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ちーちゃんとの出会い

ある夏の日、私はまだ高校生で、たぶん文化祭が終わった頃です。いつものように自転車を一生懸命漕いで、お家に帰ると1匹の猫がスリリ〜〜と体を寄せてきました。

華奢で小さな黒い猫 ♩
かよわいかわいい小さな猫 ♩

人懐っこい野良猫に偶然出会えてラッキーだな〜と鼻歌を歌いながらニャンゴロしている君を撫でまくりました。ちいさい。かわいい。

少し寒くなってきて、そろそろ帰ろうかな〜と思って立ち上がると、小さなお口で「ンミャーーーー!」と鳴きました。
おなかがすいたよね、そうだよね。

私は家の冷蔵庫からこっそり竹輪を2本くすねて、小さくちぎってやりました。
美味しそうにガツガツ食べていて、見てるだけで癒されました。

帰って母に、猫がいたよ〜。竹輪あげちゃった〜♩と報告すると、玄関に正座させられました。

「おとなりさんが引っ越してきたのは、前の家で丹精込めて育てた花に猫がウンチするのが嫌だったからなのよ。あんたが餌付けたら意味が無いじゃない。二度としちゃいけません。」

至極真っ当な説教を受けて落ち込みましたが、あまりにも可愛い猫だったので「だったら飼えばいいじゃん」と口答えしてしまい、その晩は母と大喧嘩になりました。

そして3日後、しつこすぎる私の要求に母が折れ、黒猫を家に住まわせることになりました。

うちに猫が、生き物がやってくるなんて8年前の夏祭り以来(この時は食いしん坊な金魚)だったので妹も弟も父も、実は大の猫好きな母も大喜びしてルンルンでした。(母は実家にいる時よく野良猫を部屋に連れ込んで煮干しをあげていた過去があります。余談ですが)

そうして、名前を何にしようかと、家族会議を行いました。クロ、チビ、豆、色々候補はありましたが、選ばれたのは『ちくわ』でした。

本名:〇田ちくわ

ちくわのちーちゃんです。

ちくわあげちゃだめって説教されたのに、名前がちくわになりました。なーんだと少し拗ねましたが、売れない芸人みたいな、うちの美人な猫には正直合ってない微妙な感じの名前でも、なんだか愛着が湧いて気に入りました。

ちーちゃん、いまではたくさんご飯を食べてふくふくになりました。やんちゃな弟分の相手をしながら、のんびり暮らしてくれています。

次回はやんちゃな弟、きじとの出会いについて。

読んでくださってありがとう。^ᴗ.ᴗ^

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