見出し画像

笠井潔になんで出会ったんだ?

こんにちは、イノシシです。

好きになると相当しつこい性分です。十代のころから好きな作家さんに笠井潔さんがいます。
この方の代表作 矢吹駆シリーズにはまって、もう、40年くらい経ちます。
世間知らずな小僧だった私が、訳も分からないまま、意味不明だがなんかすごいという衝撃を受けた作品でした。
哲学思考と推理小説を並立させようという野心的な作品で、哲学的な部分はさっぱり理解できなかったのですが、世の中にこういう考え方があるのだと妖怪でも見たようなファンタジーとして受け止めていました。
「テロルの現象学」は読んでもさっぱりわかりませんでした。
現象学すら、いまだにわかっていません。( `ー´)ノドやあ。

まあ、それはさて置き、なんで、今、この作品について触れたいと思ったかと言うと、ロシアとウクライナの紛争です。
ロシアの上層部の漫画のような主張。
主人公の矢吹駆との対立軸で
ロシア人のニコライ・イリイチという人物が出てくるのですが、これがまた、
今のロシアの上層部のやり口をそのまま表しているようで。
ゴルバチョフの時代などには、
「ソ連のことをあまりに漫画チックに表現してるんじゃないの?」
と思っていました。ところが、実はそのまま真実のロシア上層部だったという感じです。
だから、ゴルバチョフさんはロシアに帰れないんだねえ。

エンタメとして、島田荘司さん、京極夏彦さんなどの推理作家も面白かったのですが結局、何かをえぐり取られたような、もしくは生涯におけるモノの見方を植え付けられたような気がするのは笠井潔さんの作品だったなと思います。
車音痴の私にとって、外車と言えば、ずっと思い出すのはシトロエンメアリです。
しかし、島田荘司さん、京極夏彦さんあたりの作家さんだと、語り合える女子もいたのですが、笠井潔さんに関しては孤独な読者なのでした。
ああ、なんで、笠井潔さんに若いころの私がたどり着いたのか、思い出した。
平井和正さんのウルフガイシリーズからの流れだったのです。
平井和正さんと笠井潔さんに同じ匂いを感じたのでした。

平井和正さんは、第二次世界大戦で田舎に疎開した少年時代に生命の危機を感じるほどの壮絶ないじめに遭っています。
笠井潔さんは、学生運動がまだ、生命を賭して闘われていたころの活動家でした。

屈折していた私はそういう、血の匂いを嗅いでしまった人の文章に引かれたのでしょう。
今となっては、まさに
厨二病だね。
ってやつですね。






ご興味のある分野があれば、コメントとサポートをいただけると嬉しいです。イノシシスコープで記事を書かせていただきます。