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樹齢2000年の箒杉の真横に並ぶインスタントハウス。箒沢荘グランピングエリア『杢-moku-』

都内から車を走らせること約2時間。

山奥にある箒沢荘まであともう一息というところで突如現れるのが、国の天然記念物にも指定されている「箒杉」です。

普通の木とは異なる神聖な雰囲気に、おそらく誰もが車のアクセルを緩めてしまうはず。今回のインスタントハウスは、この箒杉を存分に堪能できる場所にあるということで期待が高まります。

箒沢荘を運営する直美さんと唯さんに、インスタントハウスの楽しみ方や、導入のきっかけについて詳しくお話をうかがいました。

『西丹沢 民宿喫茶 箒沢荘』
1976年に開業した、丹沢山間部にある古民家民宿。インスタントハウスが設置されているのは、箒沢荘から100mほど歩いた場所にあるグランピングエリア『杢-moku-』。
小田急新松田駅またはJR御殿場線山北駅または谷峨駅より、富士急湘南バス「西丹沢行き」に乗車。「箒杉」で下車、徒歩3分。
所在地:〒258-0201 神奈川県足柄上郡山北町中川698-1

箒沢荘を明るく支える、2代目女将の直美さんと3代目女将(予定)の唯さん

画像1▲箒沢荘の2代目女将・直美さん(右)と、7年前にこちらに嫁いできたという唯さん(左)

ーー箒沢荘は営業をはじめてからどのくらい経つのでしょうか

直美さん:開業が1976年なので、かれこれ45年になります。私は嫁いでここにやってきたのですが、千葉のサラリーマン家庭で育ったので民宿のことなんてまったく分からなかったんですよ。当時はお爺ちゃんとお婆ちゃん、お姑さん、私たち夫婦の5人でこの箒沢荘をやっていましたね。

画像2▲2代目女将の直美さんが切り盛りする箒沢荘

ーーとても山深い場所で驚いたのですが、初めていらっしゃったときはどんな印象でしたか?

直美さん:いやあ…「山の中」としか思わなかったですね(笑)

ーー(一同笑)

画像3▲箒沢荘周辺の様子。そばにはきれいな川が流れ、周囲は山に囲まれている

ーー唯さんがこちらにいらっしゃったのはいつぐらいなんですか?

唯さん:4年前です。初めて来たときはお義母さんと同じような感想で「ここに住んでいる人いるのかな」って思いました(笑)

でもお義母さんも私と同じように外からお嫁に来ていて、すごく楽しそうなのを見て、いいなって思ったんです。民宿を使って自分で商売をして、お客さんもたくさんいて。それって素敵なことだと思いました。

画像4▲直美さんがご自身で始めたという、民宿に併設されている喫茶店

唯さん:私もお義母さんの喫茶店に行くとつい長居してしまうし、居心地の良さをすごく感じたんですね。
だからここに移り住むと言ったとき、周りからは心配されましたが、私はそれほど不安に思っていませんでした。

私にとっては、お義母さんがいてくれたことがすごく大きかったんです。

ーー自分と同じような境遇で楽しく過ごされているお義母さんがいるのは心強いですよね

箒沢荘の女将・直美さんがインスタントハウスに一目惚れ!

画像5▲導入したインスタントハウスが置かれているグランピングエリア

ーー箒沢荘でインスタントハウスを導入しようと思ったきっかけは何ですか?

直美さん:実は私がFacebookで、インスタントハウスが草原の中にポンっと立ってる映像を見たんですよ。
それで「なにこのかわいい建物!」ってなって、こちらから連絡を取ったんです。すぐに資料を送ってもらって、息子たちに「これほしいんだけど!」と言ってそこからスタートしました(笑)

唯さん:私もそのときのこと覚えてます(笑)

画像6▲直美さんが一目惚れしたというインスタントハウスの写真(インスタントハウスホームページより引用)

ーー唯さんはインスタントハウスを見てどう感じましたか?

すごくかわいいと思いました。
ただ、私たち夫婦も将来ここで何かしたいという気持ちはあったのですが、子どもも小さいですし、すぐ何か始めようという感じではなかったんですよ。

直美さん:こんなに早く動き出すとは思っていなかったよね。ごめんなさいね(笑)

唯さん:いえいえ(笑)でももともと民泊はやろうと思っていたので、こういう風に1つ形にできたのは良かったなと思っています。

それに今いるこの場所の良さについてはとても自信があったので、ここでどんなものをお客さんに提供できるかを考え出すとすごく楽しかったですね。

直美さん:でもやるからにはキチンと場所を整備しないとということで、まあそれが大変だったんですけど(笑)

唯さん:以前は何も整備されていない状態で、本当にジャングルみたいだったんですよ。

画像7▲整備される前の荒れ果てたグランピングエリア(写真提供:箒沢荘様)

画像8▲整備された後は、芝生が美しいグランピングエリアに様変わり

ーー本当にもともとは荒地のような状態だったんですね…!それがこんなにきれいになってすごいです

唯さん:はい、本当に大変でした(笑)でもちょうどその頃、コロナ感染が広まってきていたので、こういう場所を作る必要性もあるのかもしれないと思ってがんばりました。

このようなご時世なので、ここを1日1組限定の場所にして泊まってもらえたらすごくいいかもしれない、と思ったんです。

▲グランピングエリアの入口。自然の中でも違和感がないデザインになっている

箒沢荘のグランピングエリア『杢-moku-』の売りは、樹齢2000年の箒杉

画像10▲グランピングエリアの真横から見える箒杉

ーーグランピングエリアの横にある箒杉の存在感がすごいですね

直美さん:そうなんですよ。以前別の取材でいらっしゃった方に「2000年のオブジェはそうはないでしょう?」と言ったら、その方はその言葉がとても気に入ったようでしたね。

箒杉を見上げながらお酒を飲むと気持ちいいですよって宣伝しておきました(笑)

ーーたしかにこの距離感で箒杉を見られるところはありませんよね

直美さん:これだけは作ろうと思っても作れませんからね。

画像11▲ここに寝転びながら飲むお酒はとても美味しそう

ーー6月にオープンしてからインスタントハウスの利用状況はいかがですか?

唯さん:7月に3件、8月は9件の予約が入りました。みんな新規の方で「普段キャンプをしないけど、キャンプをしてみたかった」という方が多かったですね。

私たちはここのサービスを「セルフグランピング」って呼んでいるんですけど、まさにそのターゲットとなる方がいらっしゃってくれました。

やっぱりガッツリとキャンプをしたい方ってここを選ばないと思うんですよね。でも「道具とかは持っていないけど、ちょっと都会と離れたところに行きたい」という人に、食材だけ持ってくれば自由に過ごせるよっていう場所を作りたくて。

画像12▲ウッドデッキの上に置かれたインスタントハウスの脇には水場やトイレも設置されている

ーー利用された方の感想はいかがですか

唯さん:「景色も空気もきれいで、音も静かだし、もう1回来ます」とおっしゃっていただきました。

ちなみに私はこれまでに見てきた中で世界で2番目にここの星空がきれいだと思っています。1番は石垣島なんですけど(笑)
外に出ると流れ星が普通に見えて、それがすごいきれいでおすすめなんです。ぜひ見ていただきたいですね。

画像13▲大人4名がゆったりと過ごせるプライベート空間

唯さん:時間を気にせず、空間だけで過ごせる場所って私もこれまでに体験したことがなかったんですけど、ここはそれが実現できる場所です。

皆さんには「美味しい空気を吸いに来てください」って言いたいですね。

画像14▲インタビューに快く応じてくださった直美さんと唯さん。ありがとうございました!

編集後記

箒沢荘に着いて車を降りると、まず気づくのは時間がゆっくりと流れていること。
目を閉じると聞こえてくる川のせせらぎと鳥の声。自分も割と田舎に住んでいるのだが、そことは比べものにならないほどの癒し空間が箒沢荘にはあった。

今回お話を聞かせていただいた直美さんと唯さん。
結婚を機にこの場所にやってきたお二人は、それぞれに自分の「好き」や「楽しい」を形にしていて、ここでの暮らしを最大限に楽しんでいた。

取材させていただいたグランピングエリアにも、その「好き」や「楽しい」が十分に反映されている。

箒杉の真横に位置する、他では味わうことのできないインスタントハウス。
世界で2番目にきれいな星空を見たい方は、ぜひ箒沢荘を訪れてみてほしい。

▼西丹沢 民宿喫茶 箒沢荘ホームページ

▼インスタントハウスについて詳しく知りたい方はこちらからどうぞ

《文・写真=長濱裕作

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