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2022年4月5日 ギフチョウ採集

はじめまして。かずと申します。
本日より、採集記録としてブログを開設することにいたしました。皆さんにも楽しんでもらえるよう、精一杯頑張りますので、これからどうぞよろしくお願いいたします。

さて、早速ですが、記念すべき最初の投稿は春の訪れを知らせてくれることで有名なあの虫、「ギフチョウ」です。ご存知の方も多いのではないでしょうか。
ギフチョウはまだ一度も採集したことがなくて、憧れのチョウの一種でした。



ギフチョウは、チョウ目アゲハチョウ科ウスバアゲハ亜科ギフチョウ属に分類されるチョウです。
学名はLuehdorfia japonica、日本のギフチョウという意味です。外国にもギフチョウ属は生息していますが、詳しい種類は分かりません。

主な特徴と生態は、下草の少ない落葉広葉樹林に生息しており、年に一度、3月下旬〜6月中旬に発生し、カタクリ、ショウジョウバカマ、スミレやサクラの仲間の花の蜜を吸蜜します。豪雪地帯では雪解けが遅いので、発生は遅めです。

幼虫の食草は、ウマノスズクサ科カンアオイ属のミヤコカンアオイ、ヒメカンアオイなどです。蛹の期間は10ヶ月ほどで、非常に長いです。落ち葉の下で蛹化します。

ギフチョウの近縁種には、ヒメギフチョウという種類がいます。これの食草はウマノスズクサ科のウスバサイシンやオクエゾサイシンなどです。

ギフチョウとヒメギフチョウは分布が明確に分かれていて、この2種の分布境界線はリュードルフィアラインと呼ばれています。このリュードルフィアライン上には、ギフチョウとヒメギフチョウの混生地がいくつか点在しています。この混生地では、2種間の雑種も見られています。

導入が長くなってしまいましたが、本題に入っていきたいと思います。


4月4日の21時ごろ、自宅を出発しました。ここからポイントまで5時間半...長い移動時間にはなりましたが、運転は好きですし、何よりギフチョウのことで頭がいっぱいでワクワクしていたので、時間が過ぎるのはとても早かったです。
4月の頭は雪がまだ残っているかな?と思いスタッドレスタイヤで行きましたが、いざ行ってみると道路にはもう雪は残っていませんでした。これならノーマルタイヤでも平気かも...?ただ、道路に面した森林には未だに1.5メートルほどの残雪が。念のためこの時期でもスタッドレスタイヤは履いておくべきでしょうか。。
翌日2時半ごろに現地の道の駅に到着しました。街灯と自販機があったので、何か虫はいないかなと思い見に行きました。すると..

上半身の青いカエル

なんと上半身の青いカエルが...!!
色彩変異のあるカエルは初めて見たので、とてもびっくりしました。意外といるのかな?それともレア?

このカエルを観察した後、そのまま車の中で就寝。

朝8時半ごろ起床し、朝食を食べながら気温が高くなるのを待ちました。晴天でとても気持ちいい、採集日和でした。
2つの山を登山しながら、登山道に出てきた個体を採集するという計画で採集をしました。

早速1つ目の山へ移動し、登山者専用の駐車場に車を止めいざ入山...しようとしたら登山道の入り口手前にギフチョウが!!
突然のことでびっくりして、採集し損なってしまいました。。

その後入山し、20メートル上がったところにギフチョウが飛んでいたのでネットイン。
見事初採集を果たしました!!しかも完品!幸先の良いスタートです^ ^

初採集のギフチョウ

なんでもそうですが、初採集した時は興奮がしばらく収まりませんね。笑
喜びも束の間、また別の個体が飛んできました。すぐ網を構えてまたネットイン。

2匹目

まだ10分も経ってないのに2匹、もしかしてギフチョウ採るのって、そんな大変じゃない...のか?と次々と飛んでくるギフチョウを見ながら思ってしまいました。笑

4合目くらいまで登っていると、おじいさん4人組と出会い、山頂まで一緒に登ることになりました。
昆虫採集はこういう出会いも楽しみの一つです。植物にとても詳しい方達だったので、登山道の片隅に咲いている花の名前を聞きながら、写真撮りながら登りました。

ショウジョウバカマ
カタクリ
ユキワリソウ
カンアオイ(詳しい種類は不明)

春を代表する植物がいっぱい咲いてました。
カンアオイは初めて見ましたが、このなんとも言えない食虫植物感...不思議な植物だなと思いました。

正午近くに山頂に到着しました。
山頂に吹き上がってくるかな?と待っていましたが、きたのは3匹だけ。山頂では1匹しかネットインできませんでした。ギフチョウの他に、越冬個体ですがヒオドシチョウもいました。

山頂で採集した個体
ヒオドシチョウ

昼食を山頂で食べ、下山。
おじいさん4人組との別れは少し寂しかったです。一期一会の出会いは大切にしたいですね。

下山ルートは、登りで歩いたルートとは別のルートで降りました。後々このルートを選んで正解だということを目の当たりに...



下山ルートを歩いて10分後。なんとそこにはカタクリの群生地が!

カタクリの群生地

ここは絶対ギフチョウ飛んでくるだろうと思い、待ち構えていると、いっぱい飛んできました。
しかし、ここの個体たちは欠けだらけ。。
同じ山でも場所によってこんなに変わるんだなと思いました。もう少し時期が早ければ、綺麗な個体がいっぱいいただろうな...。

少し採集は控えて、写真撮影に切り替え。

カタクリにて吸蜜するギフチョウ
カタクリに止まって羽を休めるギフチョウ

ギフチョウとカタクリは最高の絵になりますね^ ^
しばらく写真撮影を楽しんだので、途中でぼちぼち追加しながら駐車場まで降りました。




少し小腹を満たしてから、2つ目の山へ。
この山は、午前中に登った山よりも標高が高かったので、新鮮な個体が多かったです。

2ポイント目の1匹目

ここは1つ目の山よりも個体数が多い。まさにギフチョウの楽園でした。1匹赤が派手な個体が採れましたが、右後翅上の鱗粉が禿げてしまったのでリリース。惜しいことをしました。

赤が派手な個体

この山は、山の斜面が急で20、30メートル進むごとに休んでいました。途中何度も引き返そうと考えていましたが、山頂からの景色を拝むまでは帰れないと思い、頑張って登りました。

その努力も身を結んだのか、その日一番綺麗でスレのない、ド完品を採集することができました!!

写真撮影時、表の鱗粉が剥がれるのが嫌だったので、採集地点記録のための撮影しかしませんでした。
標本が出来上がり次第、随時紹介していきたいと思います。

一番綺麗な個体

そんなこんなで無事山頂まで登りきりました。疲れてヘトヘトでしたが、山頂からの景色はものすごい良い眺めで、頑張って登った甲斐があったな、とひとり景色を見ながら黄昏てしまいました。笑

山頂まで登り切った頃は16時近く。今日はここまでだな、と思い下山。
下山中も数匹のギフチョウを発見しましたが、採らずに見るだけにしました。必要数以外は採らない。採集をする上で最も重要なことです。
1時間も経たずに下山し終え、そのまま帰路につきました。

その日は30〜40匹と、かなりの個体数を目撃しました。そのうち持ち帰ったのは13匹。ギフチョウ自体初採集ということもあって、当初の予定はたくさんいたら10匹持って帰るつもりでしたが、それより3匹多く持って帰りました。

とても充実して楽しい1日になりました。
自然豊か、人も優しい、山からの眺めが最高。また来年も行けたら絶対行きたいと思います。

今回はここらでよかろうかい。

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