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土を喰らう十二ヶ月

曇りからポツポツと雨模様の空になった休日の日曜日の午後、新宿ピカデリーにて、久しぶりに映画を観た。

原作は水上勉さんの『土を喰う日々-わが精進十二ヶ月』とのこと。

なぜ観たのか?
YouTubeでたまたま観た映画の宣伝だったか、Yahoo!ニュースの記事からだったと思うが、沢田研二さんが出ていなければ観ていなかったと思う。

生き様をさらす。
まさにそれを体現している沢田研二さんの生き方がいいのか悪いのか、五十を既に過ぎた今も、恥ずかしながら分からないが、ただ憧れているということは少なからずいい生き方だなと思っている。

妻に先立たれた作家の男が山の中の一軒家で、幼少期に覚えた精進料理を作り、日々淡々と過ごしていく。
その料理はとても手間がかかる。
ほうれん草の根っこの汚れをとり、里芋の皮を昔ながらの道具で剥く。
食材は家の前にある自ら耕した畑から収穫したり、もしくは山の中から取ってきたり。
全て自分の体を動かさないといけない。

劇中に流れる音楽、冒頭から予想に反して、ジャズ、それも勢いのあるフリー・ジャズだった。
それらは大友良英さんが手がけたもの。

ラストを飾るのは沢田研二さんの「いつか君は」で、最近、映画と同時期にシングルが発売された。アルバム収録は1996年発表の『愛まで待てない』。33作目のアルバムとのこと。
沢田さんがこの映画に合っていると推薦されたらしい。(確かに合っていました!現在、ヘビロテ中。)

歳をとり、外見的には(よほど気をつけないと)無様にボロボロになっていく。しかし、内面は常に磨いていないといけないなと、改めて襟を正す気持ちで映画館を後にした。


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