【映画】Fukishima50→100点

もう日本人全員にこの映画見てほしい。
(マジに義務教育で社会の時間などに見せて欲しい)
そして、それでも日本に原発が必要か考えてほしい。
万が一…というが、実際に起こってしまった原発の暴走と手を出すすべのない人類の無力さを。最後に出てくる「自然をなめていた」人類の驕りを。

今の日本が普通に社会生活ができているのは、奇跡なのだ。
あの福島の2号機が「全く理由がわからないまま」圧力が下がったおかげで東日本全体が汚染されずに済んだから。その奇跡に生かされていると考えた場合,何をすべきか。
この映画は,これでもかこれでもかと投げかけてくる。

最初の地震・津波のシーンから本当にリアルで自分もそこにいるような感覚になる。
で,津波で電源喪失してからの対応が日本を滅亡から救う事になるのだが,現場と東電本社の温度差が激しい。現場では真っ暗で余震も続く中,何とか最悪の事態を防ごうと,それこそ必死に努力しているのだが,本社からはそんなことはお構いなく官僚的な命令を押し付けてくる。

冷却のための海水の注入を「官邸がまだOKしていない」という理由で中止せよと命令してきた時は,聞くふりをして停止はしていない…などは有名だが,それ以外にも不合理な対応を求められ,現場は怒りながらなんとかしなければ日本が滅ぶ…という使命感で頑張る。

有名になった吉田所長より現場でがんばっていたのが,当直長と呼ばれていた佐藤浩一が演じていた人物。吉岡里帆のお父さん役だ(笑)。年の離れたバツイチ男と結婚したいというのが本当にあったのかどうかは知らないが,原発復旧の最中に,メールでやり取りするシーンなどは本当に泣かせる。

そして,食道がんで2年後に命を落とされた吉田所長の葬儀で弔辞を読むシーン。その前の桜並木での回想シーンは涙なしでは見れないと同時に,日本と桜ってなんて素晴らしいんだろう…と感動する。「自然をなめていた」とあの時日本人全員が思ったはずだ。ただしもう忘れていると思われる。この期に及んで利権のために原発を推し進めようとか再稼働をやろうとしている人たちは,これ見て思い直して欲しい。

どんなに安全と言っても実際にこの事故は起こってしまっているし,アンダーコントロールとか言いつつ,全く手つかずに近い状況で悶々とやっている感をだしているだけなのだ。

原発がなければ,今の生活を賄う電力が不足するなら,原発を動かすのではなく生活のレベルを落とそう。何か起こったらそれこそ本当に終わりなんだから。

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エンドロールに,協力 読売新聞 字が見えて,どうして原発推進の読売が…と思って考えてみたら,この映画では当時の民主党政権と菅総理大臣を貶めるような表現がいたるところに出てきている。ベントが遅れたのは菅さんがいきなり現場に乗り込んだからだとか,いきなり理不尽に大声をあげて怒鳴りつけるなど…。読売はこの映画で,いかに当時の民主党や菅さんがひどかったのかを表現したかったのだろうと思う。

だがしかし,そんなことを全く考えるレベルではなく,原発と戦った人たちが素晴らしいので,そちらに目が行き菅さんがひどいなんて全く思う時間も余裕もなかった。読売の失敗であろう…。

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