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『組み合わせとオルタナティブ』(3−1)4つの創造性と組み合わせ

 「創造性=新しい組み合わせ」という事例を『仕事を減らす』『糸川英夫のインベーション』で解説してきたので、ここで改めてカフマンの4つの創造性で整理してみた。

  • Big-C:社会を変える⾰新的な創造性
    糸川さんのロケット開発はまさにBig-Cの創造性と言えるが、ペンシルロケットは、当時朝鮮戦争が終わったばかりで、日本油脂にあったバズーカ砲の在庫の燃料と、中島飛行機のエンジンの試作工場にあった丸棒「チ−201」(ジュラルミンの中島独自規格)を組み合わせたもの。『糸川英夫のインベーション』より

  • Pro-c:専⾨分野での創造性
    九七式戦闘機は飛行機の専門家としてのPro-Cの創造性と言えるが、複葉の性能を単葉にした一直線の翼と固定脚を組み合わせたもの。『糸川英夫のインベーション』より

  • little-c:他者への貢献がある⽇常的な創造性
    鉄の外枠だけのベイゴマの中心部に鉛を組み合わせて連戦連勝した糸川兄弟のベイゴマ。『糸川英夫のインベーション』より
    説得力があり共有されやすいプレゼンとは、パワーポイントのプレゼン資料にその内容を1行や1枚に凝縮したものと「ので理論」を組み合わせたもの。『仕事を減らす』より

  • mini-c:学習プロセスの⼀部である個⼈内の創造性
    ガラス管とマッチ棒を組み合わせた大砲、ガラス管に電磁石を組み合わせた大砲、いろいろな液体を組み合わせた液体磁石など、完成していないが組み合わせの学習になったもの。『糸川英夫のインベーション』より
    共有されやすいプレゼントして、その内容を1行や1枚に凝縮したものなど、成果につながっていないが組み合わせの試行錯誤をしたもの。 『仕事を減らす』より

 このように4つの創造性のどの段階においても、組み合わせによって創造性は生まれている。創造性と言うと「0から1」が生まれるとイメージしやすいが、既存のものの新しい組み合わせから生まれるのである。さらに、別の例からも考察してみよう。

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