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星野リゾート リゾナーレ トマム 宿泊記

この歳にして、初めて北の大地に降り立ち、ついに北海道ヴァージンをロストしました。

この雪国旅行がとても楽しく、新鮮だったので、長らくさぼっていたブログを再開するきっかけにしたいと思います。

北海道に詳しい人にとっては、大した情報は提供できないと思いますが、初体験ではしゃいじゃって可愛らしい奴だ、と慈愛の心を持って読んでくださいませ。

初の北海道旅行記

九州を拠点にしているからか、滑り系スポーツをしないからか、寒いのが苦手だからか、なかなか北海道には足が向きませんでした。

夏の北海道には行ってみたいと思っていたけど、冬に北海道に行くなんて、考えたことも無かったのです。北海道は冬がハイシーズンと聞いて驚いたのは、つい最近のこと。

そんな北海道ビギナーな僕が、プロ遊び人に連れられて、真冬のトマムに行ってきました。目指すは星野リゾート リゾナーレトマム。

寒波がやってくるという予報の中、条件付きフライトで飛び立ちましたが、無事に新千歳空港に到着。

新千歳空港

楽しいぞ!新千歳空港!

まずは、新千歳空港を楽しむぞ!ということで連れて行かれたのは、空港の中にある立喰いのお寿司屋さん。

お昼時でもないのにすでにできている行列が、期待を高めてくれます。

札幌魚河岸 五十七番寿司

並ぶこと20分ほどでカウンターに案内されました。

女性職人さんも。雑踏の中、凛とした雰囲気が漂う

まずは、聞いたことのない魚からオーダー。

八角?ハッカク?

(たぶん)これが八角

美味いいっ!

後で知ったことですが、八角は北海道ならではの魚で、道内でも流通が少ない珍しい魚とのこと。

空港でこんな美味しいお寿司が食べられるなんて、さすが北海道。

まだまだ食べたいところですが、「次はジンギスカン食べに行くから控えめに」という指令に従い、4貫ほどで我慢。(それでも立ち食い寿司とは思えないお値段・・・)

そして次はジンギスカン。

松尾ジンギスカン。北海道と関東で多店舗展開している。

朝っぱらからこのハシゴぶり、、、高校ラグビー部員なみの食欲。

ラム肉は好きだけど、そういえばちゃんとしたジンギスカンって食べた記憶が無いなぁ、どんな味だっけ、と思いながら、、、

美味いいっ!!!

なんて合理的な鍋。

ラムの臭みをとるためなのか、生姜の効いた甘辛い味付けが最高。そして、ラム肉の柔らかいこと!

福岡では、「ひつじ家。」というラム肉専門店があって、たまに行くのだけど、ジンギスカンは食べた記憶が無いのです。調べてみると、ジンギスカンあるし、そして好評だし、、、。他にもジンギスカン料理の美味しい店は沢山あるようで、これは日常的にハマりそう。

こうして、ジンギスカン・ヴァージンもロストしてしまいました。

そして次は「きのとや」のソフトクリーム。きのとやは福岡には無いのですが、アップルパイで有名なBAKEは、きのとやの創業者の息子さんが立ち上げたブランドで系列店ということもあり、商品や店舗の雰囲気は馴染みがあります。

美味いいっ!!

きのとやのソフトクリームは、濃厚を通り越して、もうバタークリームの域に達しています。噛んで食べるという感覚。味ももちろん濃厚で、ソフトクリーム大好きな僕も初めての体験でした。

作ってくれたお姉さん、ちょっと失敗したなー。ピサの斜塔くらい傾いてました。

北海道に着いて2時間足らずで北海道名物を3つも味わうという効率の良さ。それも空港で。

新千歳空港は、名産店が揃い踏みで、ウロウロするだけでも楽しく、あっという間に時間が経ってしまいます。

市場のような雰囲気
ロシア産が多いみたい。でも海はほぼ一緒。

北海道ビギナーの方は、新千歳空港での時間と、胃袋のスペースも見込んで行程を立てましょう。それと、お土産を入れるのための大きめのバッグもあると良いですね。

いざ!トマムへ

そしていよいよ、快速エアポートで南千歳駅に移動し、特急あおぞら号でトマムへ。

特急あおぞら261系。凛々しいっ!

僕は中学生の頃、新潟に3年近く住んでいたこともあり、雪景色は見慣れている方だけど、やはり北海道のランドスケープは質が違います。広大な大地の雪景色は、本当に美しい。夏の風景もきっと素晴らしいのでしょう。

車窓から

1時間半ほどでトマム駅に到着。駅からは、ホテルの専用バスが送迎してくれます。

トマムは「沼のある谷地のところの川」
シムカップは、「静かで平和な上流の場所」
という意味らしい。なんと美しい響き。

ホテル到着

駅を出発するとすぐに、山を背景に聳え立つタワーが現れます。

なんと32階建て。都心でもそこそこの高さのタワー。

こんなのどかな場所でタワー?と一瞬頭をよぎるのですが、この過酷な環境でホテル運営を考えると、当然の結果なのかもしれません。

建物を、低層にして平面的に広げていくと、風土に馴染んだリージョナルな光景を生み出すことができるかもしれませんが、屋根に積もる雪の問題や、温熱効率、客・スタッフ共に移動の問題などがあり、タワーにせざるを得ないのでしょう。タワーにすることで、床面積を最大化しながら、地面に対するインパクトを最小限に抑えることが可能です。

そう考えていくと、これはこれで、北海道の風景のあり方の一つだと言えます。

ヨーロッパで普及しているCLTを用いて、木造タワーにすると、さらに素敵だなぁ。

環境デザインを生業にしている目線で、ちょっと小難しい事書いちゃいました。

4本聳え立つ宿泊棟は、2本1セットで、2つのゾーンに分類されます。

一つは、ザ・タワーと呼ばれる2棟。もう2棟が、今回我々が泊まる、リゾナーレ。

トマム ザ・タワー(星野リゾート公式HPより)

リゾナーレは、全室スイートルームで、ザ・タワーよりもグレードが上になります。

リゾナーレ(星野リゾート公式HPより)

広大な敷地の中で、移動するのに便利なのは、中央付近に位置するザ・タワー。日中はスキー三昧で夜は爆睡という方は、タワーで十分でしょう。

この2つの宿泊ゾーンを中心に、スキー場を含む広大な敷地に、様々な施設が点在しています。

全体像(星野リゾート公式HPより)

駅から10分もかからずリゾナーレ棟のレセプションに到着。

レセプションやロビーは、天井の高さも抑えられていて、小ぢんまりとした印象。

フランクロイドっぽいインテリアのレセプションロビー

冬の暖房効率を考えて空間の気積を小さくしているのでしょうか。

空間の大きさが適度に抑えられているからか、相対的に大きく感じる窓から雪に反射した光が入ってきて、雪国特有のふんわりとした明るさの落ち着いた空間です。派手さは無いけど、とても居心地が良く、好感が持てます。

少し早く着いたので、チェックインだけ済ませ、Books and Cafeというラウンジへ。

隣接している階段状のスペースは、キッズスペース。土地の傾斜を生かした楽しそうな空間です。(誰もいなかったけど、、、)

階段状のキッズスペース

カフェは、レセプションとは対照的に、天井が高く、窓も大きくて、明るい空間です。その名の通り、図書館のような雰囲気。

図書館のようなカフェラウンジ

昼間はソフトドリンク中心だけど、夕方からアルコールも出て飲み放題。自分でサーブするのもあるけど、ハイボールなどはスタッフの方が作ってくれます。

お勧めはやはり小樽ワイン ナイアガラ。九州でもコンビニで手に入る時代ですが、やはり地元で雪を眺めながら飲むと3割増で美味しく感じます。

ちなみに、ザ・タワーにも同様のラウンジがあって、こちらもなかなか魅力的な空間と飲み物が用意されています。リゾナーレの宿泊者は両方楽しめるようなので、散策ついでに覗いてみても良いかも。

ラウンジを出て館内散策へ。

ヘラジカでも現れそうな雰囲気

建築的には、良い意味での手の抜き方が絶妙で感心しました。

古いリゾートホテルを星野リゾートが買い取ってリブランディングしたという歴史がありますが、無駄にお金をかけていません。

例えばこのレストラン。

仮設みたいな、無骨な鉄骨造で、恐らく超ローコストですが、林の雪景色(夏は豊かな緑でしょう)をしっかり見せるという点、つまりガラスの大きさにはしっかりとお金をかけています。

主役は建物ではなくて風景なのだと言わんばかりの大開口部
開口部というより、壁が透明になったという感じ。

押さえるべきところはしっかりと押さえているのが、さすが星野リゾート。

雪の中コタツに入って暖をとるという粋な演出
ゾーン間の徒歩移動はこうしたガラス張りのブリッジで

部屋に入室

館内散策で、ある程度全体像を把握し、ついに部屋へ入室。

今回泊まらせていただいたのは、スイートフォースタイプ。広さは100㎡くらいあるのではないでしょうか。

スイートフォース

全体的にやや古さを感じさせるものの、水回り(ジャグジーバス)の位置が絶妙で、その点はとても参考になるプランです。

星野リゾート公式HPより

1フロアに4部屋しかなく、全てがいわゆる角部屋。その角が大開口部になっていて、ジャグジーやサウナ、洗面が設置されています。トイレは、全く別の場所に個室で用意されていて、とても広い。スキーウェアなんかを着ていても便利なように考えられているのでしょうか。

あいにくの曇天でしたが、むしろ快晴よりは寒空と雪景色を眺めながら入る方が、北海道らしい楽しみ方だと思います。

個室が2つあり、一つの部屋には水回り(トイレとシャワー)がついていて、2組の4人くらいで泊まると、かなりゆったりとした宿泊が可能です。

個室(小)

アイスヴィレッジ

暗くなった頃合いを見計らって、星野リゾートトマムの名物スポット、アイスヴィレッジへ。

その名の通り、氷でできたヴィレッジ。

星野リゾート公式HPより

-15℃くらいの寒さの中、氷でできた滑り台やら、氷でできたパオ状の建物を巡ります。

瞬間氷結カクテルを飲んだり、マシュマロを焼いたり、、、

氷のBAR(星野リゾート公式HPより)
注いだ瞬間に凍る、瞬間氷結カクテル(動画からキャプチャ)

結婚式を挙げる教会(氷の教会)もあるし

氷の教会(星野リゾート公式HPより)

なんと宿泊棟(のモデル)まであります。もちろん、全て氷でできた建物。

寒そう・・・(星野リゾート公式HPより)

小ぶりなスケートリンクもありますが、今回はクローズドでした。

寒いからこそ出来ること、寒くないと出来ないことが、アイスヴィレッジではふんだんに用意されています。

もちろん、スキーやスノボも寒いという環境を楽しむ方法の一つでしょう。でも、このアイスヴィレッジは、雪国の魅力を高め、楽しみ方を拡げているように思います。さすがは星野リゾート。

と、しっかり褒めておいたところで、ガッカリした点を挙げると、直営のレストラン。館内にはいくつかテナントとしての飲食店もあるのですが、今回は直営のヴュッフェを選びました。

そこそこの金額のヴュッフェで、品数も多いし、カニを謳い文句にしていてゴージャスな感じはするのですが、、、バカ舌の僕ですら、食べきれずに残してしまうほどのクオリティ。

これもまぁ、この規模でこの立地であれば、理解はできます。これが限界なのでしょう。

安藤忠雄の名作「水の教会」

とりあえず、お腹は満腹になり(文句言いながらもガッツリ食べましたよ)次はいよいよ、安藤忠雄の名作、水の教会へ。

実は、この建物がこのリゾート施設にあるというのは、到着してから気づいたのでした。

現在、夜の1時間だけ開放されていて、見学することができます。昼間はこのシーズンでも結婚式が執り行われているとのことで、立ち入り禁止です。

the ANDOな階段


開始時間ちょうどに行ったのにも関わらず、大勢の見学者で溢れていました。

安藤忠雄さんの人気ぶりをここでも感じます。

十字架が立つ水面は雪で覆われていて、水の教会というよりは、「雪の教会」

ほんのりと暗い空間から、ライトアップされた雪の中に立つ十字架を眺めるのも、もちろん素敵でしたが、やはりこの教会は昼間の、それも雪解けの夏の方が似合う気がします。

水の教会公式HPのフォトギャラリーより
水の教会公式HPのフォトギャラリーより
水の教会公式HPのフォトギャラリーより


この時点で、まだ21:00

でもすでにヘトヘトです。服をたくさん着込んで動きにくい中、雪道を歩くことで、普段よりも体に負荷がかかっている気がします。

温泉に入ろうということになり、巡回バスに乗って、スパエリアへ。

巨大な室内プールの中に、温泉施設があります。

星野リゾート公式HPより

部屋にも立派なジャクジーがあるので、大浴場はあまり気が進まなかったのですが・・・

疲れた体にムチ打って行って、大正解でした。

寒いという快楽

まさに、「寒いという快楽」を体験することができました。

ここでは、湯船は露天風呂しかありません。外気温はおそらく-20℃近く。お湯はかなり熱めで、すぐに外気に身を晒すことになります。

当然、すぐに体は冷えて、湯船へ。この、究極の温冷交代浴は、サウナのそれとはまた違う気持ちよさ。

露天風呂 (星野リゾート公式HPより)

気づくと、髪の毛が完全に凍っています。この体験は、寒いところでしかできません。ライトアップされた雪景色を眺めながら入るのもオツでしたが、ここも、日中明るい時の方が気持ち良さそうです。

この時点でまだ22:00。なんとも濃密な初日です。

部屋に戻り、ワインでも飲もうかなと思っていましたが、かなり疲れていたようで、ソファで寝落ちするハメに・・・

2日目

チェックアウトは11:00。普通ですが、できたら12時にしてもらいたいなぁ。フライトは18:30くらいなので、まだまだ時間があります。

チェックアウトを済ませて荷物を預け、これまた星野リゾートトマムの人気スポット、「霧氷テラス」へ。

「雲海ゴンドラ」に乗り、標高1088mの雲cafeへ向かいます。

ゴンドラって、乗ってるのはせいぜい5分くらいのイメージですが、雲海ゴンドラは、体感では15分くらい。たっぷりと風景を楽しめます。(寒いけど)

ゴンドラの終着点から、5分ほど雪道を歩くと、クラウドバー、クラウドウォークと名付けられた展望スポットがあります。クラウドバーは楽天トラベルのCMで、ももクロが座ってます。

クラウドバー
天候が良ければこんな感じ
(星野リゾート公式HPより)

だけど、すごい吹雪・・・

ホワイトアウト

景色を楽しむというよりも、一面真っ白でホワイトアウト状態。

これはこれで新鮮な体験なのだけど、5分の道程といえども遭難しかねない状況で、さっさとカフェに引き返し、ホットカクテルで暖をとりました。

雲海ゴンドラに乗って下山し、スープカレーを食べて体を温めたところで、高速バスで新千歳駅に向かいます。

さあ帰ろう

新千歳駅とトマムの行き来は、全部で3つの方法があります。

1つはJR。所要時間は最も短くて済みます。もう1つはレンタカー。ほとんどのレンタカーが4WDのようですが、運転に慣れていないと雪道は危険だし、時間もかなりかかります。そしてもう1つが、このリゾートライナーという高速バス。JRよりは時間がかかりますが、ホテル前から空港まで直行なので、とても楽です。それと、JRは雪などの影響で止まりやすいので、バスが無難かもしれません。

交通手段については、丁寧にまとめてあるサイトが沢山あるので、ご紹介しておきます。

新千歳空港に到着し、北海道ラーメンを食べて、お土産を買って、ラウンジでのんびり。今回は広島経由だったので、福岡に帰り着いたのは深夜の12時前くらいでした。

いやー、とても楽しい1泊2日でした。さっと行って濃密に楽しんでさっと帰ってくるという、この効率の良さも旅の楽しみ方の1つ。とはいえ、やはりもう1泊したかった・・・。

北海道、楽しいなぁ。次は夏に数泊かけて行ってみたいと思います。

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