見出し画像

[決算][竹内製作所] 2023年度(2023年3月~24年2月)


オリジナルデータ

竹内製作所2023年度の決算が2024年4月12日(金)、東京証券取引所の引け後に発表されました。

決算を読む

売上の9割を占める北米、欧州での売上高の伸びがそれぞれ16.9%、21.0%ととてつもなく大きいものの。円がひどく安くなっていることを加味するともう少しマイルドです。今期の期中平均為替レートが1ドル=143.25円、1ユーロ=155.05円なのに対し、前期は1ドル=133.12円、1
ユーロ=139.81円。販売価格、販売数量が変わらなかったとしても、円で計測した売上高は北米で5%、欧州で11%増えます。

このため、為替の影響を除くと北米売上、欧州売上ともに1割増くらいでしょう。

Presentation 2ページ

営業利益の増加分140億円の半分は、為替影響(+71億円)です。

Presentation 3ページ

配当

決算短信 1ページ

来期の配当(予想)は昨年度のほぼ2倍になりますが。
2年前は1ドル=111.72円、1ユーロ=130.57円。ドルに対して円の価値は78%に、ユーロに対しては84%に減少しています。売上の95%以上を北米、欧州で上げている当社の場合、円建てで測ると為替効果で売上は2~3割増えます。一般的に売上増減に対して利益の増減の変動幅は大きい(例:売上が1%増えると利益は5%増えるとか)ので、「配当が倍になる」という見かけほどのすごさは、実質的にはありません。

日本の投資家目線で言うなら、2年前に1ドル=110円くらいだった為替レートが今や1ドル=153円なので、配当が 153/110 = 1.39倍になってようやく円の目減りが補えます。ドルの方もこの2年で実質1割くらい目減りしているので(たとえば消費者物価指数が+3%ならお金の価値は1年で3%目減りする)、来期配当200円を2年前の貨幣価値で計算し直すと 200÷1.39÷1.1=130円くらいでしょうか。

見かけほどのすごさはないですが、購買力の維持に強く寄与する配当をしてくれるのは素晴らしいことです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?