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個展『天の指環』

こんばんは!Ring Artist のinsulaです。

いよいよ明日は秋の個展『天の指環』の始まりです。

いつも個展のテーマを考える時は、テーマが先にあることもありますが、今回はいくつかの石との出会いから『天』の発想となりました。

このエンジェルフェザークオーツというのは、不思議な鉱物で、今もほとんど出回っていない希少な鉱物です。詳しい産地も不明、中のインクルージョンの鉱物も不明ということでわからないことが多い鉱物なのですが、美しい空気感のある中の景色が私に「天」のイメージを与えてくれました。重さがない世界。心配事のない世界。全てが許されて、あるべきように収まっている美しい世界。

『雲の袖』エンジェルフェザークオーツ

そんなテーマで10月の個展は開催しようと決めました。実はもう一つ、「エンジェルラダークオーツ」というピンク色のシラーが出る不思議なクオーツもあったのですが、そちらは間に合わず…。またの機会にお披露目させてください。

そしてこちらのホワイトガーデンクオーツ。

ホワイトガーデンクオーツはいくつか仕入れていたのですがなかなか形にして個展でお披露目する機会がありませんでした。雲の世界そのものをぎゅっと縮小して閉じ込めたような石。「天」の世界感に相応しい石です。

『雲』ホワイトガーデンクオーツ

そして『雲』と対になる形で完成したのが、『雨』。

『雨』モスアクアマリン

この石もずっと温存してあって、やっと形にできる力ができたので完成しました。実際に雫の形を留めるのがなかなか難しく、やっと綺麗に出来上がりホッとしています。

「水」「火」「宙」「風」「地」「天」と続けてきた個展ですが、自分の中でのそれぞれの要素について思いを巡らし、それを表現するというのはなかなか自己反省的な作業でした。私はどのように自然を捉え、自分の世界の限界はどこにあるのか。それと向き合う作業。

まだまだ自然を知り、その美しさを表現するには言葉も技術も足りません。

それでも一巡り地球を構成する要素を巡ってみて、深くこの地球という世界とのつながりを感じることができました。
(そうまるでガラスの仮面の紅天女の課題のように…。笑)

そしてそのどれもが密接につながって生きている。

水は風と、風は火と、火は地と、地は水と、そして水は天と。
それを包括する宇宙。

この螺旋のようなつながりを、石という表現を使ってこれからも磨いていきたいと思っています。それが「Ring Artist」という肩書きに掛けた想いです。

石は地球の歴史を記憶していると言われています。小さな地殻変動や気候の変化、熱や寒さに晒されながら、やっと今あなたの前にジュエリーとして存在しています。1億2億年は当たり前、もっとも古い鉱物は44億年もの時を超えてここに在ります。

そんな中で「天」を記録した石たちを指環に仕立てた今回の展示。

浮遊感、絶対的な幸福感、目に見えない世界がテーマですので、実際にお手にとっていただいて、石たちとの対話を楽しんでいただけたら幸いです。

insula


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