留学体験記(22) in USA


                             齋藤 睦

 千葉大学医学部5年の齋藤睦と申します。4年の冬にカリフォルニアのアーバイン大学(UCI)の病院で三週間臨床見学をさせていただいたことについて書こうと思います。

最初の二週間は主に移植外科にお世話になりました。移植手術は3件見学し、外来で術前患者の診察・同意書の作成、術後患者の定期診察も見学させていただきました。
手術というと体内の占拠性病変を取り除くイメージが強かったのですが、移植では体外取り出した臓器を別の人の体内に入れるというのが新鮮でした。血が通ってはたらき始める様子が特にインパクトが強かったです。
診察では術前の患者状態の評価、手術の説明の入念さが印象的でした。移植後も術後一年までは定期診察があるので外来に来た患者がどんな経緯での移植だったか、経過がどうかそれぞれ多様でした。特に入った診察室でいきなりスペイン語での会話が始まったときはびっくりでした。他にも空き時間ではアメリカの移植の背景についても先生からお話を聞けたり、日によってミーティングや勉強会にも参加させてもらったりと充実していました。
 三週目は脳血管外科にお世話になりました。腰随穿刺、術前の血管塞栓、脳動脈瘤に対するコイル塞栓術、ステント、また脳梗塞のケースにも立ち会うことが出来ました。実際に自分の目で見たステントが大腿からのカテーテルを通って頭の血管に留置されたのも不思議な感覚でした。脳梗塞では一刻を争う状況で正確なカテーテル操作を求められる緊張感がすごかったです。また術前塞栓術を行った患者の開頭手術も見学させていただけました。
 移植外科同様に外来では日本よりも患者さんの背景が多彩で多くの希少疾患について勉強することが出来ました。脳のことなのですぐに命と直結することもあり不安になる患者さんも多かったですが丁寧な説明で納得と安心をする患者さんの様子が印象的でした。

初実習かつ海外の病院で緊張することが多かった三週間での癒やしが週末の観光でした。アナハイムのディズニーとナッツベリーファーム、サンディエゴ、帰る前にはホテルをハリウッドに移してチャイニーズシアター、グリフィス天文台、、、謳歌しました。
食事ではハンバーガーの食べ比べで結構太りました。どこも本場でおいしいのですがその中でもIn-N-Out Burgerは必須です!

総じて今振り返ると大学での実習前で経験不足が祟った点後悔することは多いですが、日本では見学の機会を得にくい二つの科をじっくり見学させていただいた経験はかけがえのないもので今自分が頑張るための糧となっています。

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