![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/71633522/rectangle_large_type_2_13a0ab29f03d85c17967216984e600ca.png?width=1200)
失語症者の喚語困難に対する新しい訓練【RISP法】の紹介
記事を閲覧していただき、ありがとうございます
この記事は、
失語症者に対してRISP法を本格的に実践したい
ST向けに書いています
【無料部分】で
・RISP法の概要
・RISP法の文献紹介
・RISP法の実施手順
を紹介します
【有料部分】にて
RISP教材のパワポデータを配布しています
文献通りのRISP法を実践したい方は、
ぜひPowerPoint教材の購入をご検討ください
RISP法の概要
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/71611889/picture_pc_894f8afa35d7c3825afe63f13de7f408.png?width=1200)
【RISPの概要】
RISPとは、
失語症者の喚語速度を向上させ、
会話への汎化を目指す訓練法
スムーズな会話を実現するためには
1秒での喚語が必要と言われています
RISP法は
プログラム開始時は3秒で呼称を行うが、
終了時には1秒での呼称を目指す訓練法です
英国で紹介され、
日本でも原著論文が発表されています
RISP法によって、
喚語の精度と速度が向上し、
なおかつ会話での喚語能力も改善し、
さらに1ヶ月後もその効果が持続した
と報告がなされています
文献紹介
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/71612156/picture_pc_4d5ff2ec4ac0d90ac2f501ea9bdbc0ef.png?width=1200)
RISP法は、英国の
『Time for a quick word? The striking benefits of training speed and accuracy of word retrieval in post-stroke aphasia』
という論文に記載されています
RISPはRepeated, Increasingly-Speeded Productionの略です。
直訳は、
「繰り返す中でどんどん速く発話する」
となります。
国内では、
『喚語障害を主症状とする失語3例に対する
repeated,increasing-speeded production(RISP)
訓練の試み』
という原著論文で紹介されています
RISP法の効果
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/71612297/picture_pc_9dabb2883bbe327fda7876b189d9063c.png?width=1200)
それぞれの文献の要約をPICOで示します。
要約
『Time for a quick word? The striking benefits of training speed and accuracy of word retrieval in post-stroke aphasia』
■対象患者
・右利き
・母国語は英語
・聴覚/視覚が正常または正常に近い状態
・MRI検査に矛盾がない
・言語以外の著名な認知機能の低下はなし
・最低限の音声単語の反復能力を有する
・重度の命名困難がない
・重症度とタイプが異なる慢性期失語症者20名
(男11名女9名、平均年齢65.2±11.7)
■治療法
12回/6週間の速度と精度に焦点を当てた治療
(以下:RISP法)を実践
■比較対象
標準的な精度のみの治療
(以下:一般的な呼称訓練)と比較
■結果
・一般的な呼称訓練では、喚語の精度が向上した
・RISP法では、
絵の喚語の精度と喚語速度が有意に向上し、
効果は1ヶ月後も持続した
・情景画の説明では、
一般的な呼称訓練に比べて
RISP法が有意に訓練語以外の語の産生を認めた
要約
『喚語障害を主症状とする失語3例に対する
repeated,increasing-speeded production(RISP)
訓練の試み』
■対象患者
・言語以外の著名な認知機能の低下はなし
・慢性期のタイプの異なる失語症者3名
■治療法
RISP法を取り入れた訓練を40分 1回/週 計8回
■比較対象
同症例に一般的な呼称訓練も実施し比較した
■結果
・3例ともRISP法によって
有意に呼称正答率が向上した
・いずれの症例も、効果が1ヶ月後でも持続した
・情景画の説明課題では、RISP群の全例で
「発話中に訓練語が産生される比率」が
訓練前に比べて訓練直後に10%以上増加した
・2/3例において、この効果が1ヶ月後も持続した
RISP法の実施手順
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/71612687/picture_pc_4c54c4a077f9818075b831f75f6744e9.png?width=1200)
では、RISP法の訓練手順を紹介していきます
まずは下記動画をご覧ください。
/
— 言語聴覚士たあ/リハアプリ紹介中 (@FfMou0siEcLDqoI) February 6, 2022
喚語速度を向上し
円滑な会話を実現する
RISP訓練
\
海外や国内で紹介されている訓練法を
PowerPointで作成中!
iPadをお持ちでない方も
PowerPoint教材なら使えますよね!
完成次第
noteにup予定です👈
乞うご期待😆 pic.twitter.com/X0Dctz8sbq
このように、RISP法では
一定時間のイラストの提示
⬇️⬇️⬇️
解答の表示
⬇️⬇️⬇️
誤答の場合は3回音読
という手順で行う訓練法です
一定時間(いわゆる潜時)を
対象者に気づかれずに短くしていくことで、
1秒での喚語を可能にしていくのが特徴です
英国の論文では、
3.0秒 2.5秒 2.0秒 1.6秒 1.3秒 1秒
と潜時を短くしています
日本の論文では、
5秒 4秒 3秒 2秒 1秒
と潜時を短くしています
どちらの方法でも効果はあるようです。
一般的な呼称では、
喚語完了までの時間はありません
RISP法では、喚語時間が制限されています
この差が喚語の精度と速度を向上させるようです
有料記事『RISP教材』について
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/71627950/picture_pc_4be6de4bfb43240960b12759466fe8b3.png?width=1200)
有料記事を購入することにより、
RISP教材が手に入ります。
有料記事内にあるデータは以下の通りです。
①6段階分のRISP訓練課題(PowerPoint)
(3.0秒、2.5秒、2.0秒、1.6秒、1.3秒、1.0秒)
(1つのパワポにイラストは67枚収録)
②試行回数や具体的教示方法を記載した資料(Word)
次の日からすぐに
使用できるようにしております。
なお、単品1280円ですが、
セット価格はもっと安いです。
安く購入したい方はこちらを参考にどうぞ。
ここから先は
¥ 1,280
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?