見出し画像

入院日数の平均はどれくらい?

昔と比べて入院日数は短くなってきていると聞いたことはないでしょうか?現在の入院日数はどれくらいなのか、昔と比べて本当に減ってきているのかなどいくつか入院に関するデータを紹介します。

平均入院日数の推移

厚生労働省「平成29年患者調査」によると、入院日数の平均は29.3日です。また、調査結果の推移は以下の通りです。実際に入院日数の平均は少なくなってきているのが分かります。

画像1

※2011年は、宮城県の石巻医療圏、気仙沼医療圏及び福島県を除いた数値

平均日数が約30日というと思ったよりも多いと感じる方もいるのではないでしょうか?実はこれは高齢者が入院日数の平均を引き上げているのです。年齢階級別にみると、15~34歳では11.1日、35~64歳では21.9日なのに対し、65歳以上では37.6日、75歳以上では43.6日となっています。

画像2

10日以内の入院が58.6%

入院日数の平均は29.3日ですが、入院日数の分布をみると10日以内の入院が58.6%となっています。もう少し日数をのばして15日以内だと69.4%、20日以内だと76.3%、30日以内だと83.9%です。一部の長期間の入院が平均を引き上げていることが分かります。

在院期間構成割合(累積)

出典:厚生労働省「平成29年患者調査」

主な傷病の平均在院日数

どのような病気やケガによって入院したかで入院日数は変わります。いくつかの傷病について平均在院日数を紹介します。

画像4

恐ろしいイメージのあるがん(悪性新生物)ですが、平均在院日数は17.1日とあまり長くありません。在院日数の長い傷病としては脳血管疾患(平均78.2日)や慢性腎臓病(平均47.9日)などが挙げられます。また、表には掲載していませんが、統合失調症(平均531.8日)や気分障害(躁うつ病を含む)(平均113.9日)、アルツハイマー病(平均252.1日)なども長くなっています。

入院時の自己負担・逸失収入

日本には手厚い公的医療保険があるとはいえ、入院が長引くと入院・治療費の負担は大きくなりますし、食事代や差額ベッド代、衣服費、見舞いのための交通費など自己負担が必要な費用もかさみます。また、入院期間が長期間となると働けないことによる収入の減少も出てきます。

入院時の自己負担額や逸失収入はどれくらいになるのか、生命保険文化センターの令和元年度「生活保障に関する調査」から紹介します。

画像5

入院時の自己負担費用と逸失収入の総額は平均で30.4万円という結果になっています。入院日数が長くなるほど自己負担費用と逸失収入の総額も大きくなる傾向にあり、割合的には長期間の入院は少ないものの、31日~60日の入院では平均で60.6万円、61日以上の入院では平均で92.7万円の自己負担・逸失収入があります。

「入院=高額な出費」という図式は必ずしも当てはまらなくなってきています。しかし、割合的には小さいものの、長期間の入院となるとなかなか手痛い出費・収入減を覚悟しなければいけません。保険を考えるときには無責任な保険不要論に踊らされるのではなく、自分の家計に置き換えて要・不要を考えるようにしましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?