シーズン終了の6ヶ月後、果たして私は笑っているのか
あっという間に11月が終わりを指し、
2023年、最後の月、「師走」がやって来る。
今年もあっという間だったな、
と毎年口にする。
この季節は人肌恋しいなとか、
毎朝の通学風景が初日の出と同じだとか、
『今日の気温3℃』という看板をみれば、
おい、まじかよ。
という本音が漏れる11月。
これ、1月、2月の夜練は凍えてしまうのではないか。
ウエスカで冬を越せるのか?
この怖さは
「明日の練習走りだって」
と宣告されたような感覚だ。
果たして、無事に越えられるのだろうか。
12月は残り2試合。
その後は、クリスマスのウィンターブレイクを挟むため、2週間公式戦が無くなる。
チームの中でも、少しずつ心身に疲労が溜まっている様子が見える。
そんな中、
「クリスマスもサッカーしてえな〜」
とぼやく私を
「お前は頭がおかしい」
と称賛してくれるチームメイトがいる。
もはや1周回って、
loca(クレイジー)は褒め言葉に近い。
振り返れば、クリスマスにサッカーがない日々はいつぶりだろうか。
この季節に寂しさを覚えたのは、
シーズンの終わりの始まりを知らせるからだ。
「確立された試合はあと1試合」
「自分たちで試合数を多くしよう」
「優勝して引退しよう」
こうやって口にする日々が始まる。
かれこれ、中高大と合わせて10年間はこの流れだった。
年越しをかけた全日本高校女子サッカー選手権大会。
クリスマスに兵庫へ移動した全日本大学選手権大会。
メリークリスマス!
に顔を合わせるのはなぜが、チームメイト。
そんな毎年だ。
このシーズン、
人生の半分以上は、どこかに遠征をし、
慌ただしいクリスマスを過ごした中、
今年は「シーズンの中間地点」として
カウントされるような気がする。
気づけば、3ヶ月前の今日、スペインへ旅立った。
毎日を積み重ねる中で、
「このままで良いのか?」と問いかける。
自分に嘘をついていないか、
1日のケアは足りてるか、
練習量は不足してないか、
食事は満たしているか、
睡眠は良好か、
数え出したらキリのない
こだわりがある。
この前、匿名でチームメイトのいいところを紙に書く時間があった。
「もえぴ、マニアックやからmaniaって書いといたで!!」
たしかに!!!!これも素晴らしい褒め言葉です。ありがとう、あかねさん。
やっぱり、こっちに来て日本のように上手くいかないことがある。
試合中、自分が消えてる感覚がある。
流れに振り回されてるとき、
キツイなと思う時がある。
そんなとき、
今は自分に矢印を向ける時間だという
自分に出逢った。
今の私には、
個の能力を高められる時間が設けられている。
目の前の相手をどうやって抜くのか、
グラウンドの中でどうやって注目を集めるのか
今まで日本で積み上げてきたものは、
一度引き出しに戻してみた。
まっさらな自分で、スペインで闘うために。
今、ここで1つずつ積み重ねるものがある。
また、わたしの点を打つ作業が始まった。
暫くはこの繰り返しだろう。
成果と課題を抽出して、週末に試合を迎える。
これを繰り返し、繰り返し、繰り返す。
全ては自分のために。
この継続力というのは、
先が見えないと難しいのかもしれない。
でも、先が分かってたら誰も苦労はしない。
スペインにきて、
新しい自分と出逢えた1年目だ。
今、私はまさかの走力で評価されている。
「あなたのデメリットを最低ラインまで引き上げないと試合では使わない」
と言われ続けた走力。
おいおいおいおい。
まさか4年後にこんなことになってるとは思わなかったよ。
でも、こうやってコツコツと積み上げたものが
今、「あのとき向き合っておいてよかった」
となるのである。
栄養も同じで、
今のところ大きな怪我なく
プレーを続行できている。
これも点が線になっただけの結果論である。
だから、スペイン1年目でぶつかる壁は
今自分が自らぶつかりに行ってる壁であり、
必ずとも意志が伴うのだ。
私は知っている。
これを超えるために、能力をつけることで
2.3年後に「やっておいてよかったな」と
思えることを。
そして、6ヶ月後のシーズン終わりにどんな顔をしているのか。
それは、毎日を積み重ねた6ヶ月後の
私にしか知らない。
最後に、やはりフットボールは面白いということに再度感じるものがある。
日本から見るものと、現地に来て感じるものは
また新たな違いがある。
ただ今は、
サッカーが難しいと感じることも多い。
縦に早い展開や、グラウンド、味方とのコミュニケーション、自分では操作できない問題が転がっている。
その理不尽さの中で、正しさを求めるよりも
理不尽の中で、今、何ができるのか。
これを考える方が
何よりも手っ取り早いのだ。
日本にいたら、こんな経験をしないだろう。
だってすごくサッカーが綺麗だから。
でも、スペインは
パッションや表現力、試合での
土壇場の力はものすごく強い国だ。
この場に立ち、何をするのか。
異国という土地で、どうやって愉しむのか。
追求するのみである。
サッカーをベースに苦楽を味わいたいなら、
思い切って日本を飛び出すのは、
面白いのかもしれない。
私は、今、とってもたのしいです。
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