INSPIRATIONS/MOBILITY

モータージャーナリストたちと綴る新しいモビリティ・ジャーナリズム・プラットフォーム。これからの時代におけるリアルなカーライフからモーターショーなどの業界動向まで。有識者と共に未来のクルマの価値を模索する。 http://www.inspirations.jp

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最近の記事

世界を魅了するカスタムバイクビルダー中嶋志朗 さまざまな経験が堆積した唯一無二のものづくり

「A DAYをTHE DAYにするクルマ」を目指し、INSPIRATIONS/MOBILITYのクリエイティブディレクター佐藤夏生と、日本を代表する孤高のカスタムバイクビルダー中嶋志朗が作り上げたのが、スキーライフを拡張するクルマ(前回記事参照)だ。新型ディフェンダーの後部座席を取り払い、そこに木製のフローリングとウッドベンチ、さらに極小薪ストーブを搭載。ルーフには大人ふたりが登れる頑丈なキャリアと、スキー板が収納できるベンチにもなるボックス。雪山で仲間たちとスキーを楽しんだ

    • 新型ディフェンダーに薪ストーブ!?クリエイティブディレクターとカスタムバイクビルダーが織りなす、次のクルマのカタチ

      瞬く間に世界中を呑み込んだ新型コロナウイルス。その影響は自動車産業に限らず、世界経済全体に大きな影響を及ぼしている。これまでの常識を覆し、世界中の人々の価値観を揺さぶり、全産業のあり方を再考させる事象となった。その中で”ニューノーマル”という言葉が囁かれて久しいが、いまだにその正解と言えるものはない。むしろ正解はひとつではなく、人の数だけ存在するのかも知れない。マーケットベースだった消費行動も、よりパーソナルでプリミティブなものにシフトしている。そしてそこにクルマはどう寄り添

      • クルマのセキュリティって何ですか?ハッカーって誰ですか?

        クルマの未来を語る上で避けては通れないコトバとなったCASEやMaaS。「つながるクルマ」により、さまざまなサービスがシームレスに享受できるようになる一方、同時に高まるのがハッキングやサイバーウイルスのリスク。2017年にカルソニックカンセイ(現マレリ)が設立した合同会社WHITE MOTIONはクルマのサイバーセキュリティに特化した会社で、代表取締役に就任したのは元マイクロソフトでサイバーセキュリティを長年担当した蔵本雄一氏。IT業界のフロントランナーがクルマ業界に飛び込ん

        • 【012】 good for you. 松浦弥太郎

          みなさん、こんにちは。いつしか車のことをモビリティと呼ぶようになって、そういう割にはそれをうまく表す日本語の言葉がないから、一緒に探しましょうと言われて、ここにいる車好きの松浦弥太郎です。 good for you.というのは「よかったね」とか「やったね」という意味ですけど、僕なりの車のプレイをいくつか書き出したら止まらなくて、今日はそういう車とはなにかという自分なりの楽しみ方をいくつか書いてみます。 最初のgood for you.は、「美しく走る」ということ。これはで

          【011】 スタイルのある女性達はなぜヴィンテージカーを選ぶのか

          『ヴィンテージカーは男の趣味の極み』なんて定説はもう過去の話になるかも!?クルマ業界が突入するモビリティ新時代において、実質的なターゲットの一端である女性層。女性向けにクルマをもっと簡単に、もっと可愛く、もっと経済的に。各社が”不慣れ”なプロモーションに四苦八苦する中、ヴィンテージカーをこよなく愛する女性たちもいます。長澤実香さんとNIMUさんはファッション業界の第一線で活躍する人気スタイリスト。その上、ふたりとも保育園に通う子どもを持つ現役ママです。そんなおふたりが毎日乗っ

          【011】 スタイルのある女性達はなぜヴィンテージカーを選ぶのか

          【010】メンバー対談「タイムレスカーに乗ろう」

          「いいクルマってなんだろう?」その問いはモータージャーナリストたちが、いつの時代も常に内ポケットに潜めている永遠のテーマです。いいクルマはきっと、モノとして成熟されていると同時に、時代の背景や人々の価値観によって変化していくものなのかもしれません。今回は、日常的に数多くのクルマを吟味しているINSPIRATIONS/MOBILITYのメンバーに、自身が愛乗しているクルマと一緒に集まってもらいました。佐藤夏生さんはメルセデスのGクラス、岡崎五朗さんはメルセデスのW124、島下泰

          【010】メンバー対談「タイムレスカーに乗ろう」

          【009】「車育のすすめ」その2 島下泰久

          INSPIRATIONS/Mobilityで定義した「車育」は、「食育」と同様に基本的には子どもを対象とするものだろう。しかしながら、これまた食育の場合と同じように、育む立場であるはずの大人が、必ずしもその概念を理解し、実践できているわけではないのも事実である。 特に運転マナーだったり、安全に対する知識や備えについては、話は深刻というレベルにあると言っていいと思う。改めて言うまでもなく、ここのところクルマが関わる深刻な社会問題が頻発している。当たり前だが、それらは皆、大人が

          【009】「車育のすすめ」その2 島下泰久

          【008】クルマを売る職業に未来はない? 渡辺敏史

          「今、販売店も人がいないってよく言われるんですが、あれは不足じゃなくて流出なんですよ。本当に人離れが止まらない」。 先日、とある会合にお手伝いとして参加していた際のこと。ある販社の店長さんがこぼした挿話が強く印象に残っている。 これは主に首都圏の話だからして、もちろん地域による差はあるだろう。が、どの業界でも人手不足が叫ばれる中、閉店後も回送や洗車などの顧客対応に朝晩夏冬関係なしに追われる自動車販売の現場が、それとは別ということは考えにくい。つまりより良い待遇や職場環境を

          【008】クルマを売る職業に未来はない? 渡辺敏史

          【007】「車育のすすめ」その1 岡崎五朗

          食育という言葉を耳にすることは多い。けれどその狙いや中身まで詳しく知っている人は少ないと思う。おそらく「子供にちゃんとしたものを食べさせる運動」程度に捉えている人が多いのではないだろうか。もちろんそれも重要な要素のひとつだが、食育の目的は他にもある。文部科学省は、2005年に制定した食育基本法の目的を以下のように定義している。 ・食べ物を大事にする感謝の心を育む ・好き嫌いしないで栄養バランスよく食べることを推進する ・食事のマナーなどの社会性を身につける ・食事の重要性を

          【007】「車育のすすめ」その1 岡崎五朗

          【006】メンバー座談会「モーターショーから垣間見るモータリゼーションの潮流」

          左から、島下泰久氏、佐藤夏生氏、渡辺敏史氏、岡崎五朗氏、岡崎心太朗氏。2018年10月 場所:EVERY DAY IS THE DAY(東京都渋谷区) 「ピクニックショー」に舵を切ったパリモーターショー佐藤夏生(以下、佐藤):昨年のパリモーターショーと今年のジュネーヴ、それぞれ成り立ちも雰囲気も異なるモーターショーだったと思いますが、それぞれについて伺っていきたいと思います。まずはパリに関して。心太朗くんはパリが初の海外モーターショーだったんですよね? 岡崎心太朗(以下

          【006】メンバー座談会「モーターショーから垣間見るモータリゼーションの潮流」

          【005】202X年、ゴルフは無くなる?EV化に邁進するVW 島下泰久

          フォルクスワーゲンの主力はゴルフからID.へと移行していく。新型ゴルフの近い将来の登場が囁かれているところだが、彼らの視線はもはやその次の時代の主力車種の方へと向いているのかもしれない……。 将来の電動化に対して目下、もっとも急進的なブランドと言っていいフォルクスワーゲンはジュネーヴ モーターショーでEVのコンセプトカー「ID.BUGGY」を発表した。古くからのファンにとっては一目瞭然、これはかつてビートルをベースに生み出されたデューンバギーを、フォルクスワーゲンのEV用プ

          【005】202X年、ゴルフは無くなる?EV化に邁進するVW 島下泰久

          【004】ジュネーブモーターショー2019を振り返って 岡崎五朗

          フォルクスワーゲン、日産、三菱、スバル、マツダが欠席したパリモーターショーを尻目に、今回のジュネーブはなかなかの盛り上がりを見せていた。主要メーカーで欠席だったのはボルボぐらい。しかしそのボルボも電動ブランド「ポールスター」で存在感をきっちり示していた。もちろんジュネーブ名物であるスーパーカーも健在で、フェラーリは488の後継モデルである「F8トリブート」、マクラーレンは「スピードテイル」、その他ブガッティやランボルギーニ、アストンマーティンといったハイブランドも気を吐いてい

          【004】ジュネーブモーターショー2019を振り返って 岡崎五朗

          【003】変革の時代に改めて思うこと 渡辺敏史

          誰がいったか、「百年に一度の大変革」。 自動車業界の舞台袖で様々なシーンを眺めてきた。それを文字を通して伝えることをかれこれ30年は続けてきた。その中でもこのキーワードが放つエネルギーはかつてないものだと感じている。思い返せばば90年代の合従連衡ブームも08年のリーマンショックも、これほど長期に、かつ広範に渡って影響をもたらすものではなかったかもしれない。 CASEに代表される技術的課題を克服するにあたり、自動車メーカーは莫大なコストを擁することになり、それに伴ってサプラ

          【003】変革の時代に改めて思うこと 渡辺敏史

          【002】この国のクルマの未来のために 島下泰久

          今クルマは、社会に於ける役割、あり方の急速な変化の渦の中に居る。 “CASE(Connected、Autonomous、Shared、Electric)”だったり“MaaS”といった言葉は、その象徴。人とクルマの関係は、きっとこの先、今までとは異なるものになってくる。 しかし日々の取材の中でひしひしと感じるのは、自動車メーカーにとって、これらは「いま始めなければならないこと」ではあるものの、将来的なビジネスとしての落とし所は必ずしもクリアになっていないということだ。たとえば

          【002】この国のクルマの未来のために 島下泰久

          【001】これからモータージャーナリストができること 岡崎五朗

          この仕事(モータージャーナリスト)を始めて30年。最初の10年はひたすら試乗記を書く毎日だった。乗ったクルマの印象を言葉に変換して読者に伝える・・・ただそのことだけに集中していた。もちろん、それはそれで楽しい作業だったし、いまでも試乗記の執筆は仕事の多くを占めている。さらに言うなら、「クルマは乗らなきゃわからない」は今も昔も変わらぬ基本原則である。乗らずに書くという行為は、料理を見ただけで書いたグルメレポートや、ワインを飲まないソムリエと同じぐらい無価値のもの。たとえ完全自動

          【001】これからモータージャーナリストができること 岡崎五朗