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創作する人はとにかく観て↑

 一昨年この映画を観てから、ここ数年の僕の中での邦アニメランキングでずっと1位に居座ってる作品です。平尾隆之監督の「映画大好きポンポさん」。2021年に公開された作品ですが、リアタイはせず一年後に観ました。これね、全人類に観てほしいのはもちろんなんだけど、特に映像にかかわらず絵でも音楽でも何かしら創作とかする人にはオススメしたいのです。

 まず映画自体の内容について言えば、日本のアニメ技術とクリエイターのセンスが詰まった丁寧で見ごたえがある映画です。色彩やカメラワークがとてもオシャレで洋画的であり、一方で唐突な歌モノのバンドBGMや大団円なハッピーエンドが邦画らしい作品です。尺も90分と長くなくて観やすいのでちょっと時間に余裕ができたときにでも是非。
 ストーリーもシンプルで分かりやすいんだけど、自分としてはこの映画が物語として凄く気に入ったというよりは、この映画を通して伝えたい意図がしっかり伝わってきてとても納得した、学びを得たという感じ。多分創作する人たちの多くが同じ感想を持つんじゃないかと思う。

 この映画を観る1年ほど前から僕は音楽作りを趣味として始めたんだけど、特に目標があるわけでもなくコロナ禍で部活もなくて暇だしみたいな、ただの暇つぶしのつもりだったから、最初は本当にボケっとしたトラックばっか作ってたと思う。まあ技術が追い付いていないのもあったけど、確実に「こういうのを作りたい」とかいうのがなかった。なんとなく、それまでもピアノとか吹奏楽とかやってたしまた音楽やりたいなぐらいの気持ちでした。そしたら何曲か作って気付くですよ、全然クオリティが上がんないしなんか作品としてパッとしない件について_( :⁍ 」 )_ そんな中鑑賞したのが「映画大好きポンポさん」です。当時の僕の状況にはすごく刺さる映画だったので思い出補正もあると思うけど、ここ数年の邦アニメーション映画で一番好きです。

 作品中に出てくる「世間受けを狙ったら八方美人のボヤけた映画になっちゃうでしょ。それよりも誰かひとり、その映画を一番見てもらいたい誰かのために作ればいいんだ。そうしたらフォーカスが絞られて作品の輪郭がグッと立つ。」っていうセリフに、この作品の意図が詰め込まれています。僕はこのセリフにすごく影響された。確か去年抱負を書いた記事で、僕はトラックを作るときに必ずこの人に聴いてほしいってのを具体的に決めてから作るって言った気がするんだけど、そのポリシーがここから来てます。ぼんやり作ってた時期に比べて作品自体のクオリティに変化があったと思う。多分。モチベーションの問題じゃなく、作品のテーマを詰めることってクオリティに直結してくるんだろう。

 現代は趣味であれ何であれ創作するならネットに上げるのが当たり前の時代で、そうすると世間受けって絶対に狙ってしまう、考えざるを得ない、みたいなところがある。特に趣味じゃなくて作品を売り出したいと考えている人ならなおさらだと思う。でも自分の作品を幅広く届けたいならなおのこと作品の輪郭がハッキリしてるかって重要なんだろうなと思う。だってネットに大量に転がってる作品の中で目を引く作品がボヤけているはずがないもんな。
 似たような内容をマーケティング的な視点から解説している動画があります。プロのイラストレーターのさいとうなおき先生という方の動画で、僕はつい最近見つけました。

 作品を売り出したいとか副業にしたいとか考えている人はこっちも観てみるといいと思う。ペルソナ分析法ってのがあるんだ。面白いね。でも僕はあくまで数字を上げるというよりは作品のクオリティに関わってくる重要なポイントだと思います。趣味であっても成長しないと楽しくないからな。自分絵は全く描けないしそんなに興味もないんだけど、最近さいとうなおき先生の動画が面白くて色々見てます。おすすめです。

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