④内装工事の手配をする～問われるビジョンに右往左往～

物件が決まりいよいよ内装工事の手配です。ここで問われたのは、スタジオのビジョンやコンセプトです。そういうことは先延ばしにして徐々に考えよう、なんてどこかで思っていたので、不意を突かれ右往左往しました。

このスタジオで俺は何をして、何はしないのだろうか

N戸さんのご紹介で出会った建築士のY井さんに内装のご相談をしたところ、まずは一度物件に立ち会っていただけることになりました。そして12月中旬に物件に一緒に入り、そこでいろいろ質問を受けて気づきます。

「内装を決めるという事は、このスタジオで何をして、何はしないかを決めるという事だ」

セミナーもできるようにするのかスタジオ専用なのか。教育用映像だけでなくプロモーション映像なども範疇とするのか、などなど、この段階で用途をきちんと決めておかなければ、内装が確定しないのです。

たとえばセミナーをやるのであれば、それ用の照明が必要になりますし、不要な機材を目隠ししておくための壁を設置するほうが良いかもしれません。スタジオ専用であれば、それらは不要です。

物件を決めてから今日まで、

・空いている日にはドミノ大会なんかに貸し出すのもいいな
・大型テレビで桃鉄大会をやろう
・コロナが落ち着いたら飲み会もいいぞ

など、のんきなことばかり妄想していたため、いきなり虚を突かれた格好です。

おろおろしながら要件を洗い出しました。

壁をグリーンに塗りたい

まず思いついたのは、壁をグリーンに塗りたいという事です。これは撮影時に合成処理をするために必要なもので、グリーンの布を立ててもよいのですが、それだとシワが寄ったりした部分がうまく処理できないこともあるので、壁そのものを緑に塗るのが一番なのです。

おしゃれ壁も欲しい

グリーン壁とは別に、おしゃれ壁も欲しいと思いました。これは、合成が必要ない撮影の場合の背面用です。ライブ配信などで映える背景がいいなと思いました。
代々木上原の物件は、結構反響音が気になっていたのですが、この壁をつくることで、吸音効果も期待できるとY井さんからアドバイスを頂きました。

照明を吊り下げたい

壁を明るくするため、ならびに演者さんを照らすための照明機材を設置する必要がありますが、それを天井から吊り下げられたらすっきりするかなと思いました。人様に貸し出すときもスマートです。
これはいろいろ検討し、最終的に壁を照らす照明のみ天井から下げることとし、人を照らす照明は三脚で立てる方式にしました。演者さんが立つのか座るのか、一人か複数名か、でそれぞれ照明の位置が変わるため、吊り下げ型より三脚式のほうが便利だと判断したためです。

防音性を高めたい

代々木上原の物件は完全地下ではなく、入り口側は外に面しているため、防音性が心もとないと感じました。そこで、遮音カーテンを引いてもらうことにしました。

サブ室兼編集ルームをつくりたい

撮影している様子をモニタリングするサブ室、ならびに撮影後の動画の編集作業を行うブースは独立した部屋のようにできるといいなと思いました。

ちょうど丸い部分があったので、この円に沿って壁を立ててもらうことでサブ室とすることにしました。

ストックヤードが欲しい

セミナー用の机椅子など、使わない時には格納しておけるストックヤードが欲しいと思いました。ちょうど太い柱が2本立っている部分があったので、そこのデッドスペースを利用することにしました。

メイクルームが欲しい

特に女性の演者さん用に、メイク室が欲しいと思いました。完全個室とはいきませんが、パーテーションで仕切ったような場所を設えていただくことにしました。

結果165万

以上、ほかにも細々した要望を諸々勘案いただき、設計していただきました。結果、お見積りとしては165万円ほどで仕上げていただけることになりました。予算は200万円以内、と思っていたので、ほっとしました。Ｙ井さん、いろいろご配慮ありがとうございます！！！！

早速工事が今週から始まり、1月末には完成予定です。

内装として実現するのか、備品として実現するのか

今回色々内装を相談して感じたのは、「それを備品として実現する可能性もある」ということです。たとえばメイクルームは、内装工事としてパーテーションと台と鏡を設置することも可能ですが、鏡台とパーテーションをニトリで購入してきて設置することも可能です。どちらが良いか、これも意思決定の連続でした。

内装工事の進捗は、このnoteでもアップしていければと思います。

まとめ

・内装を決める時点で、この先数年間のスタジオ活用のイメージを固めておく必要がある
・空き時間で桃鉄をやろう、などとのんきなことを考えている場合ではない
・親身になってくださる建築士の知り合いは神
・予算500万のうち初期費用（205万）と内装費用（165万）を消化。残130万で備品調達に向かう