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aiwa がインスタコードを発売する件

各種メディアで報道されました通り、来年、 「aiwa(アイワ)」からインスタコードが発売されることになりました。
現在決定している内容と、その経緯について書きます。

aiwa版はエントリーモデル

aiwa版は「楽器を弾いてみたい」という初心者ユーザーを対象にしたエントリーモデルとして発売します。
まだ詳細は発表できませんが、MIDI入出力などいくつかの高度な機能が省略された、弾き語り特化型のシンプルなモデルになる予定です。

全国の家電量販店で販売

aiwa版のインスタコードは、2023年初頭の発売を予定しており、全国の家電量販店で取り扱いが可能になります。

現行モデルはリニューアルして値上げ

現行モデルは販売を終了し
10月上旬に新製品「InstaChord+(インスタコードプラス)」を発売します。
価格は、42,900円(税込)
※発売は11月上旬に変更になりました

InstaChord+ の外観や内部の仕様は現行モデルと変わりませんが、ボタンとパッドが改良され、弾き心地が大幅に改善します。
また、今後のアップデートや連携アプリの開発により、スマホやPCとの連携機能が強化され、今よりもっと幅広い演奏表現ができるようになる予定です。

ちなみに現行モデルの製品は InstaChord+ にアップグレードできます。
メーカーの有償アップグレードサービスは5,400円。(+宮崎工場までの送料はお客様負担)
またボタン類を2,000円以内で販売しますのでご自身で分解交換できる場合は格安で最新モデルに生まれ変わります。
9月末から受付開始予定です。
※受付開始は10月下旬に変更になりました

ハードウェアアップデートについて

全国の楽器店で販売

InstaChord+ は、島村楽器など全国の楽器販売店で取り扱いが可能になります。(展示品や店頭在庫はお店次第ですが)
これまでネット直販限定で、店頭販売を禁止していましたが、今回のモデルから店頭販売を解禁し、お店で実物を見て買えるようになります。

※ 販売希望の楽器店の方は (株)サンフォニックス コンシューマーセールス事業課 にお問い合わせ下さい TEL: 044-874-3362

製造元やサポートは同じ

インスタコードの製造は、中国深センに工場を構えるJENESIS(ジェネシス)というEMS(製造受託企業)で行なっており、修理等も宮崎県のジェネシスCSセンターで担っています。

そのJENESISが、このたび aiwa ブランドを取得し【新生aiwa】としてスマホやタブレットなどのデジタル製品を開発・製造・販売することになったんです。
つまり、aiwa版とオリジナル版どちらのインスタコードも、製造やサポートは JENESIS が行うので製品やサポートの品質面は大差ありません

ちなみにジェネシスは東証プライム市場に上場しているJNSホールディングスの中核企業の一つで、日本人の藤岡 淳一氏が代表を務める企業です。

両者の違いまとめ

aiwa版を発売する理由

この1年は本格販売のための準備期間

インスタコードは発売から1年間、販路をネット直販だけに絞り、5,000台余りを販売してきました。この1年間ユーザーの皆さんにご意見をいただきながらアップデートを重ね、製品の機能や仕様をブラッシュアップすることができました。

店頭販売や電話通販を行うと、質問や問合せも増えますし、アップデートや仕様の変更についていけない人も出てくる恐れがありました。
現状のサポート体制ではそこまでカバーできません。

ネット通販に限定することで、ユーザーの皆さんの声をじっくり吸い上げながら製品を育てて、ようやく店頭販売にも耐えられる製品に仕上がったと思っています。

もともと計画していた初心者モデル

インスタコードには初心者から上級者まで幅広いユーザーがいます。

「楽器を弾いてみたい」という初心者ユーザーにとって、現行モデルはオーバースペックです。MIDIや音色カスタムなんか使わないという人が大勢いらっしゃることは事前アンケートからも分かっていたので、将来的には機能を省いたエントリーモデルを作りたいと思っていました。

ニーズに資本力が追いつかない

1年間のマーケティング調査を通して初心者モデルのニーズの高さが分かったものの、ニーズに応える大量生産を行うための資本力が InstaChord社にはありません。

また、昨今の半導体不足や円安も重なり原価率が上昇し続けています。
一度に大量の部品を調達すれば原価を抑えられますが、それもInstaChord社の力だけでは無理です。

会社の規模を拡大するつもりはない

普通のスタートアップ企業なら、ここで出資を受けてスピードアップ、スケールアップを図るのでしょうが、私は会社の規模を拡大するのではなく、どこかのタイミングでもっとしっかりした会社に製品を譲る計画でした。

新生 aiwa の オープンイノベーション

 【新生aiwa】は、自社開発のデジタル機器だけでなく、製造受託を行なう「スタートアップ企業の製品」と「aiwaブランド」とでコラボレーションする「オープンイノベーション」を取り組みの1つに掲げています。

このスタイルはインスタコードにはピッタリでした。

そこで 新生aiwa オープンイノベーション製品の第1弾として、インスタコードのエントリーモデルが発売されることになったのです。

aiwa版 が生まれるメリット

aiwa (JENESIS) が初心者モデルを量産してくれることで、共通する部品を安く調達できる可能性があります。

家電量販店向けと、楽器店向けを切り分けることにもメリットがあります。
家電業界と楽器業界は、販売の仕方や考え方が異なります。

それぞれの会社が、それぞれの製品を別々の販路で販売することで、家電市場、楽器市場を荒らさないという安心感があると思っています。

今後の展開にもご期待下さい

InstaChord社としては、来年4月のNAMM SHOWに合わせて、グローバルモデルのクラウドファンディングを行う予定です。

日本で生まれた新しい楽器が世界に羽ばたき「ふつうの楽器」の1ジャンルにまで成長していく過程を、一緒に見守って、応援していただけると嬉しいです。

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