も辞めてしまう。そして今度は実家に帰り,「いつ結婚するんだい」という家族の声が終わった後に,また「実は私は…」と話し始め,さらに「その女性が全く知らない人だが だが,どうしても謝りたいので,あの時の情報を詳しく記載したブログを公開しようと思う」「そのブログには当然ながら自分の実名や連絡先も全部記載しようと思う」と。

家族は必死に止めようとするが,説得は無理だと分かった瞬間に,「家族の縁を切るから出ていけ」と。姉ももうすぐ結婚間近という事だったが,多分このブログで自分の結婚も破棄される…と泣き叫ぶが,断固としてブログをやると言いつつ,家を出る。

次のシーンでは,一緒にレイプした仲間を一人ずつ訪ねていき,「自分はこう思うので,申し訳ないがあなたにも迷惑がかかると思う。家族も壊れるかもしれないが,よろしくお願いします」 みたいな話をするので,当然相手も必死に止めようとするが聞かない。二人目の仲間は,今は県会議員になっていた。そこでも大人気で,次は国政選挙に打って出ようかという立場の人るその人にも「迷惑をかけると思うが…」と話しおったまがられるが,さすが国会議員になろうかと言われている男はビビらず,「俺が修行に行っている坊さんを紹介してやる」と(笑)。

たまたま町を歩いていたら,会社の同僚だった女性とばったり。「あなた会社でどんな風に言われているかを教えてあげるからステーキおごりなさい」みたいな感じで無理やり飲みに誘われ,会社の中のとんでもない状態を聞くが,自分が決断した事だからと気持ちを強く持ち,ついでに自分が公開しようとしているブログの文章を読んでもらい,添削までしてもらう(笑)

次の日は家に坊さんがやって来る。最初は刺客かと用心したが,結局公開を思いとどまらせようと考えてはいるのだろうが,話がかみ合わず「また明日来ます」的に帰って行くのだが,次の瞬間,書き溜めていたブログを公開してしまう…

ここで話が終わるのだ(笑)。さあ皆さんならこの後どんなストーリーを想像しますか。


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