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アイディエーション前にインスピレーションをお届け! - ハッカソンで、インスピレーショントークとデザインメンターを導入する可能性 -

インスピラボは、富士通のデザインセンターでサービスデザインに携わるデザイナーたちが、未来を発想するための「インスピレーション」を探索するために始動したプロジェクトです。

「#好奇心をドライブしよう」をコンセプトに、発想のきっかけとなる情報や体験の機会を提供し(インプット)、未来に向けた提案をつくりだす力(アウトプット)につないでいます。

先日私たちはハッカソンで、インスピレーショントークとデザインメンターを実施しました。そこでの実践と気付きを紹介します。



そもそもハッカソンって?

ハッカソンを調べてみると、このように解説されています。

ハッカソンとは、ハック(hack)とマラソン(marathon)を合わせた造語で、システムやソフトウェアの開発を担当するエンジニアやデザイナー、プログラマーなど関係者が集まり、短期間で集中的に開発を行うイベントです。

参加者がチームを結成し、意見やアイデアを出し合いながら、あらかじめ決められたテーマにそって開発を進め、最終日に発表してその成果を競い合います。近年では、社会課題を解決する目的としたハッカソンなど多様化が進んでいます。

フジトラニュース流 用語解説

富士通は長年、社内のみでハッカソンをやってきましたが、昨年より複数の企業の方と混ざり合って事業創出を行うスタイルに変えています。

今年のテーマは「未来の都市を想像せよ!各社の力を掛け算して2030年の私たちの街をデザイン!」。

約40名の方が集まり、2023年11月22日、30日、12月1日の3日間、渋谷のGolden Eggにて「OPEN INNOVATION EVENT FUJI HACK 2023秋」が開催されました。

OPEN FUJI HACK 2023フライヤー


アイデア前にインスピレーションを届ける「インスピレーショントーク」


私たちは、アイデアを出す前に発想を広げるために、インスピレーショントークを実施しています。

インスピレーショントークで話す内容は、今まで蓄積してきた価値観レポートや、先進事例などです。場のテーマに合わせて、キュレーションしています。

インスピレーショントーク

今回は「2030年の未来の都市」がテーマとのことで、以下5つの切り口で先進事例を選びました。

①移動の価値
②役割の変化
③自然との共創
④ウェルネスの多様性
⑤新たな市民共同体

今回キュレーションした先進事例の切り口たち

「先進事例」とは、世の中にある未来を紐解くような出来事や、最新の製品や研究など、様々な視点から発表された事例のことです。

インスピレーショントークではこれらの事例をお話しつつ、その事例から次なる可能性を生み出すための「問い」を投げかけます。
そうすることで、さまざまな観点から未来を想像してもらうことの一助になります。


バックキャスティングとリサーチ、時にUI/UXをサポートする「デザインメンター」


今回はインスピレーションの後にデザインメンターとしても関わりました。
デザインメンターとしてやったことは主に以下の3つ。

①バックキャスティングで進めるためのメンタリング
②各チームのアイデアに関する先進事例キュレーション
③UIメンタリング

それぞれ、具体的な内容を記載していきます。

バックキャスティングで進めるためのメンタリング
チームによってはかなり早い段階でアプリを作ることもあります。
動くものがあるとイメージもしやすくなり、またいろんな意見を吸い上げることにも有効です。

一方、アプリがあると技術起点の考えに縛られてしまい、「2030年の未来の都市」の想像を妨げてしまう可能性もあります。

「未来のありたい姿」や「未来でもなお課題になっていそうなこと」を想像し、そのうえで解決策を考えていける(=バックキャスティングですすめていける)よう、問いかけとグラフィックファシリテーションを用いて、煮詰まっているサポートを行いました。

②各チームのアイデアに関する先進事例キュレーション
ドンピシャの情報があるかどうかは別として、希望があったチームからは、各チームのアイデアに関して先進事例のキュレーションを行いました。

たとえば、各チームからはこのような依頼がありました。

ハッカソンって時間がないので、
リサーチ部分を効率化していくのは大事ですよね。。。

③UIメンタリング
ハッカソンでは何かしらアプリを作りますが、その際にUIメンタリングを依頼してくれたチームがいました。

「なんかごちゃごちゃして、わかりづらいんだけど、どうしたらよくなるのかがわからない…」とのこと。

情報の構成やフォントなどついてメンタリングしました。

「ただ作る」だけじゃなく、「ユーザーについて使いやすいものにする」って
とっても大事だなとあらためて思いました

3日目の最後は、各チームのピッチと審査員向けのDemoプレゼンがありました。

デザインメンターに入ったチームが審査員の前で話すときは、こちらもドキドキします…
審査発表&参加者のみなさんとの集合写真
おつかれさまでした!


ハッカソンで、インスピレーショントークとデザインメンターを導入する可能性

最後はみなさんと懇親会。その中で、今回実施したインスピレーショントークやデザインメンター実施による参加者の声を聞きました。

インスピレーショントークについて

  • 自分の普段の生活では目にしない事例が多くて面白かった

  • アイデアを考える上でヒントになった。「こんな事例があるなら、こういう案だっていいんじゃないか」など、発想に広がりが出たように思う

  • 事例にプラスして問いが設定してあったので、こんな未来もあるかも?と2030年の未来を考えるきっかけになった


デザインメンターについて

  • バックキャスティングの問いかけをしてもらうことで、技術によりすぎたり、ギークになりすぎたりすることが防げたと思う

  • いろんな事例や、いろんな思考のフレームワークを知っていて、メンタリングを受けていて楽しかったし学びになった

  • 自分の作ったUIは汚いな…と思っていたけれど、メンタリングに入ってもらうことで、1時間で”これいいな!"と思えるUIになった

3日間のハッカソンでお疲れのところ、声を寄せてくださったみなさま、ありがとうございました!


今回のハッカソンのような事業創出の取り組みだけでなく、新しいサービスやビジネスを考えるワークショップ等でも、インスピレーショントークやデザインメンターを実施することも可能です。
富士通社内だけでなく、さまざまな企業様において対応できます

こうしたご相談は、以下までご連絡ください!

インスピラボご紹介
インスピラボ窓口:fj-design-research@dl.jp.fujitsu.com

(執筆:小針美紀

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