新卒採用に影響?東大から企業への要請を読み解く
はじめに
先日、東京大学から「2024年度本学卒業・修了予定者(2025年3月卒業・修了予定者)の就職・採用活動について(要請)」と題された文書が発表されました。
インターネット上でも多くの反響があり、話題となりました。
今回の記事では、東京大学から出された文書の内容を具体的にお伝えしながら、採用活動を進める上での考え方をご紹介します。
東京大学から出された要請内容
東京大学からの要請では、「2024年度就職・採用活動において特に留意をお願いしたい事項」として、特に次の8点が挙げられています。
(1)就職・採用活動開始時期等の遵守について
ここでは、広報活動や採用選考等について次のような時期を提示しています。
就職・採用活動の過度な早期化は、学生にとって悪影響となるだけではなく、企業間の競争の激化にもつながり、企業側も疲弊します。
適切な時期に採用を行うことが重要です。
(2)学生の学業への配慮
学業への配慮方法として、インターネットの活用や個別に柔軟な対応を行うことが挙げられました。
特に、インターネットを活用した採用を行う場合には、事前にどのようなツールを利用するのか、途中で音声等が途切れてしまった時の対応につい示すことで、学生に準備の時間を与え、他の選考方法よりも不利にならないことを伝えることが必要です。
(3)多様な選考機会の提供
また、日本人留学生や外国人留学生の選考の機会についても触れられています。
日本人留学生の場合は日本に滞在していないことから柔軟な対応が求められています。
外国人留学生の場合は、出身国の採用とは異なる選考方法や選考基準が取られていることがありますので、適切な配慮が必要です。
(4)雇用の機会均等、職業の選択の自由を妨げる行為等の抑制、公平・公正な採用の徹底
ここでは、性別や障害によって差別されないようにすること、学生の多様性に配慮することに関して、注意が促されています。
現在は、ジェンダーへの配慮も重要視されています。
特定の服装などの強制をしないようにすることはもちろん、性別欄の選択項目の見直し等を行うことが重要です。
(5)インターンシップの適切な実施
多くの企業で実施されているインターンシップについても取り上げられています。
ワンデーインターンシップは現在多くの企業で実施されています。
しかし、令和5年度からインターンシップの取り扱いが変化しています。
文部科学省によれば、これまでワンデーインターンシップと称して行なっていた、就業体験が必須ではなく、企業や業界の情報提供、教育が目的の活動は、「インターンシップ」とは称さず、オープン・カンパニーやキャリア教育に含まれるようになります。
そして、以下の基準をクリアしたインターンシップでは、取得した学生情報を広報活動・採用選考活動の開始時期以降に限り、使用可能になります。
就業体験要件:実施期間の半分を超える日数を就業体験に充当
指導要件 :職場の社員が学生を指導し、学生にフィードバックを行う
実施期間要件:汎用能力活用型は5日間以上、専門活用型は2週間以上
情報開示要件:学生情報を活用する旨等を募集要項等に明示
これまで行なっていたワンデーインターンシップからの見直しが求められることになります。
(6)採用選考活動における学業成果等の評価
学業成果等の評価をすることについても触れられています。
学業への取り組みは、客観的な数値となる基準であるだけではなく、学生の本分でもあります。
学生の課外活動の経験だけではなく、学業への取り組みを積極的に評価する姿勢を示していくことが必要になりそうです。
(7)学生の健康状態への配慮
学生の体調や健康への配慮については以下のようなことが取り上げられています。
インターンシップの実施や、採用活動が真夏に行われることもしばしば見られます。
服装についても適切な指定を行なったり、体調に応じて適宜変更できることを伝えたりすることが必要です。
(8)卒業・修了後3年以内の既卒者の取り扱いについて
既卒者の取り扱いについても説明されています。
個人の事情によってやむを得ず新卒での就職活動に参加できなかった場合や、卒業・修了後にギャップイヤーとして多様な経験を積む場合などが見られます。
様々な能力や経験を持った人材の獲得という観点からも、既卒者の採用に対して適切な対応をとることが重要です。
おわりに
現在は、採用活動の早期化が進んでおり、採用活動に関する制度も形骸化していると言わざるを得ない状態です。
しかし、あまりに早い時期に学生を囲い込んだとしても、学生と企業の不一致に繋がったり、早期離職につながったりと、良い採用にはつながりません。
一方で、実際のところ、周囲の企業が早期から学生の採用に乗り出す中で、自社のみ何も行動しないというわけにもいきません。
その中で、学生と早期に接点を持つという点では、長期インターンシップの実施がおすすめです。
学生に対しては早くからビジネスに触れ、自分の進路や適性について考えてもらう機会となるだけではなく、企業側にとっても意識やモチベーションが高い大学1年生や2年生と早くから接点を持つ機会となります。
参考文献
東京大学 2024年度大学卒業・修了予定者の就職・採用活動について(要請) https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/articles/n_z0604_00015.html
文部科学省 「大学等におけるインターンシップの推進「インターンシップをはじめとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進にあたっての基本的な考え方」
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/sangaku2/1346604.htm
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