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信頼を裏切らない〜選択式漢字テストのこと〜

ちょっとびっくりする話を聞いたので、
思うことをつらつらと書いてみます。

あんまりこういうことは思ってても書かないんですが、
あんまりだなと思って・・・。

想起して漢字を書くことが苦手な子に、
選択式漢字テストを導入した話は以前に書きました。

これ本当に良くて、上のリンクの子で始めたのはもう15年くらい前ですが、
今でもよくやってます。

そんな選択式の漢字テスト、
今ではあちこちで実践されているのを聞きます。
みんな考えることは同じなのねぇと、それはとても嬉しい話(⌒▽⌒)

ただ、広がってきているのは良いことだと思うけど、
「わざと正解を入れない」というやり方をしている人がいると聞いて
ヒェぇぇぇってなってます。

それって子どもの信頼を裏切る行為ではないでしょうか。
「ここにない」と気付ける力とかいうお話のようですが、
その効果より、「ここにある」と信じているから必死で考えているのに、
それが裏切られることのリスクの方が高い気がします。

ゲーム感覚かもしれないけど、井上は個人的には大反対。

厳しい言い方をすれば、
学びにくさのある子の一生懸命を踏み躙る行為を
支援者がしていると思います。

苦手なんです。
スラスラとは出てこないんです。
だからこその「選択式」

もちろん、「読めるけど書けない」タイプは、
難なく正解を見つけてしまうけど、
それは「クリアな文字情報」がそこにあるから。

そこに正解がなかったら?
「あれ、どれだろう」と必死に探しますよ。
だって信じているから。「ここにあるはず」と。
そして「なんかちょっと違う気がするけど・・」と選んだ子は、
きっと「正解が入っていなかった」ということにショックを受けるでしょう。

「ここにはない」と言える子は、
選択肢にあるクリアな漢字の文字情報と、
ぼんやり浮かんでいる漢字とを照らし合わせて違いがわかるということですから、
「そもそも選択式にする必要があるのか?」という疑念も生まれます。

いずれのケースでも、一度でもそういうことをしたら、
「選べはいいよと言っても、ここにはないかもしれない」という思いを
今後だき続けていくことになります。
そんな思いを抱きながら、「必死で考える」ことができますか?

「ここに正解がある」と信じて一生懸命取り組む子の思いを
蔑ろにすることがありませんようにと願っています。

負荷を上げたいのであれば、
上のリンクでも書いたように
・数の負荷
・形の一部を塗りつぶしての負荷
を調整するとか、
・選択用紙を見る時間を短く設定する
といった時間の負荷
を調整するなどの方法が考えられます。

苦手なことだからこそ、
「信頼」して取り組めること、
その中で意欲的に継続できること、
が大切だと感じています。


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