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統合デザイン学科卒業生インタビュー#02小野ひかりさん

小野ひかり (おの ひかり)
広告代理店勤務 デザイナー
統合デザイン学科1期生 佐野研二郎・小杉幸一・榮亮太プロジェクト出身

横浜生まれ、横浜在住です。
ファッションが大好きで、学生時代に憧れていたお洋服を着々と集めています。子供の頃から絵を描くのが好きで、小学生の頃から美大に入りたいと思っていました。マイペースな性格なので、スイッチが入った時に一気に進めるタイプです。卒制の制作期間も2週間でした。

普段アイデアを思いついたときや、アイデアのかけらを見つけたときはiPhoneのメモに残すことを心がけています。アイデア出しも、スケッチブックやPCだとやる気が起きないのでiPhoneのメモ欄を中心にやっています。

飽き性のため、様々な分野のデザインができる統合デザイン学科や、様々な業種のクライアントを担当できる広告代理店で働くのが本当に向いているなと日々感じています。


ー統合デザイン学科ではどのようなことを学んでいましたか?

統合デザイン学科では様々なジャンルのデザインが学べますが『どうしたら人に伝わるか』『どうしたら人を楽しませることができるのか』『どうしたら世の中をハッピーにできるのか』をいつも考えていました。
それを表現する上で、最善の媒体を選ぶときの選択肢を増やすために、広範囲のデザインを学んでいたのだと思います。


ー卒業後、現在はどのようなことをされていますか?今後はどのようなことをやっていきたいですか?

2018年にTBWA\HAKUHODOに入社し、ポスターやロゴ、パッケージ、web、CM、ブランディングなどの仕事をしています。職種はデザイナーですが、企画出しをしたりコピーを書いたりもします。

3年目になり、アートディレクターとしての仕事も増えてきて毎日充実した日々を送っています。自分の名前で仕事が来るようなADになることが目標です。


ーどのように進路を決めましたか?

正直自分のやりたいことに迷ったまま就活期間に入ってしまい、とても焦っていました。
私はやってみたいことがたくさんあったし、統合デザイン学科に進学したのもやりたいことが絞れなかったのが理由でした。何かに職種を絞ることは性に合わないので色々な仕事ができる広告代理店に入ろうと決めました。

今、当時思っていたようなことができていて本当に幸せなことだなと思ってます。また「こんなことがやってみたい」と声を上げれば、そういう仕事がきた時に優先的にプロジェクトに入れてもらえます。

地味な作業や辛いことも多いですが、仕事が世に出たときの華やかさに感動します。本当にすごい世界だなと思います。


ー在学中に制作した印象に残っている課題や作品についてのエピソードについて教えてください。

大学3年生になってからプロジェクトが始まり、より自分の興味のあることややってみたいことにフォーカスを絞って制作ができる時間が増えました。

第一課題の牛乳の課題や、中間課題のパンのコミュニケーションプランを作る、というものが印象に残っています。

ただ作品を作るのではなく、何かしら他の方面にもプラスで良いことが起こるといったような課題の解決の仕方を考えるようにプランを立てていました。


1週間で飲みきる牛乳
『AWEEK』

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ターゲットは一人暮らしの若者で、平均1週間程度が賞味期限とされている牛乳を期限内にしっかり飲みきってもらうためのパッケージデザインです。

2Lを7等分し、それぞれに曜日を振ることで忘れずに1日の栄養を補給できる&食料の廃棄もなくします。小分けにしたことで忙しい人でも移動中に飲むことができます。

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ポスターは1週間分の生活シーンを切り取った人物の生活風景とパッケージの寄りで、7日間×2カットの計14枚作成しました。


冷凍パン屋さんのブランディング
『-18℃ FREEZE BREAD]

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パンの保存に最も適した、長期熟成冷凍保存。
“常温保存ではなく、焼きたての段階で冷凍し食べるタイミングで焼き直す。”

皆が知っているようでまだ広く知られていない、美味しいパンの食べ方を発信していくためのパン屋の提案です。

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大量購入してもいつでも美味しく食べられる工夫と、食品ロスを減らす狙いがあります。凍っているようなロゴデザインを、看板・パッケージ・ショップバッグにあしらいました。


ー卒業制作の作品と、その作品に至った経緯を教えてください。

3年の第二課題で自分が制作した課題の延長戦で、試してみたいものを学生生活中にストックしていました。

課題が終わったあとも、「こういうのもあった。こっちの方が良かった。」みたいなことを思うことが多く、それを展示向けにまとめ直したのが卒制の作品でした。

たまごの要素を解体し、他のモノで再構築したアート作品集
『EGG』

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たまごが一度も出てこない、たまごのアート作品です。

色や形はもちろん、「割れる」「茹でる」「溶く」など、たまご特有の本質的要素に焦点を当て、全く違ったものや他のものに見立ててたまごを表現しました。全26種類あります。

デザイナーの卵としての最後の作品です。

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ー卒業制作、卒業制作展でどんなことを感じましたか?

学生時代個展などを開いたことがなく、またSNSでの作品紹介もしていなかったので、学外の人の目に触れる機会にワクワクしつつ、どこか緊張もしました。

卒制中はなるべく自分の作品の近くに在廊し、見ている人のリアクションを観察したり、興味を持ってくれていそうな人には話しかけてみたりしました。

今も、世の中の反応を予想しながら広告の仕事をしていますが、あの頃のように見てくれている人と向き合って話す機会は少なくなってしまったので、またあの感覚を味わいたいなとも思います。
いつか有名になったら個展をひらいてみたいです。


ー統合デザイン学科での学生生活はどうでしたか?

私が入学したのは2014年、統合デザイン学科ができたばかりの頃に1期生として入学しました。

先輩の参考作品は0のため、課題に対してどう正解に向かっていけば良いのかの道しるべがなく、苦悩を抱える毎日でした。
実験的で挑戦的な学科に入学してしまったなと思っていましたが、今となっては見えない正解を解決する過程が自分を鍛える良い時間だったなと感じます。

放課後残ってクラスの同級生と一緒に頭を抱えながら課題を理解したり、アドバイスをもらったり、逆にアドバイスをしたりするのも、本当に楽しかったです。
コミュニケーションを大切にしたモノづくりをしたいと思っている人にオススメの学科です。

(インタビュー・編集:徳崎理沙、土屋陽和)


次回の統合デザイン学科卒業生インタビューは…!

「なんか良い」と思えるモノづくりを。
西上真凪(にしがみ みなぎ)
オフィス家具メーカー勤務 プロダクトデザイナー
統合デザイン学科2期生 米山・米田プロジェクト出身


卒業制作では”統合デザイン学科”として得た学びを、どう表現するかを考え構成を決めたという西上さん。テーマをより深く伝える為の手段として、webや映像、ポスターの作成、展示空間の設計を行なったといいます。
統合デザイン学科らしさを存分に発揮した西上さんの卒業制作とは一体どんな作品なのでしょうか…!
卒業生インタビュー第3弾は明日公開です!乞うご期待!

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