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御茶ノ水に山はない、けれど

昨日届いた『東京渋カフェ地図』、名店揃いなんだけど......。冒険の書を手に入れた勇者の気分。今ならドラゴンを倒す旅に出られそう。
しばらくわたしの喫茶巡りはここに載ってるとこばかりになると確信している。

夜な夜な読んで興奮しながら眠りについた。夢に喫茶店は出てこなくて残念だったので、今月初の喫茶巡りへ繰り出すことに。
まあ、夢に出ようが行ってると思うけれど。


早速、渋カフェ掲載店へと向かう。選ばれし一店舗目は、「喫茶穂高」(新御茶ノ水)である。

渋カフェ地図によると、初代店主が山岳会のメンバーと集まるために作った店だそうな。
そんな青春の場を、関係ないわたしたちにも提供してくださるなんて......大変ありがたい。

つまりこの店のコンセプトは「山」である。となればイメージに合う服でいきたい。
喫茶に負けず劣らず服も好きなので、行く場所のイメージに合わせるのは癖みたいなもんだ。

とはいえ、アウトドアと無縁な生活送ってるから、山に似合う服なんてもってないよ!
悩んだ末に、色のイメージを山っぽくまとめることにした。

トップスは、原宿のKINJIで買った緑のニットカーディガン。
パンツは地元に住んでた頃買ったベージュのチノパン、これでいこう。
ちょっとゴツめの革靴でもあれば、アウトドアっぽさを出せたのだけど、あいにく持っていない。
お気に入りのジャーマントレーナーを合わせよう。
理想と現実の折り合いをつける、大人になったなあ。

山ってよりは「木」になっちゃった感否めないけど、いざ出陣。

穂高は、新御茶ノ水駅を出ると、道を挟んだ目の前にある。
少しは迷って探すことを予想していたので、拍子抜けしちゃう。
店名を書いた木のプレート、山小屋っぽいな〜

店内は、土曜の昼前とは思えない、静かな空間。
おひとり様が本や新聞を読んで、存分にくつろいでいる。
二人組の方々は、そんな雰囲気を乱さないように、けれども楽しげに談笑している。

入店から五秒。すでに居心地がよすぎるんですけど。

メニューは、ドリンクとトーストのみ。
ドリンクはコーヒー・紅茶だけでなく、コーラやトマトジュースまで並ぶ充実っぷり。
でもわたしは入る前から心を決めている。
無論、ブレンドコーヒーだ。

五分ほどでコーヒーが運ばれてきた、シンプルな真っ白のカップに入って。いつでもコーヒーを引き立てる彼らに、どうかアカデミー賞を授けてほしい。   

珈琲 650円


一口飲んで、かなり好みの味だと思った。
すっきりした中に、後味で優しい酸味の主張。
酸味って苦手な人はとことんダメだけど、穂高のブレンドはみんなに飲みやすそう。
長居する人が多いから、冷めてもおいしいように淹れているのかもしれない。

コーヒーを飲みながら、BGMが流れていないことに気づく。けれど静かすぎるとは思わなくて、むしろ自然なくらい。
店内の会話に加え、駅前のにぎわった様子が見えることも一役買っているんだろう。

コーヒーだけなのに、ついつい長居してしまった。その気になれば何時間でも過ごせそうだ。

外を見れば都会の駅前なのに、ここにいると山奥までやって来たような錯覚を起こす。
山を愛する店主たちの想いが、店中に染み込んでいるのかもしれない。

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